ブライアン&ロジャー全面協力、クイーン『輝ける栄光の日々』WOWOWで22日放送
(c) Queen Productions Ltd.
映画に続き、映像作品化された『ボヘミアン・ラプソディ』も当然のごとく異例の大ヒットを記録中のクイーン。2020年1月にはクイーン+アダム・ランバートとしての来日公演も決まり、この伝説的グループをめぐる単なる再評価やリバイバルとは一線を画する熱を帯びた現象は、いっこうに止まる気配を見せていない。そんななか、6月22日の土曜日は、クイーン・ファンがテレビの前に釘付けになる日となりそうだ。去る3月に歴史的ライヴ映像3本が一挙放映されたのに続き、この日の午後から夜にかけ、またもWOWOWでは興味深いプログラム3本が続けざまにオン・エアされることになったのだ。
その3本のプログラムとは『クイーンMusic Video Collection』と『フレディー・マーキュリー アントールド・ストーリー』、そして『クイーン ~デイズ・オブ・アワー・ライブス 輝ける栄光の日々-PART 1/PART 2』。このうち、今回はまず『輝ける栄光の日々』についてご紹介しておきたい。
ふたつのパートからなるこの長編ドキュメンタリー作品は、去る2011年、クイーンの結成40周年を記念して製作されたもので、映画『ボヘミアン・ラプソディ』と同様、ブライアン・メイとロジャー・テイラーの全面協力を得ながら完成されている。往年の貴重な映像や発言が豊富に含まれているばかりではなく、それを検証する当事者たちの取材映像もふんだんに盛り込まれ、結成前夜から1991年11月のフレディ他界、翌年4月にロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催された彼の追悼コンサート、さらにはフレディの死後に世に出たアルバム『メイド・イン・ヘヴン』発表に至るまでの経過が、とても丁寧かつ緻密に描かれている。
4人の当時の発言、それを踏まえながらのブライアンとロジャーの回顧発言はもちろん、映画のなかでもキーパーソンの一人になっていたマネージャーのマイアミことジム・ビーチ、70年代にマネージメントを手掛けていたジョン・リード、初期からクイーンを知るジャーナリストやプロデューサー、ロード・クルーなどの証言の数々についても、いずれも興味深いものばかりだ。
そしてこの作品に触れた多くの人が感じるはずなのは、ブライアンとロジャー、ジム・ビーチが製作に関与しているこのドキュメンタリーという下敷きがなければ、『ボヘミアン・ラプソディ』という名画は誕生し得なかったのではないか、ということ。実のところ、今になってこの作品と向き合うと、映画における物語の流れが実際の時系列とは異なっていること、登場人物に伴うエピソードや背景に入れ替えなどのアレンジが施されていることにも気付かされる。加えて、これまた映画のなかでは重要な役どころだったマイク・マイヤーズ演ずるところのレコード会社重役、レイ・フォスターは実在の人物ではない。が、当時のさまざまな逸話を集約し、物語をわかりやすくするうえであの役柄を設定することが有効だったのだということにも、改めて納得させられる。
映画における設定と事実との間にどのような差異があるのかは、実際にこの『輝ける栄光の日々』を見るまでのお楽しみ、ということにしておきたいところだが、とにかく『ボヘミアン・ラプソディ』をすでに鑑賞済みの方々ならば、この作品を副読本的に楽しむことができるはずだし、まだ映画を見ていないという人たちにとっても、クイーンの歴史を紐解く切っ掛けを求めていた人たちにとっても、このドキュメンタリーは必見だといえる。画面の前で退屈を味わわされる時間は、きっと皆無であるはずだ。
そして前述の通り、6月22日のWOWOWでは、このドキュメンタリーのみならず、もう2本のスペシャル・プログラムが組まれている。その2本の内容については、また機会を改めてご紹介させていただく予定だ。とにかく、まずはこの大切な日をうっかり忘れてしまうことのないよう、しっかりとカレンダーに印をつけておきたいところだ。
文◎増田勇一
■『クイーン Music Video Collection』
6月22日(土)午後3:15〜 [WOWOWプライム]
■『フレディー・マーキュリー アントールド・ストーリー』
6月22日(土)よる7:00〜 [WOWOWプライム]
■『クイーン 〜デイズ・オブ・アワー・ライブス 輝ける栄光の日々-PART1』
6月22日(土)よる8:00〜 [WOWOWプライム]
■『クイーン 〜デイズ・オブ・アワー・ライブス 輝ける栄光の日々-PART2』
6月22日(土)よる9:00〜 [WOWOWプライム]
特設サイト: https://www.wowow.co.jp/music/queensp/
