アコギとエレキギターのトーンをこれ1本で フェンダーが提案する次世代ギターの新機軸「American Acoustasonic Telecaster」発表
アコースティックギターとエレクトリックギターそれぞれのトーン、そしてその両方をブレンドしたサウンドまでを1本で演奏できる、これまでにないギターが登場。FENDER MUSICAL INSTRUMENTS CORPORATION(以下フェンダー)が、米カリフォルニア州アナハイムのWINTER NAMMで、まったく新しいコンセプトで開発された「American Acoustasonic Telecaster」を発表する。発売は2019年春予定。
▲多彩なサウンドを生み出すテレキャスターシェイプの「American Acoustasonic Telecaster」。サテン仕上げのNatural、Black、Sonic Gray、Surf Green Sunburstの5色をラインナップ。
「ACOUSTIC. ELECTRIC. そこにある、すべて。」―― American Acoustasonicシリーズとして発表された本製品は、このコンセプトのもと、これまでにない音楽を創造するために開発された。アコースティックギターのボディシェイプや素材の違いによって得られる多彩なサウンドヴァリエーション、そして大胆なエレクトリックギターのサウンド、さらにはその両方をブレンドさせたまったく新しいサウンドまで、今までの「ギター」という楽器の枠を超えた縦横無尽なサウンドづくりが楽しめる。
▲サウンドーホールのエッジはウォーターフォールと呼ばれる機構で、滝壺に水が落ちるようななだらかなカーブを描いている。この独特の形状が、フィードバック防止に一役買っていそうだ。トップ材はソリッドシトカスプルース。
スタジオワークにもライブパフォーマンスにも最適。ステージではアコースティックギターとエレクトリック・ギターを持ちかえることなく、手元の操作だけですばやく切り替えて、さまざまな楽曲をシームレスに演奏可能。本体はフルホローボディでありながら、余計なフィードバックを防ぎ、ストレスのなプレイができる。また、アコースティックとエレクトリックをブレンドした新しいサウンドは、多くの斬新なアイデアを生み出すはず。
モデリングにより“アコースティックギターの音も鳴らせる”エレキギターも存在するが、それらと異なり、本機はアンプなしでアコースティックギターとして演奏することが可能。しかも、本体はアコースティックギター並みの軽さで、リビングルームで小さな音でアコギとして気軽に楽しむのにもぴったりだ。
▲コンターを施したフルホローボディで、どんなシチュエーションでも弾きやすさを実現。ボリュームノブと“Mod” Knob、5-Wayスイッチで多彩なサウンドを表現可能。
「3年前、私たちは『真の革新的なギター』の製作に着手しようとプロジェクトを起ち上げました。」と語るのは、アコースティックギターおよびSQUIER部門のヴァイスプレジデントであるビリー・マルチネス。「これにより、アコースティックギターとエレクトリックギターの垣根を超えた製品が生まれ、アーティストは複数のアコースティックボディのシェイプと木材が生み出すトーン、そして素晴らしいエレクトリックギターのサウンドを一度に手に入れることができます。言わば、アナログとデジタル両方の長所を融合させた素晴らしいギターが誕生したのです。」
「私たちの目的は、現代のアーティストのための新しいギターを開発することでした。」と、フェンダーのCEOであるアンディ・ムーニーは述べている。「本製品は3年間におよぶ研究開発によって、すべての課題をクリアしたばかりか、私たちが当初期待していた以上のものに仕上がりました。これは素晴らしいサウンドを提供する最先端のアコースティックギターであると同時に、最先端のエレキギターでもあるのです。この開発は他の誰でもない、フェンダーがやり遂げなくてはならない挑戦だったと思っています。」
▲バック&サイド、ネックはマホガニーを採用。ネックはModern“Deep C”シェイプ、仕上げはサテン・ウレタン。指板はエボニー、9.5”(241mm)、20フレット、ナロートール。本体には充電池を内蔵し、USB経由で充電する。
「American Acoustasonic Telecaster」は、フェンダーがFishmanと共同開発したアコースティックエンジンを搭載。これにより、レゾナンスが細やかにチューニングされ、より自然に鳴るようにトーンを最適化。ピックアップはボディの鳴りも集音する。また、Fender Acousasonic Noiselessピックアップを搭載しており、Mod Knobの調整によって、アコースティックとエレクトリック両方のトーンをブレンドして、新しいサウンドを作り上げることも可能だ。
3つのピックアップと5つのポジションセレクター、そしてMod Knobによるコントロールで、無数のギタートーンとこれまでにないクリエイティブな表現、そしてインスピレーションをアーティストに提供する。実際に音を聴くことができたが、まさにアコースティック!というサウンドからパワフルなエレクトリックサウンド、両者をブレンドした絶妙な質感のサウンドまで多彩なサウンドが味わえた。また、アコースティックの設定には木材の違いによるヴァリエーションも用意。ボディの鳴りも加えられるのでトップを叩くパーカッシブなプレイにも対応する。アコースティックギターとして使う場合はアンプを使わずPAシステムに直結して鳴らすことも可能だ。
「カリフォルニア州コロナにある、このフェンダーが誇るワールドクラスの工場から、American Acoustasonic Telecasterをみなさまにお届することができるのは、本当に栄誉なことだと思います。私たちフェンダーが、この『真のソニック(音の)革命』によって限界や境界を超え、フェンダーのアコースティックギターとエレクトリックギターの未来を切り拓くでしょう。」とマルチネスは付け加えている。
その他おもな特徴は以下のとおり。
・フルホローボディ
伝統的なテレキャスターシェイプでありながらコンターを施したフルホローボディ。自宅で膝の上に乗せて鳴らしても、ステージの上でプレイしても、弾きやすく自然で豊かな響きを提供する。
・新しいアコースティックエンジン
フェンダーとFISHMANが共同開発した新しいアコースティックエンジンは、さまざまなアコースティックサウンドを切り替え得たり、ブレンドしたりすることが可能。
・Fender Acoustasonic Noiselessピックアップ
オーセンティックなフェンダーのエレクトリックギターサウンドを提供。エレクトリックギターサウンドをアコースティックサウンドとブレンドして新しい音を作り出すこともできる。
・マホガニーのテレキャスターネック
マホガニー材を採用した親しみやすいテレキャスターネックは温かみのあるエボニー指板を採用。
・Stringed Instrument Resonance System(SIRS)テクノロジー搭載
特許申請中のStringed Instrument Resonance System(SIRS)テクノロジーで、迫力のあるナチュラルなヴォイシングと生き生きとした倍音が得られる。
・カリフォルニア州コロナ工場生産
歴史あるアメリカ製ギターの生産拠点であるカリフォルニア州コロナ工場で1本1本丁寧に作られている。
・サテン仕上げの5色カラー展開
Natural、Black、Sonic Gray、Surf Green Sunburstの合計5色展開。すべてサテン仕上げ。
製品情報
価格:270,000円(税抜)
発売日:2019年春予定
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