【速レポ】<中津川ソーラー>奥田民生 Solar Session、レアでグダグダな充実共演「毎年、入口でやりましょう」

ポスト
no_ad_aritcle

「はい、こんばんは。奥田民生です」と、ふらっとたったひとりステージに現れ、「よろしくお願いします。去年出させてもらって、今年も呼んでいただいて」と語り出した奥田民生の口調からは、昨年ステージで「これからは毎年出たいと思います」なんて思わず勢いで言っちゃったものの、大変なことを任されちゃったよという様子も感じられた。

◆ライブ写真

「謎のコーナーになりましたけど、レアと言えば、レア。グダグダしていると言えば、グダグダしている時間が始まります!」

毎年、顔ぶれも含め趣向を変えながら<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>で繰り広げられるセッションを“他のフェスにはない名物”と言うことに異論のある人はまずいないと思うが、2023年、そのセッションの音頭を取ったのはすでに書いたとおり、前日に地球三兄弟でも出演した奥田民生だ。


奥田は「奥田民生と名前が付いているんで、前座っぽく何曲か奥田民生っぽいやつをやります」とアコースティックギターの弾き語りで、まず新曲の「ハナウタ」と「さすらい」の2曲を披露した。

ともに曲の芯にロックンロールがあることを思わせる熱演で観客に歓喜の声を上げさせると、「さあ、これからがセッションの始まりです! まずは<SOLAR BUDOKAN>のね、偉い奴、佐藤タイジ! そしてもっと偉い奴、うじきつよし!」と佐藤と、うじきを呼び込む。



今回のセッションは、奥田民生(B)、佐藤タイジ(G)、うじきつよし(G)に伊藤大地(Dr)を加えた4人がハウスバンドを務めながら進行していくのだが、まずはうじきの子供ばんど時代の代表曲「野良猫」を4人で演奏する。

奥田:高校生の頃から子供ばんど、ずっと好きだったんです!
佐藤:同じくです!
奥田:夢のステージです!
うじき:43年前の曲ですよ。

その「野良猫」はダイナミックなリフをうじきが奏でるカラッとしたハードロックナンバー。高校生の頃コピーした楽曲を、その本家とともに演奏できる幸運を心から味わい尽くしながら、奥田と佐藤は「やった!」「気持ちいい!」とそれぞれに快哉を叫ぶ。

奥田:思い出した。高校生の頃を! (うじきに)40年前、広島のヤマハに来たでしょ? あ、ヤマハって楽器屋さんね。そのヤマハに行ったら、うじきさんがいたから、ギターケースにサインもらって、一生の宝物にしますって言ったら、安い宝物だなって言われたんだよ。
佐藤:まだ持ってる?
奥田:あげた!(笑) 

曲間で繰り広げる、そんなずっこけたトークもこのセッションの見どころだ。

奥田:子供ばんどを知らない人は、調べて、聴いてください。なんなら、俺が子供ばんどを通ってきたってすぐわかるから(笑)。

そんなことをカミングアウトしながら、奥田が次のゲスト、FLYING KIDSの浜崎貴司(Vo)とサンボマスターの山口隆(Vo, G)を呼び込むと、うじきが<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>でチャボさん(仲井戸“CHABO”麗市)と演奏した思い出を語ってから、「きっとまた中津川に戻ってきてくれると思います!」と声を上げる。そして、浜崎が「日本の最も有名なロックンロールをやります! 覚悟はいいか!?」と言ってから、ステージの6人が演奏したのは、もちろんRCサクセションの「雨あがりの夜空に」。浜崎、山口、佐藤、奥田、うじきとボーカルをリレーしていったのだが、忌野清志郎そっくりの歌を披露した山口に観客は拍手喝采を贈る。




奥田:これは楽しいよ! でも、こんなデカいステージじゃなくたっていい。毎年、(<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>の)入口でやりましょう。
佐藤:わかった! 来年トップバッターね。
奥田:いや、書いてないのよ。(出演者の)ラインナップには書いてないけど、やってるの!

夢を膨らませ、話が止まらない奥田と佐藤に「そんなに喋ってていいのかよ!」とうじきが釘を刺し、ようやく迎えた次のゲストは木村カエラ。木村のリードボーカルで、4人が演奏したのは、奥田のユニコーン時代の代表曲「大迷惑」。ステージを左右に動き、踊りながら歌う木村のエネルギッシュなパフォーマンスが最後列まで埋まったRevolution STAGEに熱狂を作り出す。そんな木村を、「誰よりもちゃんとしてたよ!」と奥田は大絶賛。



うじき:(いや、そういう奥田も)ベースうまいよ。
奥田:(ユニコーンのベーシスト)EBIよりも?
うじき:うん。あ、うんって言っちゃった(苦笑)。

さらに土岐麻子をステージに迎え、「イージュー★ライダー」を、土岐、木村とともに歌った奥田は「個人的には、こういうことをやっていきたいと思います!」と再び快哉を叫ぶ。



奥田:こういう内容のことを人生にしたい!
佐藤:いいと思います! 賛成です!
奥田:こんな機会を作ってくれてありがとう! <SOLAR BUDOKAN>!
佐藤:とんでもない!

