スティーヴン・ウィルソン「リック・ライトのソロ作は失われたピンク・フロイドの作品のような存在」
ピンク・フロイドのキーボード奏者だった故リチャード・ライトが1978年に発表したソロ・デビュー・アルバム『Wet Dream』が、ライトの80回目の誕生日だった7月28日にCDとデジタル・フォーマットでリイッシューされた。
◆『Wet Dream』画像
リイッシュー盤のミックスを手掛けたポーキュパイン・ツリーのスティーヴン・ウィルソンは、ピンク・フロイドのファンであっても、このアルバムの存在を知らない人が多いことに驚いたという。しかし、だからこそ、ピンク・フロイドの新しい音楽や未発表曲に飢えているファンにお誂え向きだと思うそうだ。
彼は英国の新聞『The Telegraph』のインタビューで、こう語った。「僕は、このアルバムのことを知っていた。あらためて評価される機会に恵まれてこなかったことも知っていた。“あらためて”どころか、そもそも評価される機会がなかったかもしれない。埋もれてしまい、僕が知る限り、ちゃんとしたリイッシュー・キャンペーンはなされてこなかった。だから、長い間行方知れずだった、君らが聴いたことがない70年代のピンク・フロイドのアルバムだと想像してみてほしい」
「ピンク・フロイドの新しい音楽に対する欲求はこれまでになくある」「このアルバムには、(ピンク・フロイドの)DNAがある。ピンク・フロイドの過去の名作、とくに『Wish You Were Here』との関連が深い」
「このアルバム(のリイッシュー)が発表されたとき、人々がどんな反応をするか知りたくて、(ピンク・フロイドの)フォーラムをチェックしてたんだ。驚いたことに、このアルバムの存在を知らなかったと言ってる人がたくさんいた。だから、いいタイミングだった」
『Wet Dream』は1978年初めに制作され、その年の9月にリリースされた。ピンク・フロイドはこの時期、『The Wall』のレコーディングに取り掛かりはじめ、ライトはそのセッションの最中、ロジャー・ウォーターズによりバンドを解雇された。
Ako Suzuki
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