映画に続き、映像作品化された『ボヘミアン・ラプソディ』も当然のごとく異例の大ヒットを記録中のクイーン。2020年1月にはクイーン+アダム・ランバートとしての来日公演も決まり、この伝説的グループをめぐる単なる再評価やリバイバルとは一線を画する熱を帯びた現象は、いっこうに止まる気配を見せていない。そんななか、6月22日の土曜日は、クイーン・ファンがテレビの前に釘付けになる日となりそうだ。去る3月に歴史的ライヴ映像3本が一挙放映されたのに続き、この日の午後から夜にかけ、またもWOWOWでは興味深いプログラム3本が続けざまにオン・エアされることになったのだ。
その3本のプログラムとは『クイーンMusic Video Collection』と『フレディー・マーキュリー アントールド・ストーリー』、そして『クイーン ~デイズ・オブ・アワー・ライブス 輝ける栄光の日々-PART 1/PART 2』。このうち、今回はまず『輝ける栄光の日々』についてご紹介しておきたい。
ふたつのパートからなるこの長編ドキュメンタリー作品は、去る2011年、クイーンの結成40周年を記念して製作されたもので、映画『ボヘミアン・ラプソディ』と同様、ブライアン・メイとロジャー・テイラーの全面協力を得ながら完成されている。往年の貴重な映像や発言が豊富に含まれているばかりではなく、それを検証する当事者たちの取材映像もふんだんに盛り込まれ、結成前夜から1991年11月のフレディ他界、翌年4月にロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催された彼の追悼コンサート、さらにはフレディの死後に世に出たアルバム『メイド・イン・ヘヴン』発表に至るまでの経過が、とても丁寧かつ緻密に描かれている。
4人の当時の発言、それを踏まえながらのブライアンとロジャーの回顧発言はもちろん、映画のなかでもキーパーソンの一人になっていたマネージャーのマイアミことジム・ビーチ、70年代にマネージメントを手掛けていたジョン・リード、初期からクイーンを知るジャーナリストやプロデューサー、ロード・クルーなどの証言の数々についても、いずれも興味深いものばかりだ。
そしてこの作品に触れた多くの人が感じるはずなのは、ブライアンとロジャー、ジム・ビーチが製作に関与しているこのドキュメンタリーという下敷きがなければ、『ボヘミアン・ラプソディ』という名画は誕生し得なかったのではないか、ということ。実のところ、今になってこの作品と向き合うと、映画における物語の流れが実際の時系列とは異なっていること、登場人物に伴うエピソードや背景に入れ替えなどのアレンジが施されていることにも気付かされる。加えて、これまた映画のなかでは重要な役どころだったマイク・マイヤーズ演ずるところのレコード会社重役、レイ・フォスターは実在の人物ではない。が、当時のさまざまな逸話を集約し、物語をわかりやすくするうえであの役柄を設定することが有効だったのだということにも、改めて納得させられる。
映画における設定と事実との間にどのような差異があるのかは、実際にこの『輝ける栄光の日々』を見るまでのお楽しみ、ということにしておきたいところだが、とにかく『ボヘミアン・ラプソディ』をすでに鑑賞済みの方々ならば、この作品を副読本的に楽しむことができるはずだし、まだ映画を見ていないという人たちにとっても、クイーンの歴史を紐解く切っ掛けを求めていた人たちにとっても、このドキュメンタリーは必見だといえる。画面の前で退屈を味わわされる時間は、きっと皆無であるはずだ。
そして前述の通り、6月22日のWOWOWでは、このドキュメンタリーのみならず、もう2本のスペシャル・プログラムが組まれている。その2本の内容については、また機会を改めてご紹介させていただく予定だ。とにかく、まずはこの大切な日をうっかり忘れてしまうことのないよう、しっかりとカレンダーに印をつけておきたいところだ。
文◎増田勇一
■WOWOW『クイーン ドキュメンタリー&MV特集』
■『クイーン Music Video Collection』
6月22日(土)午後3:15〜 [WOWOWプライム]
■『フレディー・マーキュリー アントールド・ストーリー』
6月22日(土)よる7:00〜 [WOWOWプライム]
■『クイーン 〜デイズ・オブ・アワー・ライブス 輝ける栄光の日々-PART1』
6月22日(土)よる8:00〜 [WOWOWプライム]
■『クイーン 〜デイズ・オブ・アワー・ライブス 輝ける栄光の日々-PART2』
6月22日(土)よる9:00〜 [WOWOWプライム]
特設サイト: https://www.wowow.co.jp/music/queensp/
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