【速レポ】<中津川フェス>THE BLACK COMET CLUB BAND、「みなさんも(佐藤タイジの)仲間です。」
多くのバンドが出演するこういうフェスの楽しみの一つとして、未知のバンドとの出会いを挙げる音楽ファンは少なくないと思うが、今回、メンバー全員が揃いの黒いシャツでキメた5人組、THE BLACK COMET CLUB BANDは筆者にとって、まさにそういう意味でフェスの醍醐味を味わわせてくれた一組だった。
◆THE BLACK COMET CLUB BAND画像
聞けば、ZIGZO、nil、THE JUNEJULYAUGUST、そして佐藤タイジと組むインディーズ電力の4バンドで活躍している高野哲(Vo, G)が昨年、新たに結成したバンドだという。
理屈っぽい言い方をすれば、オルタナの感覚でパワーアップした60〜70年代風のブルース・ロック・バンドということになるかもしれないが、ダイナミックなリフを軸にしたブルース・ロックという容れものに入る“歌”が彼らのユニークさを際立たせている。
たとえば、いきなり演奏になだれこんだ1曲目の「The Sundance Kid」では、ヨーロッパの民謡を連想させるメロディーが、“ブルース・ロック”なんて紋切り型の言葉に収まりきらない個性をいきなりアピール。さらにメンバー全員が“オイ!オイ!”と叫んで、観客を煽るんだから、身体を動かさずにいられないではないか。
テンポを落とした演奏にピアノのフレーズが絡む、どこかドアーズを思い出させる変型ブルースの3曲目「Border Line」は、高野が敢えてマイクをオフって、生声で歌い上げるという熱演に客席の熱がぐんと上がった。“THE SOLAR BUDOKANは音がいいです。世界一音がいいロック・フェスを楽しんでください”という高野のMCを挟んでから演奏した「Sanagi」「El Camino, El Dorado」の2曲からはラテンと昭和歌謡の哀愁が感じられた。因みにダンス・ナンバーでもある後者で無骨なビートを弾き出したのは、クロマニヨンズでもプレイしている小林勝(B)。そこから一転、後半戦に向け、弾みをつけるようにテンポアップした「Vagabond」は、高野が歌の中で繰り返すこの曲タイトルが“バカばっか”にも聴こえ(いや、実際、そんなふうに歌っていたかもしれない)、現代社会に対する痛烈な一言のようで思わずニヤリ。
“みなさんも(佐藤タイジの)仲間です。世界中のロック・フェスがソーラー・エネルギーでできる日が来るので、それまで俺達仲間で佐藤タイジを支えていきましょう”(高野)
そんな熱いMCにぐっと来たのか、「Little Light, Big Shadow」のラテン・ビートに体が反応したのか、大勢の観客が踊りだした。盛り上がりは、モータウン風にも聴こえる2台のドラムのビートがハネるポップ・ナンバー「Happy End」でさらに過熱。そして、ラストの轟音バラード「Bandeira」でメンバー全員がシンガロングする中、高野がバンド名の入った大きな旗を振り回すと、それに応えるようにファンがバンド・タオルを掲げた。
見事なラストだった。熱演を終え、ステージを降りる5人に大勢の観客が惜しみない拍手を贈った。
取材・文◎山口智男
撮影◎柴田恵理
01. The Sundance Kid
02. The Party Song
03. Sanagi
04. El Camino,El Dorado
05. Vagabond
06. Little Light,Big Shadow
07. Happy End
08. Bandeira
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2016>
Day2:2016年 9月11日(日)
会場:岐阜県中津川市 中津川公園内 特設ステージ
岐阜県中津川市茄子川1683-797
※雨天決行(荒天の場合は中止)
▼9月10日(土)出演者
シアターブルック、AFTER SCHOOL HANGOUT (林立夫&沼澤尚 with 鈴木茂, 森俊之, 沖山優司 featuring Leyona and 高橋幸宏)、チャットモンチー、DJダイノジ、怒髪天、H ZETTRIO、麗蘭、ましまろ、MONGOL800、NAMBA69、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND、RIZE、SA、Spinna B-ILL、10-FEET、Dragon Ash、SCOOBIE DO、THE BLACK COMET CLUB BAND、cro-magnon、加藤登紀子、シシド・カフカ、中川敬 (ソウル・フラワー・ユニオン) 、オレスカバンド、NO GENERATION GAPS(うじきつよし・佐々木亮介)、Dachambo、DJ NOBU A.K.A. BOMBRUSH! with IO, DONY JOINT & YOUNG JUJU (KANDYTOWN / BCDMG)
▼キャンパーズParty“Village Of illusion”
LIVE:フォークソング部 (NAOKI[SA]+上原子友康 [怒髪天])、藤井一彦 (THE GROOVERS)、 Rei
DJ:SEIYA、DJ PAIPAI & SWEET RAVE、DJ 吉沢dynamite.jp
Midnight illusion:瀧澤賢太郎、DJ EMMA、KEN ISHI
▼9月11日(日)出演者
ACIDMAN、a flood of circle、赤い公園、THE COLLECTORS、ダイノジ(Talk&Live)、the HIATUS、インディーズ電力 大取締役会、Nothing’s Carved In Stone、THE King ALL STARS(加山雄三、佐藤タイジ、古市コータロー、名越由貴夫、ウエノコウジ、武藤昭平、山本健太)、八代亜紀、さかいゆう feat. 福原美穂 × 中津川 JAM (柴山哲郎、沼澤尚、中條卓、森俊之) 、the LOW-ATUS、ROVO、浜崎貴司 GACHI SOLAR SPECIAL(浜崎貴司、仲井戸“CHABO”麗市、佐藤竹善(Sing Like Talking)、PES(RIP SLYME)、山田将司(THE BACK HORN))、MANNISH BOYS、LIVE FOR NIPPON 〜Pray For 熊本〜 (高田漣.・東田トモヒロ・山口洋)、 片平里菜、真心ブラザーズ、ストレイテナー、チャラン・ポ・ランタン、BimBamBoom、Young Juvenile Youth、OZROSAURUS、ROTH BART BARON、TheSunPaulo、Yasei Collective、iCas(インディーズ電力 大取締役会)、LIFE IS GROOVE(KenKen、山岸竜之介、SATOKO、タブゾンビ)
◆BARKS内<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2016>特集
◆<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2016>オフィシャルサイト
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