【インタビュー】Ashley「私はボーダーレスな“Ashley World”に属していると思っている」

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2月17日に1stEP『DRAFT ONE』を配信リリースしたAshley。昨年春のデビュー作「Ghost」、バイラルチャートで異例のロングヒットとなっている「KARMA feat. Jin Dogg」、そして自身初のラブソングである「クセニナル feat. Hideyoshi」なども収録された本作は、セルフプロデュースの楽曲も加え、彼女の底知れぬ才能と魅力が感じられる重要なEPとなっている。今回は当初のアーティスト写真などで圧倒的な美しさを印象付けていたロングヘアから一転、強烈な存在感を放つベリーショートへと変貌を遂げた経緯や覚悟をはじめ、これまでの音楽歴や現在の思いなどを聞いた。

■歌詞もメロディーも全部自分で作ったものが入っているから
■より“自分”が届けられるなって思いました


──1stEP『DRAFT ONE』が完成。今のお気持ちを聞かせてください。

Ashley:今回のEPには、これまでリリースした楽曲に加えて、初めて歌詞もメロディーも全部自分で作ったものが入っているから、より“自分”が届けられるなって思いました。聴いてくれた人たちからもいろいろなコメントが来ているんですが、一番驚いたのは、私とお揃いのタトゥーを入れたって人がいて(笑)。「KARMA feat. Jin Dogg」という曲のジャケ写で使われている私の手書きの文字なんですけど、あれはびっくりしました。そんなことある!?って。

──すごい影響力ですね!でも、音楽が届いたからこそだと思うからそういう報告もグッときますね。

Ashley:はい。ちゃんと聴いてくれているんだなって思ったら、すごく嬉しかったです。


──ということは、今回のヘアスタイルを真似する人も出てきそうじゃないですか。

Ashley:出てくるかな、“坊主”チャレンジ(笑)。ポニーテールとかずっと長めのイメージがあったと思うから、これは誰も想像してなかったと思う。

──かなり大胆なイメージチェンジですが、これはどういうきっかけで?

Ashley:「HIKIGANE」という曲のMVを撮ったんですが、引き金って普通に表現したらつまんないじゃないですか。これから私は音楽をやっていきますよ、これまでの自分はいい意味でいなくなりましたよっていう気合いを表現したくて、MVの中で坊主になるっていう過程を撮ったんです。プロデューサーのLUNAさんがアイデアを出してくれたんですが、最初は「えぇっ!?」って感じだったんですね。でもいっぱい考えて、いっぱい話していくうちにアリだなって。髪の毛を自分で切って、バリカンで剃っていくんですけど、最初はやっぱりちょっと緊張しました。でも心の準備はできていたから、やったらやったで気持ち良かったんですよ。気持ちが楽になるっていうか、本当に清々しい気分でした。



──それくらい気持ちのこもった、そして気合いの入った楽曲ということなんですね。これはどういうきっかけで書いた曲だったんですか?

Ashley:この曲、最初はムカついた時の感情で書いたんです。

──世の中に対して?

Ashley:元カレに対してです(笑)。最初はとにかくムカついてたんだけど、書いているうちにどうでもよくなってきて(笑)、自分のこれからみたいな考え方に変わっていったんですよね。違う意味が生まれてきたというか。作っていくうちにどんどんムカつきもなくなって、考え方も変わって、書き始めた時と作り終えた時とでは、曲に対する気持ちが全然違ったんです。

──結果的に、Ashleyさんの決意みたいなものもしっかり伝わる楽曲になったと。

Ashley:そうですね。MVもそうですけど、この「HIKIGANE」というワードもすごくパンチがあるじゃないですか。女の子の強さみたいなものも表現したかったので、すごくぴったりな感じになったかなと思っています。


──Ashleyさんは去年1stシングル「Ghost」でデビューされたわけですが、小さい頃から音楽の道を目指していたんですか?

Ashley:私、小さい頃からずっと音楽が好きで。親戚とか家族とか、楽器をやってる人も多くて音楽に囲まれていたから、歌を歌っている人を見ては「かっこ良い!」って真似していました。ずっと、自分も歌いたいって思っていましたね。

──小さい頃はどんな音楽を聴いていたんですか?

