【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>佐藤タイジ、「ここはオレが伝えたいことの真意がわかってくれそうな人が多そう」

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芝生が広がる<山人音楽祭2024>妙義ステージで、マジシャンのようにアコースティックギターとルーパーを操り、小雨によって生まれた湿気を吹き飛ばす陽気とファンキーさを放ってくれたのがシアターブルックのフロントマンであり、太陽光だけで電力を賄う音楽フェス<THE SOLAR BUDOKAN>のオーガナイザーでもある佐藤タイジ。

アコギ1本とは到底思えないグルーヴィーさにガツンとやられた人も多かったはず。バンドの充実度を表す新曲、グッとメッセージと想いを込めたカバー、色褪せないアンセム、そのどれもが本当に素晴らしかった。

   ◆   ◆   ◆

──<山人音楽祭>、初出演となりました。

佐藤タイジ:<山人>って何年やってるの?

──前身イベントの<GUNMA ROCK FESTIVAL>から数えれば、タイジさんがオーガナイズされている<THE SOLAR BUDOKAN>と歴史的には同じぐらいじゃないかと思います。

佐藤:そうだよね。<THE SOLAR BUDOKAN>は最初に2012年に日本武道館でやって、野外をやりだしたのが2013年だから。

──ライブをやられてみての感想はいかがですか?

佐藤:まず、来るまでに物凄い渋滞でさ(笑)。都内を出るのに何時間もかかって。なんだかんだ4時間かかったからね。でも、間に合って良かったけど……(持ち時間を)ちょっとはみ出てスイマセン!

──シアターブルックの新曲「私をアムスに連れていって」と「白クマとボノボ」の2曲。再生可能エネルギーの割合100%を目指す、という人生の目標を話されてからの新しい一歩を踏み出す、愛する者を信じる意味合いも持つ「Purple Rain」。最後はダメ押しのように「ありったけの愛」という計4曲を演奏されました。袖でG-FREAK FACTORYの茂木さんと原田さんがノリノリで見守ってましたね。

佐藤:次からはステージに時計を置いておきます(笑)。


──ハハハハ(笑)。これまで<山人音楽祭>と<THE SOLAR BUDOKAN>は日程が同じでしたし、物理的に出演することは不可能でした。

佐藤:そうだったんですよ。茂木くんとお互いの出演者を共有したり、同じメッセージを出すとか、毎年のように何かやろう、という話はしてて。

──もともと、繋がり自体はあったんですか?

佐藤:いや、割と最近なんですよ。共通の友達はすげえいっぱいいるから、いろんなところから話は聞いてたけど、会って話をしたのが2016年とか2017年。G-FREAK FACTORYもすげえいいバンドじゃん。で、オレのイベントに結局呼んだのかな。

──そこで意気投合されたみたいな?

佐藤:でしたね。

──タイジさんと茂木さんって色は違うけど、太陽を背負ってる男という共通のイメージがあるんです。

佐藤:なんかね、茂木くんはとても感じがいいし、キャラクターも好きなんですよ。

──勝手ながら、お互いのフェスに出ることがあれば、どちらも似合いそうだなとずっと考えてたんですよね。

佐藤:そうだよね!


──ちなみになんですけど、<THE SOLAR BUDOKAN>はどういう感じですか?

佐藤:今は<THE SOLAR BUDOKAN>復活に向けてゴリゴリと動いてるところっす。ちょうど、来年でシアターブルックもデビュー30周年だから、ちゃんと復活させないといけないと思ってるし、何より(使用されるエネルギーの割合の中で)再生エネルギーを100%にしなきゃいけないと考えてるから。とにかく、エネルギーのことだけは責任を感じてやってるんで、このまま子供たちにバトンタッチするわけにはいかないって思ってるんですよね。政治的な意見に捉えられたりもするけど、オレの中ではちょっと違って。

──MCでも話されてましたけど、政治というよりも生活や暮らしの話ですよね。

佐藤:そうなんですよ。

──加えて、難しい話を繰り返すよりも<THE SOLAR BUDOKAN>のように「太陽光だけで音楽フェスが開催できる」という提示は凄くわかりやすいですし、大きい広がりもあると思います。

佐藤:この国の再生エネルギーの割合が20%で止められてる現状があって。再生エネルギーに取り組んでいる会社の人たちに話を聞くと(技術的には)100%でいける、と。そこにGOサインを出すのは国民だから、我々が声を出せば変わるんですよ。そこを信じて続けていきたいと思ってますね。


──<山人>に話を戻すと、実際に足を運ばれて感じたモノはありましたか?

