マリアンヌ・フェイスフル「ミック・ジャガーと別れるのは本当に辛かった」

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1960年代後半、ミック・ジャガーの恋人だったマリアンヌ・フェイスフルが、ジャガーとの別離について語った。フェイスフルの母親は戦時中、ロシア軍兵士に強姦されたことが原因で、男性をひどく嫌っていたという。フェイスフルもその影響を受け、男性との関係が上手く築けなかったそうだ。

フェイスフルはBBCの番組『Who Do You Think You Are?』でこう語った。「母は克服できず、ずっと男性を憎んでた。それが私にも引き継がれたわ。彼女はそんなこと、思ってもみなかったでしょうね。でも、そうなっちゃったのよ」「トラウマと恐怖は長く続いたわ。恋愛をしちゃんとした関係を持ち、セックスするのに薬やお酒はいらないって状態になったのは50歳のときよ」

彼女は1970年、4年の交際を経てジャガーと別れたときのことをこう振り返っている。「彼は私を愛していたし、私も彼を愛してたわ。でも、自分の中の何かが彼のもとから立ち去らせたの。今でもなぜだか、わからない。先に進まなくてはならなかったのよ。彼を愛していたから、とても悲しく辛いことだった。母のことが浮かぶわ。男性に対する彼女の秘めた憎しみが、とてつもなく大きな影響力を持っていた」

そして、世間が彼女に抱くイメージとのギャップにも苦しんでいたようだ。「これは1960年代、私にとって大きな問題だったわ。とくに、私は何もかもがワイルドでセクシュアルだってフリしてたから。本当はそうじゃなかったのに」

1965年、18歳で結婚し出産したフェイスフルは、翌年、ジャガーと暮らすため夫のもとを去った。1970年、ジャガーと別れ、子供の親権も失った彼女は自殺未遂を起こし、その後、薬物やアルコール、摂食障害などの問題を抱えることになる。

しかし、徐々にシンガーとしての活動を再開し、1979年にリリースした『Broken English』で高い評価を得た。不摂生がたたり、デビュー当時の可憐な声は失われたが、代わりに得たハスキーで低いヴォーカルはロックだけでなくソウルやブルース・シンガーとしての道も切り開いた。

Ako Suzuki, London
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