【インタビュー】J、3年3ヶ月ぶり13thアルバム『BLAZING NOTES』に日々の記録「燃え上がる瞬間で全てを埋め尽くす」
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1月29日、Jが約3年3ヶ月ぶりとなるニューアルバム『BLAZING NOTES』をリリースした。リード曲「TIME BOMB」をはじめ、既にライヴでは人気となっている曲たちも含めて一音一音こだわり抜いた高純度のロックンロール10曲が揃っている。
◆J 画像 / 動画
時流に媚びることなく、シンプルで強くて、永遠に鳴り響くことだけを至上命題とした潔い曲たち。アルバムとしては少し間が空いたとは言え、2024年にはLUNA SEAの35周年記念ツアー<ERA TO ERA>は全41本を敢行。終幕前までの過去を再現するタイムリープツアーは前代未聞の内容で、グランドファイナルの東京ドーム2DAYS(初日はGLAYとの対バン)を2月22日および23日に控えている。
また、ベース専門誌『BASS MAGAZINE』2月号では、洋邦問わず選出対象とした「偉大なるベーシスト100人」の10位を獲得、「最も偉大なベーシスト2025」では1位という快挙を達成。インタビューでは、止まることなく走り続けているJの現在地を探った。
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▲『BLAZING NOTES』通常盤
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■やり続けてきたことに対する絶対的な答えを
■今回のアルバムでは見せたかった
──アルバムはJさんらしい熱いロックンロールが炸裂しつつ、メロディアスな名曲揃いですね。この3年3ヶ月という期間を、どう振り返ってらっしゃいますか?
J:思い返してみると、前作『LIGHTNING』をリリースした頃、新型コロナウィルス感染症のパンデミックのタイミングがあったりして、いろんなものと戦ってこなきゃいけなかった期間でしたよね。ライヴ、音楽を取り巻く状況がそうだったというのもあるし、日常的にも、誰もが経験したことのない時間を過ごしていた。そういった時間をみんなで乗り越えてきた。そして、俺のバンドLUNA SEAの35周年という節目も迎えて、たくさんの想いを抱えながら、自分自身としてはあっという間の3年3ヶ月でした。ただただ、濃かったので、その都度いろんなことを見つめる機会になっていたとは思います。
──LUNA SEAは'90年代から様々な壁を乗り越えてきたバンドですが、直近3年3ヶ月の体験の濃厚さは、それ以前と質が違いましたか?
J:何て言うのかな……それぞれがお互いに、自分たちがやってきたことに対して、いろんな角度から見つめることができた時間だったんじゃないかな、とはすごく感じるんですよ。『MOTHER』『STYLE』のセルフカバー・アルバムをスティーヴ・リリーホワイトと一緒につくり始めたところから、止まっていた物語がまたスタートし始めた部分もありますし。その中で自分たちがやってきたこと、35年間という時間を、今のこの自分たちと重ねるということができて。それぞれがバンドに対していろんな想いや新しい想いを持った時間だったと思います。
──それはポジティヴなニュアンスですよね?
J:もちろんそうですね。俺自身は性格的に…というかバンドをやっている人間って、なかなか振り返ることってしない生き物だと思うんですよ。基本的に前に行こうとする生き物だと思うので。そういう意味では今回のタイミングで、そしてまた<ERA TO ERA>ツアーで、LUNA SEAがデビューしてからや、もっと前のバンドとして活動し始めた頃からの作品に特化したライヴを、当時のライヴメニューなど再現することによって、昔の自分たちを冷静に、今の自分たちの目で見ることができたタイミングだったと思うんです。いろんなことを感じることができた時間だったと思います。
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──LUNA SEAに対する想いが新たになった影響で、ソロのJさんの音楽に対する向き合い方は変化しましたか?
J:変化というよりは、35周年ツアーをLUNA SEAがしている中では、当然、日々自分の周りにある音楽を深く感じたり、見つめたりすることが多くて。だからこそ、バンドと、そのバンドの始まった頃のエネルギー…もっともっと深掘りしていくと、自分自身が楽器を始めた頃や、音楽を聴き始めた頃のことだったり、“自分にとってバンドって何? 音楽って何?”みたいなことを考える時間がすごく多かったんです。そういった意味ではやっぱり影響を受けていると思いますね。俺自身、LUNA SEAとソロをずっとやってきてはいますけど、最近はLUNA SEA35周年ツアーが進んでいく中で、ソロの活動も並行して進んでいるから、バンドとソロのコントラストをみんなにも楽しんでもらえるんじゃないかな、というのはすごく感じています。
──ご自身としても、バンドとソロの切り替えが難しいというよりは、両方を楽しめるモードなのでしょうか?
