44マグナムのジミーと元Valentine D.C.のKen-ichiが強烈なアルバムを発表!

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44マグナムのジミーが中心となって、ハードロックの疾走感、カッコよさ、そして存在感を追求するスーパーバンド、Velvet Spiderの新アルバム『WASH & BURN』が12/6にリリースされた。

Velvet Spiderはジミーのほか、平井堅、hitomiなどのサポートやセッションで活躍するベーシストBacky、忌野清志郎、横道坊主、ポルノグラフィティなどのサポートやセッションを務めるドラマーRogerが2003年の結成時から参加し、2005年からはヴォーカリストとして元Valentine D.C.のKen-ichiが参加している。今回のアルバムは、Ken-ichiとしてはVelvet Spider初のアルバムということになる。

アルバム『WASH & BURN』は、あらゆるロックの可能性を追求した音作りになっており、ヴォーカルKen-ichiの加入によって、音で表現できる範囲が大幅に広がったようだ。リフの重さとカッコよさは天下一品。ジミーの豊富なアイデアと、それを表現するリズム隊が作り出すグルーヴが自由自在に姿を変え、ヘヴィ&アグレッシヴな演奏を背景に、メロディアスで存在感たっぷりのKen-ichiが泳ぎ回る。遠慮し合うことなく、4人のメンバーがそれぞれ自分の持つ音楽の衝動を主張し合う楽曲の数々は、オール・フルテン状態に近いあやうい均衡の上に成り立ちながら、それがゆえのテンションの高さを維持する。

いかにもジャパメタのテイストが漂うナンバー、アコースティック中心の小品、リフで押し通すハードロック、そして信じられないほどメロディアスで豊かな発想のポップスなど、どれも、長期間にわたってロックを追及してきた“先達”にしか出せない味わいがある。聴き応えのある出来だ。

そのVelvet Spiderの中心人物ジミーとKen-ichiに話を訊くことができた。二人がどのような共通認識を基に“ロック”を作り上げてきたのか、それを読み取ってほしい。

──このアルバムのコンセプトなどは最初から頭の中にあったの?

ジミー:コンセプトというか、曲選びをするときに曲のテンポやテイストでトータルなイメージを作ったというのはあったね。準備してた曲は20曲近くあった。3月にレコーディングを始めて、夏くらいにヴォーカルを入れた。全部で4ヶ月くらいかかったね。かなり根を詰めてやった。最初は夏にリリースしようと思ってたんだけどね。

──レコーディングまでのプロセスはどんな?

Ken-ichi:レコーディングの前段階として、ライヴで演れる曲を増やしていきたいと思ってた。だからできてくる曲をどんどんライヴのためにアレンジしていったんだ。もちろん、それが最終的にはアルバムという形になると考えてのことだけどね。だからライヴ映えするかどうかが問題だった。オレが加入する以前の曲と新曲では、オレのアプローチも違うしね。とにかく、アルバムの曲作りのために、家に篭って曲つくりをするというのではなかったね。

ジミー:そうだね。ライブで演ったときの感触を優先したね。レコーディングとしては、ベーシックトラックを録って、歌が入れられる段階まで作ってから歌を入れて、それからギターのオーバーダブ。

──とてもヘヴィでメロディアス、言うなればグラマラスなアルバムに仕上がったね。リフのアイデアの豊富さ、メロディラインのきれいさ、そしてある意味ポップな感覚。これは意図してた?

ジミー:組むヴォーカリストによって作る曲は変わるね。それに、日本語の歌詞ってメロディックな要素がないと乗らないんだよね。それはずーっとあった。だから、オレの持ってるロックとKen-ichiのパンクな感覚、そしてRogerとBackyのエッセンス。4人の持ってるそういう要素がミックスされて、グラマラスな雰囲気が出たんだと思う。

Ken-ichi:グラマラスっていうのはセクシーってことだと思うんだけど、オレはすごく嬉しいね。上手さとかかっこよさは出せても、セクシーさを出せるってすごいことだと思う。

