「FL STUDIO」がついにMacにネイティブ対応、Windows版とのプロジェクト互換も実現した「FL STUDIO 20」リリース
Windows用ソフトとして20年にわたり進化を続けてきたImage-Line Software(ベルギー)の統合型音楽制作ソフト「FL STUDIO」がついにMacに対応。3年ぶりとなる最新バージョン「FL STUDIO 20」が登場した。
「FL STUDIO」は、“STUDIO”という名称のとおり、音楽制作に必要なものをソフトウェア的にワンパッケージしたバーチャルスタジオ。つまりシーケンサー、シンセサイザー、サンプラー、ドラムマシン、エフェクト、オーディオレコーダー、ミキサーなどを完全一体化。外部音源などがなくてもFL STUDIOだけで音楽制作を実現する。さらにFL STUDIO単独で完結するだけでなく、FL STUDIO自身がDAWのプラグインとして動作したり、ReWireで連動するなど、ほかのDAWにはない拡張性も魅力だ(オーディオ機能はFruityエディションには装備されない)。前バージョンは「FL STUDIO 12」だが、Mac版への対応を果たした今回の最新版は、FL STUDIO誕生20周年ということで、FL STUDIO“20”となっている。
▲Mac版の画面。FL STUDIOの特徴であるリズムマシンライクなステップエディタやピアノロール、各種インストゥルメント、ミキサーなどを搭載し、Windows版と同様に使用可能。
▲こちらはWindows版。マルチタッチ機能によりパフォーマンスツールとしても使用可能(マルチタッチ対応デバイスが必要)。複数の指を使ったミキサーのコントロールもOK。
「FL STUDIO 20」の新機能の目玉はもちろんMac環境への対応。macOS(64ビットネイティブ)に対応し、MacのVST/AUプラグインとしても動作。さらに制作したプロジェクトはWindows環境とMac環境の間で完全互換となっている。その他のおもな新機能は以下のとおり。
●タイムシグネチャー
プレイリストでもパターンでも無限のタイムシグネチャー(拍子)を設定可能に。FL独自のパターンシステムで活用すれば、プレイリスト中に異なるタイムシグネチャーのパターンを混在させることも可能。
●In-situレンダリング(フリーズ)
選択したオーディオやパターンクリップをオーディオへバウンス可能。エフェクトやバーチャルインストゥルメントをオーディオにレンダリングすることで、CPU負荷を軽減できる。
●プレイリストのアレンジ機能
プレイリスト中に複数の“アレンジ”を持たせることが可能に。複数のアレンジを差し替えることにより、納得のいくまで曲づくりを試すことができる。
●プラグインのディレイ補正
補正処理を再構築。マニュアルでも自動でもさまざまなオーディオバスでの補正が可能。
ソフトウェアはダウンロード版(発売中)とパッケージ版(6月下旬発売)でリリース。日本国内パッケージ版はインストール用メディアをこれまでのDVD-ROMから8GBのUSBスティックに変更、解説ビデオも収録する。なお今バージョンでも他社DAW製品ユーザー向けのクロスグレード版もSignatureエディションに用意。さらに今後は、わかりやすい解説本(サウンドデザイナー刊)とセットにしたパッケージも発売予定となっている。
また、すべてのエディションに「ライフタイムフリーアップグレード」が付属するのも見逃せない。FL STUDIOなら今後、新しいバージョンがリリースされても無償でアップグレードが可能だ(下のエディションからのアップグレードは有償)。
製品情報
価格:34,000円(税別)
※基本エディションであるProducerにさらにパワフルな7種類のプラグイン(NewTone、DirectWave Full、Harmless、Fruity Video Player 2、Hardcore、Pitcher、Gross Beat)を追加したフラグシップエディション。
◆FL STUDIO 20 Signatureクロスグレード
価格:22,000円(税別)
※内容はSignatureと同一、他社製DAWソフトウェアを所有の方が購入対象のお得なパッケージ。
◆FL STUDIO 20 Producer
価格:26,000円(税別)
※オーディオ機能を含む、FL STUDIOの基本エディション。
◆FL STUDIO 20 Fruity
価格:16,000円(税別)
※オーディオトラックを省き、上位エディションと同一のシーケンス機能を装備したエントリー向けエディション。
発売日:2018年6月下旬
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