LAで開催されたエリオット・スミスのメモリアルコンサートにベック、ベス・オートンらが出演
11月4日(月)夜、L.A.のヘンリー・フォンダ・シアターでBeck、Beth Ortonほか、大勢のアーティストやファンが、10月21日に自殺したシンガーソングライターの故Elliott Smithを偲ぶメモリアルコンサートを開催した。コンサートの収益金は児童虐待の救済基金、Elliott Smith Foundation For Abused Childrenに寄付される。Ortonは激しいアコースティック・パフォーマンスを披露し、「これはElliottの人生を祝うもの。彼が残してくれた基金のために演奏している。彼は運がなくて苦しみを乗り越えることができなかった。でも、こうすることで同じように苦しんでいる人たちを救うことができるかもしれない」と語った。
コンサート当夜はSmithが暮らしていたシルバーレイクのアーティストたちによって数々の名曲が演奏された。地元のポップバンド、88はSmithが自殺する前に一緒に新曲をレコーディングしていたFritz Michaudをヴォーカルに迎え、未発表曲の「King's Crossing」ほか、Smithが作曲した「Can't Make A Sound」「Got A Foot In The Door」をパフォーマンス。また、Sebadoh/Folk ImplosionのLou BarlowとXのJohn Doeが「Division Day」と「Rose Parade」をアコースティックでそれぞれ披露した。AlaskaとRadar Bros.は共に「Speed Trials」をカヴァーし、Radar Bros.はまた「Between The Bars」と、Steve Hanft(Elliott Smithのドキュメンタリー『Strange Parallel』の監督)をゲスト・ヴォーカルに迎えて「Say Yes」をプレイした。『Strange Parallel』のJason Masonは「Waltz #2」のカヴァーほか、Wiskey BiscuitとFuture Pigeonの2組のインディーバンドと一緒に、滅多に見られない「Pretty(Ugly Before)」を披露。Masonは演奏の合間に「雰囲気がとても重い。幻覚剤を使ってるみたいな感じだ。Elliottの音楽を忘れないで欲しい。彼はとても才能があった……信じられない」と話した。
ライヴのクライマックスは何と言ってもTito & TarantulaのTito Larrivによるアコースティックソロだろう。Larrivは出来上がったばかりのオリジナルナンバーを披露した。「昨夜、Elliottが夢に出てきて、ある曲を歌ってくれた。彼が作ったその曲を今から歌いたい。タイトルさえ分からない」と語った。Titoは涙をこらえている様子で、この物悲しく愛らしいバラードの途中で演奏を中断しながらも、辛うじて曲を終了した。
また、ZwanのメンバーDavid PajoとPaz Lechantin、Beachwood SparksのDave Scher(Key)をフィーチャーしたPapa Mのパフォーマンスも感動的だった。特に「Untitled」のアコースティックは鳥肌ものだ。最後にRilo KileyのセットでJenny Lewis(Vo)が見事なアカペラで「I Didn't Understand」を歌い、会場のコーラスと一体となって魅惑的なハイライトを迎えた。Lewisは次にバンドを伴ってSmithの別の曲「The Biggest Lie」を熱唱した。バンドメンバーのBlake Sennet(G)は「Elliottは音楽的に尊敬に値するだけでなく、とてもすばらしい、広い心を持った人だった……。こうしていられるのも彼のおかげだ。素敵な曲をありがとう」と語った。
コンサートのフィナーレを飾ったのはBeckとBeth Ortonだった。Beckは「Elliottの曲で彼を追悼できてよかった」と温かい言葉を残し、「Ballad Of Big Nothing」「Alameda」「Clementine」をアンプラグドで演奏。OrtonはSmithの「No Name #3」のほか、彼女自身の曲「What We Begin」で涙を誘った。この曲は昨年自殺した旧友について歌ったものと彼女はいう。
Smithへの最高のトリビュートはもしかすると、コンサート後に上映された『Strange Parallel』かもしれない。すでに会場を後にしたファンも多かったが、再びライトが消え、大きなスクリーンに映像が投影され始めると、オーディエンスが元の場所に戻ってきた。そのスクリーンに釘付けになった彼らは、Smithのパフォーマンスシーンで心温まる拍手があったものの、次の30分間、物音ひとつ立てずに見入っていた。スクリーンの中でSmithがアコースティックギターを弾き、繊細な声で「Waltz #2」を歌うと、いつまでもその声が耳から離れなかった。この瞬間、会場にいる誰もが偉大な人を失ったと真に実感したことだろう。
児童虐待を救済する基金、Elliott Smith Foundation For Abused Childrenへの寄付は小切手を次の送り先まで。470 Sunset Blvd. #305, Los Angeles, CA 90027.