──「WASH & BURN」のリフにはシビれるね。コード進行、リズム隊のアイデア、サビのメロディラインなんか、すごいいっぱい詰まってるカンジがする。

ジミー:サビはキャロルかな、オレには(笑)。Velvet Spiderをストレートに表わしてる曲だと思う。それを1曲目に聴いてもらおうというのはあった。

Ken-ichi:タイトルに関しては、この曲がアルバムのメイン曲というわけじゃないけど、一番かっ飛んでるよね。このバンドのど真ん中。全員が生きてる曲だね。

──2曲目の「Make My Day」のオープニングで、ローファイからハイファイな音に変わるとこなんか、70年代の匂いがすごくする。

ジミー:オレにとっては実験的ということはないんだ。やったのも初めてじゃないし。でも、どういうローファイかというところには、すごくこだわる。落差というか。いろいろなパターンで悩んむのもここだね。このリフは気に入ってて、メンバーに聴かせたときに、Ken-chiが良いって言ってくれた。フィルが良いっていうヴォーカリストって滅多にいないから、“これは相当いけるぞ!”って思ったね。俺の中でも稀なヒットかな(笑)。ギターのチューニングは2音落としだし。

Ken-ichi:オレのキーでかなりいじってるよね。ライヴでも3種類だもん。

ジミー:そう、開放弦とヴォーカリストの一番気持ち良い音域っていうのは天が与えたもの。だから、絶対にこれは譲れないね。だからギターの準備が大変なんだ。レギュラーと1音落とし、2音落とし。普通は7弦ギターに行っちゃうんだけど、俺は行かないからね。そのユルいテンションに慣れようと思って。

Ken-ichi:ライヴでも曲順を勝手に変えられないし(笑)。

──6曲目の「バラ色に砕け散る想い」ってすごいタイトルだけど。

ジミー:でも、いきなり日本語だし、長いしって文句言ってたんだよね。

Ken-ichi:サビの一番おいしいところがネタバレしてるのはもったいないとかね。でも良いタイトルでしょー。

ジミー:「戦場の花」っていうのもあるんだけど、“なんでバラなんだよ”とか“なんで花なんだよ”とか、第一印象で文句言っちゃって険悪な雰囲気になるんだけど、家に帰って見直してみたら、“あ、やっぱそれしかないじゃん!”って(笑)。

Ken-ichi:日本語のタイトルは絶対にけなすね。この人、文学青年だから日本語にうるさいの。

──これはジミーさんの原体験、ツェッペリンの「タンジェリン」だね。

ジミー:ツェッペリンのリフっていうのは、みんな影響されて超えられないって言うよね。オレにとっては「タンジェリン」のストロークもリフなんだよね。そういうのが、こういうところに出てくるよね。リスペクトというかオマージュだね。「Pray-ground」なんか80年代バリバリで、モトリークルーだしね。「ファーレンハイト」もそうかな。

──「ファーレンハイト」っていうのも不思議なタイトル。

Ken-ichi:これは“華氏”って意味。イメージなんだけど、摂氏だと普通に気温というのがわかるんだけど、華氏だと“極寒”のイメージがある。真冬にニューヨークに行ったときに気温が零下だったのね。それが華氏で表示されるでしょ。だから、そういうイメージを持っちゃった。歌詞にするときはそれだけじゃだめだから、暑いイメージの言葉を入れて、“温度感”というものを歌ってる。

ジミー:華氏ってタイトル、うまいよね。音はヘヴィメタルの王道だし。オレにとっては80年代ヘヴィメタル。でも王道を成り立たせるのって、けっこう難しいんだ。

──早くライヴが見たいね。レコ発ライヴもあるんだね。

ジミー:12/10が渋谷のclub asia。大阪は1/13に心斎橋AtlantiQs、1/14が神戸スタークラブでレコ発ライヴをやるよ。アコースティックのインストアもやるから、ぜひ遊びに来てほしいな。

●インストアイベント
12/9(土)横浜 HMV横浜VIVRE店
12/16(土)大阪 HMV心斎橋店
12/17(日)大阪 タワーレコード梅田NU茶屋町店

●レコ発ライヴ
12/10(日)渋谷 club aisa
[問]03-5458-2551
2007/1/13(土)大阪 心斎橋AtlantiQs
[問]06-6258-2525
2007/1/14(日)兵庫 神戸スタークラブ
[問]078-221-6328

●<天嘉・伍 -DANGER V->
12/25(月)日本武道館

●オフィシャルサイト
http://www.street-sounds.co.jp/vs/
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