佐藤:まず、屋内ということが、今の気候変動で起こるゲリラ豪雨にも明らかに対応してるじゃないですか。キャッシュレスもそうだし、思ったより時代に則した感じになってるパーティーで素晴らしいな、って。

──いい刺激をもらえるような。

佐藤:そうですね。ちょいちょいキレイな女の人もいるし(笑)。

──ハハハハ(笑)。<山人>もジャンルや世代がごちゃ混ぜで、いわゆるロックフェスと匂いが違うところもあって。

佐藤:<THE SOLAR BUDOKAN>に通ずるところがあるっすよね。アーティスト主導のところが出てて、凄いシンパシーもあるし、いいフェスだなって思いました。

──となると、今後も<山人>やG-FREAK FACTORYと何か一緒にやれれば、みたいな考えも?

佐藤:そりゃ、ありますよ。

──呼ばれたからには、次は呼びたい、みたいな気持ちもありますよね。

佐藤:そうっすよね。なんか誘導されてる気もするけど(笑)。

──でも、いい展開を期待しちゃいますよ(笑)。また、シアターブルックも仕上がりまくってる状況だとお聞きします。今年は6月から10月にかけて9年ぶりに新曲を連続リリースということですから、まだ続くわけですよね(6月「私をアムスに連れていって」、7月「白クマとボノボ feat.いとうせいこう」、8月「妖精」)。今後はどういった曲を予定されているんですか?

佐藤:また違うような曲もありますし、まだ完成してない曲も5曲ぐらいあって。デモテープ段階なんですけど、結構攻めてますよ。ちょっとリークすると、タイトルだけやけど「頑張れブルック」というのがあって。『ONE PIECE』の中で(登場キャラクターの)ブルックがやられてるから、勝手にシアターブルックで応援歌をやろう、っていう(笑)。

──そんなことを考えてるんですか?(笑)

佐藤:こっちから歩み寄ろう、と(笑)。その曲がまたカッコええのよ。

──それだけデモがあるということは、来年に予定されているフルアルバムに向けても順調に動き出しているんですね。

佐藤:金をかき集めつつ(笑)、順調に動いてます。あと、トピックとしては、アフリカのセネガルで<THE SOLAR BUDOKAN>を開催する為にクラウドファンディングが始まります。

──話だけを聞いたら荒唐無稽な気もしちゃうんですけど、タイジさんならやるんだろうなと思わされます。

佐藤:今年の年末に向こうへ行って、実行委員会を組織すること、すでにテーマ曲を2曲録音してるんやけど、それをクラファンのリターンにして、向こうでそれに追加レコーディングもしたくて。現地のミュージシャンと一緒にやって、曲だけじゃなく映像も撮ったり。どこでやるかのロケハンも必要だし、その為に必要な経費を支援していただけないか、と。

──今日のライブもそうですし、いろんな縁がつながってどんどん輪が広がっていきそうですね。

佐藤:ホントにそうで。ここはオレが伝えたいことの真意がわかってくれそうな人が多そうだなとも思ったんですよね。

取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎野村雄治
ライブ写真◎タマイシンゴ

<山人音楽祭2024>

日程:2023年9月21日(土) 、9月22日(日・祝)
開場・開演:開場 9:30 / 開演 11:00 (終演 20:00予定)
会場:日本トーターグリーンドーム前橋(群馬県前橋市岩神町1丁目2-1)

出演者
【9月21日(土)】
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / おとぼけビ〜バ〜 / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット / The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV (※五十音順)

【9月22日(日祝)】
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 / 四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY (※五十音順)

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