アルバム『オボレタ街』発売前の全曲試聴!
AQUARIUS―遂に完成したアルバム『オボレタ街』 期間限定全曲試聴!!! Nitro Microphone Undergroundの一員として多忙を極めるDELI(今年だけでリーダー作3枚!)と、 彼の旧知であるビートメイカーのYAKKOからなる“水瓶座”の意を持つプロデュース/ラップ・チーム、AQUARIUS。 彼らが遂に1stフル・アルバム『オボレタ街』を完成させた。 DELIの荒々しく、力強いフロウと、YAKKOが作り出す哀愁感漂うトラックのコンビネーションは ヒップホップ・シーンの枠を越えて幅広い人の耳を奪うだろう。 そしてこの参加しているメンツを見れば、この作品が現在のシーンにどれほどの影響力を持つか分かる。 まずはその音を全曲聴いて、確かめて欲しい。 |
『オボレタ街』 Cutting Edge 2003年10月08日発売 CTCR-14272 3,059(tax in) 全曲試聴期間は終了いたしました。 たくさんのアクセスありがとうございます。 | <収録曲>(音符マークが試聴曲) 1 ココ東京 feat. BIG-O、DABO、S-WORD 2 チャッチャッ feat. TOKONA-X, BASS, MIKRIS 3 バラマク Additional Vocal by Tina 4 メグミノ雨 feat. SUIKEN, HI-D 5 オボレタ街 Pt.2 feat. MIKRIS, MARS MANIE 6 カラクリ feat. XBS 7 アタッテクダケートツゲキのテーマー feat. TAD'S A.C. & TOKONA-X 8 連動 feat. T-ZONE, GORE-TEX, KEN WHEEL, MIKRIS, YOHEY, BASS 9 オボレタ街 Pt.1 10 SKIT 11 NEXT feat. MIKRIS 12 炎点火~燃やせポセイドン~feat. MIKRIS, FIRE BALL 13 往来 feat. T-ZONE, SUIKEN, MIKRIS, GORE-TEX, P.H. 14 合図 feat. GORE-TEX, T-ZONE |
「今度もまたたまってく おなかに/バクハツしそうな ヨナカに/カラクリは わかってないのに/言っちゃえば すべてが正しい/もっと言えば すべて間違ってる(“カラクリ”)」 「調子はどーだ? そっちの方は/なあ兄弟 永遠なんてもんは言葉だけ/始まりありゃ終わるだけ/だから音にぶん投げる/だからお前の分まで/届いてっかな? 天まで(“合図”)」。 甘ったるさはなく、まるで突き放したような諦観の呟きやノスタルジーがある。そこから醸し出されるものは……トラックが湛える哀愁とも相俟って、 まるでUSのギャングスター・ラップの“それ”である。 そして“それ”は、このアルバムで2曲に客演しているTOKONA-Xがユーモアを介して発露させているものと同じだ。“それ”は、おそらく当人達が自然にやって作り出してるものだろうから、日本のヒップホップも相当な次元にまできたものだ、と心底感心する。 それにしても、このDELIとTOKONAのコンビネーションは凶悪だ。異形の声を持つ者同士、緊張感を声一つで生み出す者同士。出会いがまるで必然的にさえ聴こえてくる。 あと、ゲストにTAD'S A.C.(LUNCH TIME SPEAX)、P.H.という人選はかなり意外だったが、おそらくDELI独自の嗅覚がTOKONA同様の“それ”を彼らから嗅ぎ取ったのだろう。やはり必然的である。 文●古川 耕 |