【インタビュー】EOW、ニューヨーク修行17日間のバンド成長記録「想像以上のことしか起きてない」

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■世界の人たちがわかる言語で
■自分たちの曲を披露できたことが嬉しくて


──今回のニューヨーク滞在中には、他にどんな場所でゴスペルを聴きましか?

Tomoaki:ニューヨーク・ブルックリン出身のキーボーディスト“コリー・ヘンリー”のニューアルバムリリース記念ライブがあるという情報を聞いて、観に行きました。そのアルバムタイトルが『Church』で。都心から少し離れた小さな教会で、特別な演出もないステージだったけど、コリー自身の歌唱力とバックコーラス、バンドのマンパワーだけですごいライブを作っていました。まさにそのエネルギーの方向が、僕らの目指してる“最多幸感空間”に通ずるものがあって、すごく勉強になったライブですね。

──教会に訪れた感想は?

Tomoaki:ゴスペルミュージックって基本、ジーザスに対するJoy(ジョイ)の気持ちなんですよね。いくつか訪れた教会の中で、タバナクルという教会のジョイは…優しいジョイというか、開けた感じがしました。



Laco:ベテル・ゴスペル・アセンブリーという教会では、タンバリンを持って歌ったりして、エネルギーに満ち溢れた音楽を聴きました。バラードではなくリズミカルな曲で。そこで、打木希瑶子さんという日本人初の牧師さんとつながることができたんです。

──打木さんから教わったことは?

Laco:“何のためにこれをやっている”とか“今はこういうことを言ってるよ”とか、教会で起きていること全てを解説してくださいました。「どうしてこんなにみんなで集まって、楽しそうに声と体を使って、音楽をやってるんですか?」とシンプルな疑問を聞いたら、「みんなが本当にありがとうって思ってる。今、生きていることとか、命あることを、ただ神様に、ありがとうって思い切り表現してるんだよ」という話を聞いて。私、「今、みんながここにいれることって本当に幸せだよね」みたいなことを自分のライブMCで言ってたんですね。だから、“ゴスペルと通ずるものがずっとあったんだ”って感じました。

──Tomoakiさんは楽器店に立ち寄っていましたね。日本の楽器店と違うところはありました?

Tomoaki:僕が行ったギターセンター(アメリカ最大の楽器小売チェーン)は、昔からいつか行ってみたいと思っていた楽器店で。陳列された楽器自体は、そこまで日本と違うわけじゃないんですけど、一番大きく違うのは、試奏をするのにお店の人の許可がいらないことで。日本だと、「あのギターを弾かせてもらえますか?」って店員さんに断りを入れて、セッティングしてくれたギターを弾いてるときに、「買いますか? 買いませんか?」みたいなやり取りがあるのが普通なんです。

──そこがアメリカは大らかだったわけですね。

Tomoaki:ギターセンターは、店員さんに断らなくていいので、学生とかが何十万円もするギターをガッと手に取ってアンプにつないで。そういう感じでそこら中で弾きまくってるんですよ。“おい、大丈夫か? それ、めっちゃ高いギターだぞ?”とか思いながらも、“やっぱりこういう自由な場所があるから、アメリカってすごいプレイヤーやエンターティナーが多いのかな”と思いました。

──なるほど。

Tomoaki:日本人ギタリストが、「アメリカは日本より明らかに楽器をやってる子供が多い」って言ってるのを聞いたことがあったので、こういうことなのかなって。そもそも、楽器とかエンタメに対する考えが寛容な感じがして、すごくいいなって。

──日本だと音を鳴らすことの敷居が高いんですね。

Tomoaki:まぁ、楽器店にもよるのかもしれないけど、日本の楽器屋さんってギター1本借りるのにもちょっと神経を使うんですよ。高価なギターだったらなおさら、「ごめんなさい、触らせてもらっていいですか?」って。


──ライブハウスHeaven Can Waitのステージはいかがでしたか?

Laco:EOWに1曲だけ、“世界に向けて曲を作ってみよう”って、トライとして英語で書いた「RASEN」という曲があるんですけど。それをまさかアメリカで演奏する未来があるなんて想像もしてなかったです。でも、あの時に自分たちが世界に行きたいっていう望みがあって、それを実際に叶える第一歩として「RASEN」を作っていたからこそ、世界の人たちがわかる言語で自分たちの曲を披露できたことが、嬉しくて。

──Heaven Can Waitの他にはどんなライブを?

Laco:何回か路上ライブをしたんですけど、聴いてくれる人たちが優しかったですね。エンタメに対して寛容というか。ガンガン話しかけてくれるんですよ。おじさんに「おまえ達はそのソウルをどこで手に入れたんだ!」とか「めちゃくちゃいいじゃないか!」とか言われたりして。

Tomoaki:そもそも音楽やエンターテイメントにちゃんと興味がある人がめちゃくちゃ多いと思う。日本と比べるとね。お店にいても、BGMが鳴ってるだけで、その音に合わせて店員が踊ってるとか。

Laco:みんなが知ってるような有名な曲を歌うと、大合唱が起こるっていうことにもびっくりしましたね。ホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」を歌った時に、サビがきたとたん「エンダー!」ってみんなが歌い出すみたいな。


▲Heaven Can Wait


▲THE BITTER END

──オープンマイクにも初挑戦したとか。

Laco:はい。ライブハウスTHE BITTER ENDで。大好きなレディー・ガガのキャリアがスタートした会場ですね。オープンマイクに参加するには、サインアップする紙に自分の名前と歌いたい曲を書いて、ホストの方に名前を呼ばれるのを待つんです。

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