【速報】対米同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.10
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【速報】同時多発テロにまつわる音楽情報 Vol.10 大変、痛ましい事件が起こりました。それに伴い、現在アメリカでのコンサート・イベント等のほとんどは、中止、あるいは延期となっています。日本来日公演などに関しましても、情報が入り次第、掲載いたします。 ※ニュースが入り次第、リアルタイムに更新いたします |
●レインボウ、マウンテンらのクラシックロッカーが救済活動に名乗りを上げる |
Rainbow、Deep Purple、Santana、Mountain、Loverboy、他の過去と現在のグループメンバーらで構成されるアンサンブルグループ、The Voices Of Classic Rockは米赤十字救済基金と米軍慰問協会の資金集めのため、米国愛国主義のスタンダードを集めたアルバム『Voices For America』をレコーディングする。同コレクションにはまた、“America The Beautiful”“Battle Hymn Of The Republic”の他に、元MountainのフロントマンLeslie Westが9月11日のNY世界貿易センターの救助活動で命を落とした消防士を哀悼して書いた新曲、“Sea Of Fire”も収録される。グループはまた、数週間後にワシントンD.C.でトリビュートコンサートを開く予定。 レコーディングはIntersound Recordsからリリースされ、まず最初にワシントンD.C.に、それから全米各地へ流通される。また、Rockforever.comのサイトでも聴くことができる。 Westの他にラインアップはJohn Cafferty & the Beaver Brown BandのJohn Cafferty、Spencer Davis GroupのSpencer Davis、Nick Gilder、Atlanta Rhythm SectionのRonnie Hammond、OrleansのLarry Hoppen、Deep PurpleとBlack SabbathのGlenn Hughes、SurvivorのJimi Jamison、Pablo CruiseのDave Jenkins、TOTOのBobby Kimball、SantanaのAlex Ligertwood、LoverboyのMike Reno、Rare EarthのPete Rivera、Pat Travers BandのPat Travers、RainbowとDeep PurpleのJoe Lynn Turnerら。 |
●ポール・マッカートニーが消防士のベネフィットコンサートを計画 |
世界貿易センターがテロ攻撃を受けた9月11日にニューヨークを発つ予定だったPaul McCartneyは来月、市の消防士を援助するためにベネフィットコンサートを開く予定だ。McCartneyは9月21日(金)にWPLJ-FMラジオに出演し、次のように語った。 「実際に飛行機に乗ってたんだ。その時、パイロットが滑走路はすべて閉鎖されるだろうって言った……。大惨事があったとき、僕は10月にロシアの赤の広場で開くコンサートを計画するために自宅に飛んで帰るところだった。けれど、今はそんな場合じゃなくて、コンサートを延期したんだ」 「それでコンサートを10月以内にここニューヨークで、すべての消防士を支援するために開催しようと思う……。今、そのベネフィットコンサートの会場をNYで探しているところだ」 McCartneyは次のように付け加えている。 「少し時間をもらって、こう言いたい。NYのすべての人々に神のご加護がありますように。そして僕たち全員が幸運でありますように。救助活動にあたっているすべてのヒーローとヒロインに感謝の意を表したい」 McCartneyは彼の父、Jim McCartneyが第2次世界大戦中、リバプールのボランティア消防士だったこともあり、特に消防士と深い縁を感じている。リバプールの街は'40年8月から'42年1月の間に68回の空襲を受け、死傷者4万5000人以上を出し、10万件以上の家屋が破壊された。 現時点では他の参加ミュージシャンやMcCartneyが次期アルバム『Driving Rain』からの曲を演奏するかなど、ベネフィットコンサートについての詳しい情報はない。 |
●ブッシュ、テロ事件の影響で歌詞を変更 |
Bushのニューシングル“Speed Kills”のタイトルが“The People That We Love”に差し替えられた。しかし、Bushが次期アルバム『Golden State』の中で変更しなければならないのはそれだけではないようだ。10月16日発売のトラック“Head Full Of Ghosts”の中に“I'm at my best when I'm terrorist inside(テロリストが中にいるとき、俺は最高の状態なんだ)”という歌詞が含まれている。Bushのフロントマン、Gavin Rossdaleはこれを「アルバムの中でこの時期最悪の歌詞」と述べている。 Rossdaleは同曲と問題となっている歌詞に、彼独自の先制攻撃を仕掛けた。彼はその歌詞の裏にある意味を次のようにLAUNCHに説明している。 「実際、自分自身を大きく表に出すとき、罪を感じることが多いだろう」 「自分を前面に出すんだ。そういう時、普段の自分を保つのはすごく難しい。俺は子供の時から恐ろしいほどシャイだった。だから、うまく自分を表に出せなくて、普段とは違ったズレた感じになってしまうことがよくあった。その時、心の底からよく思ったのは、“俺の中にテロリストがいると、俺は最高の状態なんだ。本当に最高なんだ……”っていうことだった。すごくおかしいだろう? そうやって本当の自分になれるんだよ」 Rossdaleは今月初め、米国がテロ攻撃を受けたことで歌詞を変更するつもりがあるかと訊かれると、次のように応えた。 「もちろんだよ。絶対に変更しなければいけない。暴力的なイメージを使ってしまったと思う」「強い言葉があるだろう? テロリストというのは言語的にも驚くような言葉だ。