なんだ、冒頭で「謎のコーナーになりました」と言いながら、蓋を開けてみれば、思っていた以上の手応えを得られたのか、誰よりも奥田自身が楽しんでいるではないか。ひょっとして、来年2024年、もしかしたら入口横のセッションが実現するかもしれない。しかし、それは出演者のラインナップには書かれない予定だから、ここに来て、確かめるしかない。


再び奥田、佐藤、うじき、伊藤の4人になったところで、奥田が「次が最後の曲です。夏の曲と言えば!」と声を上げると、「山口呼ばないの⁉」と佐藤が突っ込む。奥田は山口を呼ぶことをすっかり忘れていたようだ。

「山口来る!」と慌てて、山口を呼び込み、最後に演奏したのは、エディ・コクランの「サマータイムブルース」。子供ばんどのカバーを下敷きに歌詞を<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>に因んだものに変えながら、うじき、奥田と歌を繋げ、さらには山口、佐藤、うじきが次々にギターソロを披露したところに浜崎、木村、土岐がギターを抱え、ステージに登場してきたもんだから、観客はやんややんやの声を上げながら大歓び。


そして、山口、うじきとギターソロを弾きたおして、ロックンロールセッションは<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>に新たな可能性を生み落としながら大団円を迎えたのだった。

楽しかった! 奥田が考える入口横のセッション、マジで期待している。

取材・文◎山口智男
撮影◎柴田恵理

■セットリスト

1. ハナウタ
2. さすらい
3. 野良猫 w/ うじきつよし, 佐藤タイジ, 伊藤大地
4. 雨あがりの夜空に w/ 浜崎貴司, 山口隆, うじきつよし, 佐藤タイジ, 伊藤大地
5. 大迷惑 w/ 木村カエラ, うじきつよし, 佐藤タイジ, 伊藤大地
6. イージュー★ライダー w/ 土岐麻子, 木村カエラ, うじきつよし, 佐藤タイジ, 伊藤大地
7. サマータイムブルース w/ 山口隆, うじきつよし, 佐藤タイジ, 伊藤大地

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2023>



9月23日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月24日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 ※予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
▼出演
【9月23日(土)】androp / BREIMEN / Caravan / 地球三兄弟(YO-KING / 桜井秀俊 / 奥田民生) / DURAN / HEY-SMITH / HY / 韻シスト / いとうせいこう is the poet / JUN SKY WALKER(S) / 清春 / Major in Body Bear (from台湾) / NakamuraEmi / OAU / PLECTRUM / ROCKIN’ QUARTET (大木伸夫, ホリエアツシ, 村松拓, TOSHI-LOW, 内澤崇仁) / ROCK’N’ROLL GYPSIES (花田裕之, 下山淳, 池畑潤二, 市川勝也) / SOIL&“PIMP”SESSIONS / 10-FEET / 打首獄門同好会 / うじきつよし / ヤバイTシャツ屋さん / DUCK HOUSE
【Village Of illusion】ermhoi / Kaoru Inoue / DJ KENTARO / 武藤昭平 with ウエノコウジ / OBRIGARRD / Rei / TOMOYUKI TANAKA (FPM)
【9月24日(土)】シアターブルック w/ 河村隆一 / ACIDMAN / a flood of circle / the band apart / ComplianS+Afro Begue (佐藤タイジ, KenKen, Omar Gaindefall, 津田悠佑, 佐々木俊之, Naoto) / FIVE NEW OLD / FLYING KIDS / 吉川晃司 / 木村カエラ / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / STOCKMAN / NONA REEVES / Nothing’s Carved In Stone / Nulbarich / 奥田民生 Solar Session / Omoinotake / Original Love / リーガルリリー / サンボマスター / ストレイテナー / 土岐麻子 feat. 堀込泰行 / うじきつよし

▼チケット
・2日通し入場券 15,900円
・9月23日(土) 入場券 9,800円
・9月24日(日) 入場券 9,800円

【各プレイガイド】
▼イープラス
https://eplus.jp/ntsb23/
▼チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/solarbudokan-23/
Pコード:2日通し入場券:780-841 / 1日入場券:248-631
▼ローチケ
https://l-tike.com/solarbudokan/
Lコード:42780
▼サンデーチケットセンター
https://www.sundayfolk.com/go/ntsb2023/
▼プレイガイドぎふ
https://www.cnplayguide.com/gifu-np/
※キャンプ券・駐車場券はイープラスのみ受付

【往復シャトルバス乗車電子チケット】
中津川駅(にぎわい広場)⇆ 会場(中津川公園)
http://solarbudokan.com/2023/access/index.html#sec-4
【フード&フリマ出店】
http://solarbudokan.com/2023/area/shop/
【オフィシャルグッズ】
http://solarbudokan.com/2023/goods/
【公式アプリ】
アーティストの出演日程やタイムテーブルに加え、プレイリストを試聴できるなどの機能を搭載
・iOSアプリ:https://apps.apple.com/us/app/id1466179992
・androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eplus.solarfes