寄付はまた、PayPalを通じてオンラインでも受け付けている。メールアドレスはesmfund@yahoo.com。
(C)LAUNCH.com
コンサート当夜はSmithが暮らしていたシルバーレイクのアーティストたちによって数々の名曲が演奏された。地元のポップバンド、88はSmithが自殺する前に一緒に新曲をレコーディングしていたFritz Michaudをヴォーカルに迎え、未発表曲の「King's Crossing」ほか、Smithが作曲した「Can't Make A Sound」「Got A Foot In The Door」をパフォーマンス。また、Sebadoh/Folk ImplosionのLou BarlowとXのJohn Doeが「Division Day」と「Rose Parade」をアコースティックでそれぞれ披露した。AlaskaとRadar Bros.は共に「Speed Trials」をカヴァーし、Radar Bros.はまた「Between The Bars」と、Steve Hanft(Elliott Smithのドキュメンタリー『Strange Parallel』の監督)をゲスト・ヴォーカルに迎えて「Say Yes」をプレイした。『Strange Parallel』のJason Masonは「Waltz #2」のカヴァーほか、Wiskey BiscuitとFuture Pigeonの2組のインディーバンドと一緒に、滅多に見られない「Pretty(Ugly Before)」を披露。Masonは演奏の合間に「雰囲気がとても重い。幻覚剤を使ってるみたいな感じだ。Elliottの音楽を忘れないで欲しい。彼はとても才能があった……信じられない」と話した。
ライヴのクライマックスは何と言ってもTito & TarantulaのTito Larrivによるアコースティックソロだろう。Larrivは出来上がったばかりのオリジナルナンバーを披露した。「昨夜、Elliottが夢に出てきて、ある曲を歌ってくれた。彼が作ったその曲を今から歌いたい。タイトルさえ分からない」と語った。Titoは涙をこらえている様子で、この物悲しく愛らしいバラードの途中で演奏を中断しながらも、辛うじて曲を終了した。
また、ZwanのメンバーDavid PajoとPaz Lechantin、Beachwood SparksのDave Scher(Key)をフィーチャーしたPapa Mのパフォーマンスも感動的だった。特に「Untitled」のアコースティックは鳥肌ものだ。最後にRilo KileyのセットでJenny Lewis(Vo)が見事なアカペラで「I Didn't Understand」を歌い、会場のコーラスと一体となって魅惑的なハイライトを迎えた。Lewisは次にバンドを伴ってSmithの別の曲「The Biggest Lie」を熱唱した。バンドメンバーのBlake Sennet(G)は「Elliottは音楽的に尊敬に値するだけでなく、とてもすばらしい、広い心を持った人だった……。こうしていられるのも彼のおかげだ。素敵な曲をありがとう」と語った。
コンサートのフィナーレを飾ったのはBeckとBeth Ortonだった。Beckは「Elliottの曲で彼を追悼できてよかった」と温かい言葉を残し、「Ballad Of Big Nothing」「Alameda」「Clementine」をアンプラグドで演奏。OrtonはSmithの「No Name #3」のほか、彼女自身の曲「What We Begin」で涙を誘った。この曲は昨年自殺した旧友について歌ったものと彼女はいう。
Smithへの最高のトリビュートはもしかすると、コンサート後に上映された『Strange Parallel』かもしれない。すでに会場を後にしたファンも多かったが、再びライトが消え、大きなスクリーンに映像が投影され始めると、オーディエンスが元の場所に戻ってきた。そのスクリーンに釘付けになった彼らは、Smithのパフォーマンスシーンで心温まる拍手があったものの、次の30分間、物音ひとつ立てずに見入っていた。スクリーンの中でSmithがアコースティックギターを弾き、繊細な声で「Waltz #2」を歌うと、いつまでもその声が耳から離れなかった。この瞬間、会場にいる誰もが偉大な人を失ったと真に実感したことだろう。
児童虐待を救済する基金、Elliott Smith Foundation For Abused Childrenへの寄付は小切手を次の送り先まで。470 Sunset Blvd. #305, Los Angeles, CA 90027.
寄付はまた、PayPalを通じてオンラインでも受け付けている。メールアドレスはesmfund@yahoo.com。
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