【速レポ】<中津川ソーラー>打首獄門同好会、「このステージのトリ、これでよかったのか、俺!?」

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「この<THE SOLAR BUDOKAN>は太陽光を使ったエコなフェスということで、我々も“何かエコロジーなライブグッズはないか”と考えたのが、決して明かりのつかないエコなペンライトだ」(大澤敦史 / Vo&G)。そう言ってサウンドチェック時に配られたのは、打首獄門同好会のファンにはおなじみ、デリシャススティックことうまい棒。<THE SOLAR BUDOKAN>初登場にして、のっけからやりたい放題の打首獄門同好会。1曲目は、先ほど配った明かりのつかないペンライトを振る、「デリシャスティック」だ。

◆打首獄門同好会 画像

この曲を筆頭に、打首獄門同好会はライブでのお約束的なものが多いバンドなのだが、VJで歌詞や、なんの歌なのかの説明があったりと、初見の人にもとても優しいラウドロックバンドである。大澤、河本あす香(Dr)、Junko(B)による3ピースで (VJなど、にぎやかしの2名もステージに)、ゴリゴリにヘヴィなサウンドを聴かせるが、歌っているのは食に関することだったり、身近なあるあるネタだったり、子どもから大人まで膝を打つこと請け合いな“生活密着型ラウドロック”。そのキャッチーさに、みるみるシンガロングが大きくなり、観客は、楽しく叫びながらコブシを掲げる。





「島国DNA」では、「会場で気球が飛んでいるのを見たら、僕らもああいうのを飛ばしてみたくなりました」(大澤)と、何匹もの魚型の浮き輪を観客の頭上にダイブさせ、“魚、魚(ウオ、ウオ)”コールを巻き起こし、チョコレート菓子の争いを描いたメタルコア「きのこたけのこ戦争」では、見事なウォールオブデスを生み出す。観客も、相当にノリがいい。

メンバー全員“エコなエンターテインメント”=生姜の被り物でプレイする「New Gingeration」でも大合唱を起こし、Nintendo Switch用ソフト『WORK×WORK』のテーマソングとして書き下ろした新曲「はたらきたくない」でも“はたらきたくないねー”の大合唱でコブシを突き上げる観客など、とにかく会場一体となって終始歌いまくっているのだが、トリを務めるバンドとしてこれほどシュールな言葉を連呼させるバンドは、果たしていただろうか。その極め付けは、力強く“米、米(マイ、マイ)”と叫ぶ「⽇本の⽶は世界⼀」だ。ちなみに、この中津川のある岐阜県の米の収穫量ランキングは、「だいたい全国25位くらい」(大澤調べ)だという。



「今日は、初出演の<THE SOLAR BUDOKAN>で、まさかのREDEMPTION STAGEのトリを任せてもらったので、あまりフェスではやらない曲をやりたい。ここ中津川で遊び疲れたみなさんの、ライブ後に捧げる曲でございます。帰ったらどうぞ、お風呂で温まって、温かい布団でゆっくり休んでください」──大澤敦史

という言葉から最後に演奏されたのは、「フローネル」。曲中に語りパートがあり、モニターを使ってフリップ芸的に見せる曲である。「本当にこのステージのトリ、これでよかったのか、俺!?」(大澤)と自問しつつも、この<THE SOLAR BUDOKAN>用に語りパートがアレンジされ、笑いと共感の拍手喝采で大団円となった打首獄門同好会。満足げに汗を拭う観客たちの顔をみれば、これでよかったのだと思うし、彼らのような決して正統派じゃないロックバンドが大舞台のトリで観客を沸かせ、熱いシンガロングを生んでいる光景は、痛快の一言だ。



取材・文◎吉羽さおり
撮影◎柴田恵理

【打首獄門同好会@REDEMPTION STAGEセットリスト】

01. デリシャスティック
02. 島国DNA
03. きのこたけのこ戦争
04. New Gingeration
05. はたらきたくない
06. ⽇本の⽶は世界⼀
07. フローネル

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>

2018年9月22日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ

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