意味的には、テロはとてつもないことだ。すごい言葉なんだ。けど、この時期にそういった言葉を使うのは恐ろしいことだよ。歌詞を変更して、ラジオにのせようと思う。バンドのことをよく知っている人は……。俺は暴力的な人間なんかじゃなく、時期が悪かっただけなんだ」 「もちろん誰かを傷つけようとしたわけじゃない」とRossdaleは付け加える。 「テロ事件が起こる前だったら、誰もその部分に目を向けなかっただろう」 Bushと所属レーベルのAtlantic Recordsは、NYとロサンゼルスのラジオ局がテロ攻撃の影響を受け、シングルの“Speed Kills”のオンエアを中止したときも、同じように感じていたという。同タイトルは'92年のクリントン対ゴアの選挙キャンペーン・ドキュメンタリー、The War Roomで使われていたスローガンからヒントを得たもの。「もちろん戦争主義なんてのはまったくなかった」とRossdaleは言うものの、彼は現実的にタイトルを変更することに同意した。 |
●米4大ネットワークのチャリティ番組、日本でも生中継が決定。放送時間は22日午前10時から |
米4大TVネットワークのCBS、NBC、ABC、Foxが9月21日午後9時~11時(米東部標準時)に同時放送するチャリティ番組『America: A Tribute To Heroes』が、日本でも放送されることになった。放送日時は22日(土)の午前10時からで、フジテレビ系「スーパーウォッ!チャ」の番組枠内で生中継される。 日本での番組タイトル、放送時間は以下のとおり: 【番組タイトル】 『アメリカ4大ネットワーク米同時多発テロ犠牲者追悼チャリティ番組 アメリカ:ヒーローたちへのトリビュート』 【放送時間】 9月22日(土)10:00~12:05 『America: A Tribute To Heroes』は、9月11日(火)に起きた同時多発テロ事件への救済活動資金を集めるため、米4大ネットワークがコマーシャルなしで同時放送する番組(9/20付ニュース参照)。放送費用はネットワーク各社が負担し、出演者もノーギャラで参加する。 現在、出演が決まっているアーティストは、Bruce Springsteen、Paul Simon、Stevie Wonder、Billy Joel、Mariah Carey、the Dixie Chicks、Faith Hill、Tom Petty、Willie Nelson、Neil Young、Bon Jovi、Wyclef Jeanといった錚々たる顔ぶれ。とくにMariah Careyは今年夏の入院から復帰して以来、初のパフォーマンスとなる。 このほかにもJim Carrey、George Clooney、Tom Cruise、Cameron Diaz、Robert De Niro、Clint Eastwood、Calista Flockhart、Kelsey Grammer、Tom Hanks、Julia Roberts、Will Smith、Robin Williamsといった俳優、Conan O'Brienといった人気TVパーソナリティも参加することが決まっている。 |
●シュガー・レイの日本公演がキャンセルに |
11月に予定されていたSUGAR RAYの来日公演だが、アメリカで起きた同時多発テロの影響で、SUGAR RAYはワールド・ツアーをキャンセル。よって、下記スケジュールの日本4公演もすべて中止となった。 チケット発売について、9月21日18:00からの電話先行予約、そして9月22日からの一般発売は中止。クリエイティブマンの会員先行予約で申し込みをした人は、今月9月末までに、クリイティブマンより返金される。 ●11/9(金)東京・ZEPP TOKYO → 中止 ●11/12(月)東京・赤坂BLITZ → 中止 ●11/14(水)大阪・ZEPP OSAKA → 中止 ●11/15(木)福岡・ZEPP FUKUOKA → 中止 [問]クリエイティブマン 03-5466-0777 |
●ミスフィッツの日本公演は延期 |
9月に日本公演を予定していたMisFiTsは、アメリカでの同時多発テロの影響により、公演を2002年1月に振り替えることとなった。 9/20(木) → 1/7(月)大阪・大阪ベイサイドジェニー 9/19(水) → 1/8(火)名古屋・名古屋クラブクアトロ 9/17(月) → 1/9(水)東京・渋谷ON AIR EAST 9/18(火) → 1/10(木)東京・渋谷ON AIR EAST ※チケットは振り替え公演開催時にそのまま有効。 ※払い戻し希望の方は、クリエイティブマン(03-566-0777)まで。 |
●デイヴ・マシューズがテロ攻撃に対し団結を訴える |
「私たちひとりひとりに対する攻撃」。 Dave Matthewsは先週の東海岸へのテロ攻撃をそう呼び、ファンに団結するよう訴えた。南アフリカ生まれのアーティスト、Matthewsは、公式ウェブサイト(Davematthewsband.com)のメッセージで語っている。 「私たちはアメリカ人として、また世界の一員として、この哀悼のときに一丸となり、怒りの中で心を集中させ、解決策を探し出す決意のために団結しなければなりません」 「この偉大な国の知恵と多様性の中に、力と安らぎを見つけ出しましょう」 「このとてつもない悲劇に、なにを言ったらいいのかよくわかりません。どんな言葉も十分でないように感じます。“言語に絶する”というヘッドラインがありました。“信じられないこと”が、まるで日が昇り沈むがごとく“現実”のものになってしまったのです。私は激しい怒りを覚えると同時に恐れてもいます。これは、私たちひとりひとりに対する攻撃なのです」 Matthewsはテロ事件の後、バンドの活動を一部変更している。最新アルバム『Everyday』からの新シングルとして予定されていた、愛をテーマにした曲「When The World Ends」(世界が終わるとき)のリリースを中止した。代わりとしてアルバムのタイトル曲がリリースされることになっている。 |
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