【俺の楽器・私の愛機】692「弾けないギター」

【Faker Jazzmonster】（香川県　水龍　35歳）


元々ギタリストを志したもののコードでつまづいて弾けないと判断し、すぐドラマーに転向しました。それから演奏するのはドラムのみ。

でもゴミ捨て場や中古店でジャンクギターを見つけては家に持ち帰り、治しては弟にライブで弾いてもらう。自分は弾けないけど治したりカスタムするのが楽しくて、今までギターはそうやって楽しんできました。

そんな事を20本、30本と続けているうち、本格的なギタークラフトにも興味が湧いてきて、市販品には無い自分だけの理想のギターを作れないだろうかと思い、1年以上構想を練って組みました。

コンセプトはメタル対応で可能な限り純正に近い仕上がりのジャズマスターシェイプのリバースヘッド仕様。ボディはワーモス、ネックは国産の組み合わせです。コントロールはシンプルかつ使い勝手を考えて2V仕様に。ただトーンレスなので国産ポットでは高域がキラキラしすぎる為、CTSポットを使用し、そこにハイパスコンデンサを入れる事でボリュームを絞って歯切れの良いカッティングも対応出来るようにしました。

可能な限り純正に近い見た目を意識して、フロントはシングルでも太めの音が出せるセイモアダンカンSJM-2を。リアはメタル等のハードな音楽にも対応する為シングルルックのセイモアダンカンカスタムショップ製JBを載せてあります。ジャズマスターの持病である弦落ち対策としてブリッジはマスタリーブリッジを選択しました。

色は少し青みのある白が良かったのですが、なかなか思った通りの色味に巡り合わず、各塗料メーカーの色んなサンプルを吟味した結果、スバルインプレッサのホワイトを選びました。

特にこだわったのはロゴで、知り合いの方に制作していただきましたが、あくまでも偽物という意味も込めてFakerにしています。近くで見て初めて小ネタ的な要素が分かるようにしてあるので、その辺りがお気に入りです。

プレイヤー目線では無く、ギターは弾けないけどカスタムやリペアが好きな人間の好みで組み上げたギターということで、弾けないギターというタイトルにさせていただきました。このギターは実際に弾いていないという訳ではなく、弟がライブ用として使用しており、現役で活躍してます。

僕個人の感覚では、構想から完成するまでが楽しい時間なので、また機会があれば何か組んでみたいなと思っております。




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またすんごい投稿が来た。趣味の領域を激しく凌駕して、本格的なんてもんじゃない。ギターを弾くこととギターを作ることは別物ですけど、だからこその突き抜けた才を感じます。かのレオ・フェンダーだってギターは弾けなかったといいますからね。ブランド名というかヘッドロゴも最高だし、これはいいなあ。こういう趣味、楽しそう。そしてなにより羨ましいのは弟さん。水龍さん、私のお兄ちゃんになってくれないか。（JMN統括編集長 烏丸）


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