Nickelbackのギタリスト、Ryan Peakeは携帯電話から一瞬、離れなければならなくなった。 「今から一発、打ってくるからさ。いい? 応援しててよ」とPeake。なるほど、彼はバンド仲間と共にオーランドのウォルト・ディズニー・ゴルフコースを回っているのだ。 「うん、まぁ良かったかな」と電話に戻った彼は言った。 「バンカーのすぐ横だったから、まぁまぁだ。ラフでなければ、けっこう満足さ」 カナダ出身の4人組を取り巻く状況は、WatchmanやOdds、Tragically Hipなどの曲を演じるカヴァーバンドだった当初と比べて、いささか変化している。バンドがオリジナル曲への転向を決めたのは、シンガーのChad Kroegerが自作の7曲を引っさげて現れた時のことだった。昨年、デビュー作の『The State』がリリースされると、“Leader Of Men”“Breathe”といったシングルの成功をうけて、バンドは13カ月に及ぶツアーを実施した。 嵐のようだった、とPeakeは笑いながら言い、こう続ける。 「でも俺は、足元を見失っちゃいないから。誰かが何か文句を言い始めるたびに、例えばバスの修理に2日かかるとかボヤいたら、俺たちは“うるせぇな、あんた。バンでオンタリオ州北部の吹雪の中を走ったこと、ある? ないなら黙ってな”って具合でさ。俺に言わせれば、2日で直るんなら万々歳さ。昔のことは忘れやしない。やるだけのことはやってきたってことなんだろうな」 しかしバンドは、新譜の『Silver Side Up』をリリースして、その中から“How You Remind Me”がラジオでヒットしてもなお、やるべきことをやり続けている。Peakeにとっても嬉しい驚きだ。 「最初のシングルは悪くはないけど、こんなに反応があるとは思ってなかったんだ」と信じられないという口振りである。 「もう、何でもありって感じだよな。どうかしてるよ。アメリカの人たちの反応ときたら、すごくクールでさ」 『Silver Side Up』でNickelbackは、いくつか深刻な問題を取り扱った。“Never Again”は家庭内暴力を語り、“Too Bad”ではKroegerが失われた父と息子の絆を歌っている。 「自伝的なものもあり、そうじゃないものもあり」。歌詞についてPeakeはこう説明する。 「“Never Again”は家庭内の虐待の話だけど、これは有り難いことに俺の実体験じゃない。でも、たくさんの人が直面していて、語られなければならない問題だからね。他にはChadの実体験もあって、それを曝け出すのはちょっと辛いものがあるけど、でも彼は実に見事に歌詞にしてくれたと思うよ」 だからといって、Nickelbackが陰気な集団だというわけではない。「楽しむためにやってるんだから」と付け加えた彼はさらに、先が楽しみだとも言う。 「現時点でこのバンドは、この調子でどこまでいけるか、どこまで大きくできるか、それしか考えていないんだ。そもそも、ここまでこられるなんて俺は想像もしてなかったんでね」 とはいえ、もしもNickelbackが蹴つまずいても、Peakeには企みがあるのだ。 「俺、ゴルフのシニア・ツアーに向けて鍛えてるんだ(笑)。年をとったらシニア・ツアーに入れるように練習中さ。その頃、タイガー・ウッズの腕前はどんなもんだろうな」 By David Farinella/LAUNCH.com |