レイ・チャールズの半生を描いた映画『Ray/レイ』公開
監督のテイラー・ハックフォードは、この映画を作るために15年間にわたってレイとの親交を深め、本人へのインタヴューをもとにストーリーを書き上げたという。弟の事故死、7歳での失明、母との別れ、下積み時代、差別と栄光、結婚、麻薬中毒、愛人問題など、幼少時代から実に詳細なエピソードが積み重ねられていく。いいことも悪いことも含め、ドラマティックな人生を決して美化することなく忠実に描いているので、まるでドキュメンタリーを見ているようだ。そして、なんといっても圧巻なのが、随所に挿入されるライヴシーン。レコーディングやリハーサル、クラブやホールのステージで繰り広げられる熱いパフォーマンスは、身も心も揺さぶられてしまうほど素晴らしい。
レイ本人は映画の完成を誰よりも楽しみにしながら、04年6月10日にこの世を去ったが、この作品によって彼の偉大な音楽と人生を振り返ることができるのは、1人の音楽ファンとしてとても幸せなことだと思う。
映画『Ray/レイ』予告編はこちら
https://www.barks.jp/watch/?id=1000003395
原 令美/イーフィールズ