J、AX 5デイズ第一夜 with SNAIL RAMP
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▲SNAIL RAMP |
そんな自分の判断が正しかったことを思い知らされたのは、午後7時26分、今夜のスペシャル・ゲスト、SNAIL RAMPのステージが終了した瞬間のことだった。外はもうTシャツ1枚で歩くには肌寒い季節になりつつあるのに、渋谷AXの場内は真夏の暑さ。もちろん何かの間違いで空調のスイッチが暖房に切り替わってしまっているわけじゃなく、SNAIL RAMPの熱演ですでに“火”が広がりつつあったからだ。
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▲SNAIL RAMP |
TAKEMURAのジャンプの高さと話術の巧みさについても、言うまでもない。しかし、まさかこのステージ上で『MOZAIKU NIGHT』での対談時に続いて“おニャン子クラブ”の話が出るとは思ってもみなかったし、あまりにもタイムリーすぎる沢尻ネタや、「宣伝したいけどスケジュール憶えてない。SNAIL RAMPで検索してみて!」発言には爆笑するしかなかったが。
そんなSNAIL RAMPのライヴで大いに汗をかき、大いに笑った後は、いよいよJの登場。BGMの音量が急に大きくなったかと思うと(ちなみにこの夜ずっと流れていたのはスマッシング・パンプキンズ)、それが突然プツリと途切れ、場内は暗転。そこでSEが聴こえてきた瞬間、1997年にタイムスリップするかのような感覚に襲われた。
1曲目はもちろん「PYROMANIA」。あの耳慣れたイントロが始まった時点で、フロアはすでに激震状態。オーディエンスは激しく波打ち、Jに「歌ってくれるかい?」と問われるまでもなく大合唱し、「やっちまえ!」と煽られるまでもなくクラウドサーフに興じる。

そんな僕自身のことはともかく、『PYROMANIA』という作品がいかにJ自身にとって重要であるかは言うまでもない。これは彼自身のひとつの起点であると同時に、ずっと変わらず存在し続ける“基準”であり“モノサシ”なのだ。実際、2007年の現在に『PYROMANIA』を聴いてみると、未成熟さが感じられる部分も多々ある。あのアルバムから聴こえてくるJの歌声は、現在の彼が発するそれと比べたら別人のものとも思えるほどだし、すべての要素にまつわる説得力の重さが、今とはまるで違う。しかし、彼が発信しようとしているもの、彼が“途切れさせてはいけない”と感じているものは、あの頃も今も、少しも変わってはいない。だから『PYROMANIA』からの楽曲たちは、今も、懐かしさではなくリアリティを感じさせてくれるのだ。
アタマのなかでそんな思いをめぐらせているうちに、灼熱のライヴは加速度を増しながら進み、気がつけばアンコールに突入していた。鳴り止まない歓声に引きずり出されたJは、笑顔ばかりがひしめく客席に向けて、こう語りかけた。
「ホントに今夜はどうもありがとう! スゲえいいスタートが切れたと思います。昨日からドキドキしてたんだけど、またさらに、今夜は眠れなくなりそうです!」
アンコールは「TWISTER」と「So High」という、まさに“今”の曲たち。しかし1997年と2007年の間には、やっぱり何の隔たりも感じられなかった。そして僕はその夜、体力消耗からぐっすりと熟睡するはずだったのに、昼寝が悪い方向に作用したのか、なかなか眠ることができなかった。というか、ここで「本当は興奮が冷めなかったからだ」と明言できないあたりが、僕の素直じゃないところだったりもするわけなのだが。
増田勇一
SNAIL RAMPからのメッセージ
https://www.barks.jp/watch/?id=1000019995
<J SHIBUYA-AX 5 Days –ALL of URGE-10th Anniversary SPECIAL LIVE>
2007年10月3日(水)
[SET LIST]
-encore-
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