主催:中津川 THE SOLAR BUDOKAN 実行委員会



■“こどもソーラーブドウカン2023”コンテンツ紹介

【うじキングダム こどもパレード】※協力:株式会社ヤイリギター

▲うじキングダム こどもパレード


▲内澤崇仁(androp)
今年もこどもソーラーブドウカン国王にうじきつよしが就任。「うじキングダム こどもパレード」と題して、ギター&パーカッション教室とパレードを実施。うじきつよし&内澤崇仁(androp)共作によるこどもソーラーブドウカンテーマソングでパレードを行う。
出演:うじきつよし、内澤崇仁(androp)、辻コースケ、伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)…and more

【HY HeartY Village@こどもソーラーブドウカン】

▲HY HeartY Village
HYのメンバーと一緒に自然の物や身の回りの物を少し工夫して、楽しい楽器を作ります。作った楽器でHYとセッションも。
※申し込み方法など詳細は後日発表

【ドラムであそぼう】※協力:パール楽器製造株式会社

▲こどもドラム教室
ドラムの老舗メーカー パール楽器協力、キッズドラムセットが登場。ドラムを叩いたことがない初心者も大歓迎。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのドラマー伊地知潔が先生として登場する『こどもドラム教室』も開催する。

【水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室】※協力:トヨタ自動車株式会社
未来のエネルギー水素の特長を「作る」「貯める・運ぶ」「使う」の3つのシーンで学び、みんなで実際に水素を作る実験をします。作った水素で燃料電池自動車「MIRAI」の模型を走らせてみよう。

【RAV4で快適キャンプ体験】※協力:トヨタ自動車株式会社 ✕ KEEN

▲伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)


▲NAOTO
TOYOTA RAV4の給電を使って快適キャンプ体験を楽しむ。人気ブランド「DOD」、アウトドア・フットウェアブランド「KEEN」がキャンプギアを提供する。TOYOTA RAV4の給電と調理家電を使用した『キャンプ料理教室』も開催。
出演:伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES) ✕ NAOTO(Violinist)

【みんなで作る「太陽のステージ」】※画家 近藤康平 ✕ 木こりの熊さん 監修

▲木こりの熊さん
木を切る・画を描く、何をやっても自由。こども自身が作りたいアート作品を画家 近藤康平と木こりの熊さんが一緒に制作。出来上がった作品は、こどもソーラーブドウカンのメインステージ「太陽のステージ」の装飾として取り付けられていく。2日間でどんなステージが出来るのか? 誰もわからない。進化する「太陽のステージ」は必見。

【TOYOTA こどもソーラー食堂 BY 伊地知潔】

▲水素で動くFCキッチンカ
料理研究家としても活躍するドラマー伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)が、キャンプでこどもも楽しめる簡単レシピを考案。こどもソーラーブドウカンで料理教室を行う。水素で動くFCキッチンカーを使った「TOYOTA こどもソーラー食堂」が登場。伊地知潔監修によるキャンプでこどもも楽しめる簡単料理を限定無料配布決定。

【中津川少年少女合唱団 SOLAR CHILDREN スペシャルステージ】

▲中津川少年少女合唱団
幼稚園年中から中学3年生までのこども達によって美しいハーモニーを響かせる『中津川少年少女合唱団』が、昨年に続き今年も登場!結成から22年を誇る合唱団のOBも参加する『中津川少年少女合唱団 SOLAR CHILDREN スペシャルステージ』をどうぞお楽しみに。

【Moving eによる「こどもソーラーブドウカン」への電力供給】

▲Moving e
水素から電気を生み出すMoving eを使って、こどもソーラーぶどうかんエリアへ電力を供給。Moving eは大容量水素を搭載する燃料電池バスと、可搬型外部給電器・可搬型バッテリーを組み合わせたシステムで、電力供給量は最大約490kWh。

■クラウドファンディング“ソーラーサポートプロジェクト”


▼受付サイト
クラウドファンディングサービス“Fanpla Action”
https://action.fanpla.jp/tsb2023
▼参加受付期間
9月5日(火)19:00~9月30日(土)23:59
※印の下記コースはリターン品発送の都合上、9月13日(水)23:59まで
▼サポートコース一覧
・ソーラーサポーター コース:1,000円(税込)
・エコバッグ コース(※):2,500円(税込)
・もみ殻リユースカップ コース(※):3,000円(税込)
・Tシャツ コース(※):4,500円(税込)
・サイン入りTシャツ コース(※):10,000円(税込)
・バックステージツアー コース(※):10,000円(税込)
・アフタートーク コース(※):10,000円(税込)
▼サイン入りTシャツ参加アーティスト(順不同)
・LOW IQ 01
・a flood of circle
・JUN SKY WALKER(S)
・the band apart
・NONA REEVES
・Omoinotake
・土岐麻子 with 堀込泰行
・Nothing's Carved In Stone
・ストレイテナー
・androp
・佐藤タイジ


この記事をポスト

この記事の関連情報