増田勇一の『今月のヘヴィロテ(3月篇)』
●ザ・ブラック・クロウズ『ウォーペイント』
●フロッギング・モリー『フロート』
●ロジャー・ジョセフ・マニング・Jr.『キャットニップ・ダイナマイト』
●カヴァレラ・コンスピラシー『インフリクテッド』
●ブライアン・アダムス『11』
●ムック『志恩』
●キングダム・オブ・ソロウ『キングダム・オブ・ソロウ』
●B-52s『ファンプレックス』
●エイジアン・ダブ・ファウンデイション『パンカラ』
●アースシェイカー『QUARTER』
アメリカでは「アルバムを聴かずに書かれたアルバム評」事件が話題にもなったザ・ブラック・クロウズの新作は、全米アルバム・チャートでも初登場5位と好調。いつぞやのサマソニ出演時はフロアの人口密度が低くて残念だったけども、是非近いうちに、このアルバムを中心軸とする“今”の彼らのライヴを体験したいものだ。
フロッギング・モリーは『PUNKSPRING』出演のために近く来日するけども、実はハード・ロック・ファンにも一度は耳にしてみて欲しいバンド。なにしろこのバンドのフロントマンは、元ファストウェイのデイヴ・キング。“あの声”の哀愁味と切れ味は、実はギネス・ビールの味がするロックにもよく似合うのだ。
上記の10作品以外にも、今月は豊作だった。が、たとえば、ようやく国内リリースが実現したブラック・ライト・バーンズの『クルーエル・メロディ』については、僕的には“去年のアルバム”なので選外とした。純新譜という性質の弱いクイーンアドリーナの『ライド・ア・コック・ホース』についても同様。この作品ももちろん強力だったが、どちらかと言うと、現在のラインナップで録られることになるはずの次作(9月頃にはリリースの見込みだとか)を楽しみにしていたい。そしてもちろん、再来日公演も。
他にはキース・アーバンのベスト・アルバム、『グレイテスト・ヒッツ~18キッズ』もよく聴いた。ひとつ惜しかったのは、ムックの取材で渡米した際、デトロイトに到着したその夜に行なわれていたキングダム・オブ・ソロウのライヴを観損ねてしまったこと。なにしろ現地は大雪で、タクシーを呼んでもなかなか来ないし、しかも徒歩で彼らの出演するクラブに向かおうとすれば“まわりに何もない夜道”を30分は歩かなければならないという状況。そこでデトロイトが治安の悪さで有名なことにビビったというよりは、ホテルの近所のアイリッシュ・パブに惹かれてしまったというのが実情だったりもするのだが。
また、逆にデトロイト滞在がもう1日長かったなら観られたはずなのがエース・フレイリーのライヴ。なんだか筆者は、とことんキッスに縁があるようなないような。
そして最後にもうひとつ。本人たちが全米ツアー中につき不在中にリリースを迎えたムックの『志恩』は、性質的にはイレギュラーなアルバムということになるのかもしれないが、僕自身にとっては彼らの作品のなかでもいちばんフェイヴァリットな1枚ということになりそうだ。
おそらく同じように感じているファンも少なくないはず。このアルバムの収録曲をたっぷりと堪能できる最新型ライヴを、早く観てみたいものである。
増田勇一
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