Ashley:私は小さい頃キリスト教から派生した宗教団体の施設で育ったんですが、音楽は身近にあったけど、いわゆる世俗的な曲は聴いちゃいけないっていう厳しいルールがあったから、たとえばマイケル・ジャクソンが作った「ウィ・アー・ザ・ワールド」や、セリーヌ・ディオンの曲なんかをよく聴いていました。クリーンな言葉で、人類愛を歌っているみたいな曲ですね。

──どんなに厳しい環境であっても、音楽があるのとないのとでは気持ち的に全然違いそうですよね。

Ashley:そうなんですよ。小さい頃は学校じゃなくて家でずっと勉強していたから、みんなが音楽やっている時間とかがめちゃくちゃ楽しみでした。それが小4ぐらいまで続いて、そのあとは家族が宗教的なところから離れたので、普通に学校に行くようになったんです。で、YouTubeとかも見られるようになって、そこでテイラー・スウィフトを知ったんです。ちょうど彼女がデビューした頃だったと思うんですが、16歳くらいでギター弾いて歌っていて、すごくかっこ良かった。それで自分もギターを弾きたいと思って、テイラーの曲でギターを覚えたんです。

──あの姿を見て衝撃を受けない女の子はいないと言ってもいいくらいでしたよね。

Ashley:本当に!歌詞とか、女の子だったら誰もが思っていることを言ってくれていたんですよね。共感っていうかな。小学生のAshleyもそうだったし、女の子はみんな彼女の魅力にやられましたよね。

──単なるリスナーで終わらなかったのは、きっと楽器をプレイするっていうことが日常にあったからでしょうね。

Ashley:そうですね。家にギターもあったから。お父さんはギターが弾けるから「教えて」って言ったんですが、「本気でやりたいんだったら、自分で覚えな」って(笑)。それで、YouTubeとか見ながらコードを覚えたりしたんです。そこから、テイラー・スウィフトの曲じゃなくても好きな曲があったら「これも弾けるかな」みたいな感じで、少しずつ弾けるようになっていきました。だから、結構アコースティック系を聴いていましたね。

──マライア・キャリーとか、いわゆる歌姫的な音楽も聴いていました?

Ashley:聴いてはいましたけど、自分がギターブームに入っちゃったんで、ジャック・ジョンソンとかそっちを聴いていたんです。とはいえ、気分でいろんな音楽を聴いてはいましたけど。

──幅広くインプットされていたんですね。

Ashley:私、聴く曲の種類が色々ありすぎて、これ!っていうのがないんです。だけど、元々は生バンドの音じゃないものを生バンドでライブしてる、みたいなのが好きなんですよ。


──というと?

Ashley:わかりやすくいうと、YouTubeの「Tiny Desk Concert」で演奏しているような感じです。

──小さなオフィスの一角でアットホーム感漂う演奏を聴かせてくれる、他にはないプログラムですよね。

Ashley:めちゃくちゃ好きなんです。生音が入ってバンドでセッションしている感じとか、アゲな曲でもアコースティックっぽいアレンジになっていたりして、全然違うバージョンとして楽しめるのがすごく好きで。

──そういえばYouTubeチャンネルの「OPEN MIC by JIM BEAM」でAshleyさんの「Ghost/KARMA」スペシャルメドレー動画も公開になっていましたが、バンドでがっつり演奏している感じがめちゃくちゃかっこよかったです。



Ashley:(変態紳士クラブのメンバー兼プロデューサーとして活躍するGeG率いるG.B.’s BANDと)生コラボセッションしたんですけど、本当にかっこ良くて。原曲は打ち込みのかっこ良い感じだけど、ここではまさにバンドサウンドを感じてもらえる仕上がりになっています。結構ロックですよ。原曲の良さももちろんあるけど、こんな感じになるんだ!っていうのを楽しんでもらえると思います。R&Bだけじゃない私の側面っていうか、ロックな部分もぜひ感じてもらいたいです。

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