【連載】代官山JAZZトーク Vol.1「テーマ:JAZZはなぜ100年以上生き残ったのか?」


◆『代官山JAZZトーク』画像
台風が接近し、あいにくの悪天候だった9月15日(日)、代官山 蔦屋書店 音楽フロアにて第1回「代官山JAZZトーク」が開催されました。
本日は偶然にもビル・エバンスの命日。JAZZが100年以上生き残るために多大な貢献をしたピアニストの一人です。エバンス初期の代表作『Portrait in Jazz』から日本人が最も好むピアノ・トリオの歴史が始まったといっても過言ではありません。このアルバムの一曲目は「Come Rain or Come shine」。まさに今日から始まる「JAZZトーク」の旅立ちを象徴しているかのような曲ですね。
今回テーマは、「JAZZはなぜ100年以上生き残ったのか?」。現在、JAZZは人種の壁、国境も越え、音楽先進国では違和感なく受け入れられています。100年進化しながら、蕎麦屋のBGMになっても違和感を感じないJAZZの、生き延びた理由について語り合いました。

1938年ベニー・グットマン『LIVE AT CARNEGIE HALL』から「SING SING SING」。エネルギー溢れるサウンドに、「80年前の演奏とは思えない」とお客様(とりわけ若い世代に)は感嘆の声を上げます。
2曲目はマイルス・デイビスの最高傑作『Kind of Blue』から「So What」、そして、ジャズの真髄である「ジャズに名曲無し、名演有り」を体験してもらうために、「So What」の聴き比べです。真空管アンプがその実力を遺憾なく発揮し、お客様もジャズの100年進化の過程に集中です。そしてエバンスの「Waltz for Debby」、21世紀のピアノ・トリオ、ラーシュ・ヤンソン『What's New』から「Lover Man」までの約100年を聴いていただきました。

「ライブハウスで演奏するから」
「都市型の音楽だから」
「冬のある地域にあっている(四季のある国で発展したから)」
「ミュージシャンの技量がなければできない音楽だから」
「演奏者も聴き手も大人が多い」
「クラシックと同様にパトロンが必要」
「人種の違いからのハングリーな精神があったから」
なかなか一人では考えられないような意見が次々と出てきます。一人で聴くJAZZもいいけれど、皆で集まって、普段は縁のない高品質のオーディオで聴くと話も盛り上がります。
最後は、人種の壁を越えた21世紀のコンテンポラリー・ジャズ、マイケル・ブレッカー『Nearness of You : THE BALLAD BOOK』(このアルバムは今回ご参加くださった方がJAZZを聴くきっかけなったアルバムだそうです。)を聴いて終了しました。

イベント終了後は音楽フロアのレンタルコーナーで、今回聴いたCDを早速レンタルするお客様もいらっしゃいました。
また、オーディオはヨシノトレーディング様のご協力で最高級の音を聴かせていただきました。今回参加していただいた20代、30代の世代の方は、その音質の素晴らしさに感銘を受けた方も多かったようです。

※どなたでもご参加いただけますが、事前にご予約が必要となります。詳細は代官山 蔦屋書店店頭(蔦屋書店3号館 2階 音楽フロア)またはお電話(03-3770-2525)にてお問い合わせください。
【音楽コンシェルジュ プロフィール】
鈴木 修二郎(スズキ シュウジロウ)
約40年に渡ってJAZZ、CLASSICを中心とした洋楽全般のソフト販売に携わり、現在は代官山 蔦屋書店の音楽コンシェルジュとして活躍中。広範で偏りのない知識・センスはお客様に大好評で、ファンが多い。
及川 亮子(オイカワ リョウコ)
ジャズ・プロモーターとして四半世紀以上仕事を続け、200本以上のコンサート・ライブを企画・主催し、CDプロデュースも手がける。現在は代官山 蔦屋書店の音楽コンシェルジュとして活躍中。
※鈴木、及川共に日本ミュージックソムリエ協会公認ミュージックソムリエの資格を有する。
◆代官山T-SITE/代官山 蔦屋書店オフィシャルサイト
◆ヨシノトレーディング
◆【連載】代官山サウンドスケープ・チャンネル
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