J:そうですね。切り替えるというよりも、俺自身の“俺ってこういうヤツなんだよね”みたいなところは、もうみんなに隠しようがないと思うので(笑)。どこまでも熱い情熱を持ったベーシストがLUNA SEAには存在していて、LUNA SEAというバンドの曲をさらに熱くさせる使命を持ってプレイをしている。そして、この会場をもっともっと熱くしていくんだよ、という感じででプレイしてるというのかな。そのほうが説明としては近いかもしれないです。だから、“バンドの俺、ソロの俺”みたいな、簡単に服を着替えるようなことではないんですね。
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──『BASS MAGAZINE』2月号では、世界的な顔ぶれがひしめく「偉大なるベーシスト100人」ランキングで10位に選出されました、おめでとうございます!
J:ありがとうございます。俺自身としては、ベースを持った当初に思い描いていた“俺だったらこうするのにな”みたいなことを、ずっとやり続けてきた感覚があるんです。それが“ベーシストとしての常識的な範疇で正解か? 不正解か?”と言ったら、たぶん不正解だと思うんですけど(笑)。でも、そんな俺なりのやり方をみんなに掲げて、ベーシストとして俺なりの存在証明をずっと続けてきた結果が、皆さんに面白く届いてくれているのかなって。そんなふうに思っているんですけどね。
──プロのベーシストによる投票結果に基づいたランキングということで、Jさんがいかにシーンに大きな影響を及ぼしてきたか、如実に表れています。「最も偉大なベーシスト2025」では1位を獲得していますし。
J:本当にありがとうございます。そういう意味では、これは“おい、お前もっともっとやれよ。もっと面白くしちゃえよ”という応援だと俺は捉えてるんです。でも、本当にみなさんに感謝しかないですね。
──アルバムのお話に戻りますと、ライヴで既に披露されていた曲もありますが、楽曲制作の期間はいつ頃だったんですか?
J:実は早かったんです。一昨年の終盤からアルバム制作のための曲をまとめに入っていました。“どういうアルバムにしていこうかな?”なんてイメージしながら、ひとまず曲を書いている時期がその頃からあったので。
──2023年終盤ということは、『MOTHER』『STYLE』各ツアーを現代に蘇らせるLUNA SEAの<DUAL ARENA TOUR>が始まった頃ですね。楽曲制作は、先ほどお話しされていたように、ご自身がカッコいいと思うもの、原点を改めて見つめて曲を生み出していく、という感じでしたか?
J:そうですね。今回は特に、LUNA SEAのツアーが並行して続いていたのもあるんですけど、“俺自身の音楽とはなんぞや?”みたいなところは、より意識していたと思います。その中で、やはりこの年齢になって一番カッコよく響く音をやりたいな、という想いはありましたね。この世の中にはもう既にカッコいい音楽は存在していて、先端の音楽も知っているし存在はするけど……なんて言うんだろうな? 変に若作りせず(笑)。かといって変に大人びて渋くなったりもせず、“'80年代、'90年代、2000年代、2010年代、今を生きてきたミュージシャンがやる音楽じゃないとダメだな”と思って。それが一番カッコよく映るものにしたいなというのは、最低限の俺の中でのルールでした。例えば流行ってるからと言って、これまでと全く脈絡のない音楽をいきなりやり始めたら、それってカッコ悪いだろう?って。ミュージシャンがいきなり「俺、料理人です」と言い始めても、そんな店に行かないでしょ?
──“本当に美味しいのかな?”とまずは疑ってしまいますね。
J:そういうことです。全く説得力がないじゃないですか。逆に言ったら、「今日からロックミュージシャンです」って始められても、誰も本気で聴かないでしょ。それと一緒だと思うんですよ。だから、俺自身がやり続けてきたことに対する絶対的な答えを、今回のアルバムでは持っていたかったし、見せたかったし、そういうものをつくりたかった。そういう意味では、逆に結構リラックスした部分がいつものアルバムレコーディングよりはあったかもしれない。楽曲をつくっていた時もそうでしたね。“ああ、そういう感じ、すげぇ分かるよ”みたいな、そんなメンバーとのやり取りがヒントになったりして。
──バンドメンバーの皆さんとセッションしながらつくっていくこともあるんですか?
J:基本的にはまず俺がデモテープをつくって、メンバーとセッションして、その中で整えていく感じですかね。頭の中でつくっている音楽とフィジカルの音楽とでは、やっぱりちょっと違うので、想像していたものを実際のバンドサウンドに変えていく作業はしっかりとしていました。
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