CME、手軽にワイヤレスMIDI環境を構築できるアダプター第2弾「WIDI Jack」、外部電源供給でより多くの機器に対応
CMEから、MIDI機器のワイヤレス接続を可能にするBluetooth MIDIアダプターの第2弾「WIDI Jack」が登場。3月5日より発売開始となる。
15年以上にわたりワイヤレスMIDIのソリューションに取り組んできたCMEの新製品「WIDI Jack」は、ワイヤレスMIDIの世界を手軽に構築できる“アダプター”。昨年10月に発売された「WIDI Master」に続くモデルで、より多くのMIDI機器で使える製品となっている。
▲本体は34×14×38mm、18g(ケーブル含まず)と非常にコンパクト。手前にMIDIケーブル用ジャック×2、左側面には電源供給用のUSB-Cコネクタを配置。背面にはマグネットが内蔵されている。
▲小型なWIDI Jackをケーブルを介してMIDI機器に接続。標準5ピンDINのほかミニジャックを採用した機器や、コルグvolcaシリーズのようなMIDI OUTのない機器にも接続が可能。
発売中の「WIDI Master」は、MMA(MIDI Manufacturers Association)によって承認された新しいワイヤレス規格“Bluetooth MIDI (BLE-MIDI)”に準拠し、コンピューターがなくても、MIDI機器をBluetoothを介して接続可能。まさに「バーチャルMIDIケーブル」と呼べる便利なツールとして認知され、ベストセラーになっている。
▲左が昨年より発売中のWIDI Master、右が新登場のWIDI Jack。WIDI MasterはMIDI端子に直接プラグインできるコンパクトなアダプター。MIDI IN側を切り離すことができ、MIDIキーボードやウィンドコントローラーをより軽量・コンパクトにワイヤレス化できる製品としても注目を集めた。
この「WIDI Master」は、電子楽器をはじめとするMIDI機器のMIDI OUT端子から電源を供給する仕様で、外部電源は不要というメリットを持つ。しかし、一部のMIDI機器には十分な電源を供給しないものがあり、外部電源を使用できるモデルの登場が待たれてた。そこで登場したのが今回の「WIDI Jack」だ。
「WIDI Jack」は、「WIDI Master」と同様電子楽器のMIDI OUT端子から電源供給を受けられるほか、装備されたUSB-Cポートを介して外部からの電源供給も可能(USB-Cケーブル、USBパワーサプライは市販のものが使用できる)。MIDI IN端子しか持たないMIDI機器でもBluetooth MIDIの恩恵を受けられるようになる。
最近のシンセの中には、小型化のためMIDI接続にミニジャックを使用した製品も多いが、「WIDI Jack」はこうしたMIDI機器にも対応。「WIDI Jack」本体には2.5mm TRSタイプのMIDI端子を備え、デタッチャブル仕様の各種MIDIケーブルを用意する。
▲オプションのケーブルでさまざまなMIDI機器に対応。左から2.5mm TRSタイプ、3.5mm TRSタイプ、5ピンDIN標準タイプ(製品に付属)、6ピンDINミニ。
製品には5ピンDIN端子の標準MIDI端子に対応したケーブルが付属。オプションで、IK Multimedia製品などで使われている2.5mm TRSタイプ、Arturia製品などで使われている3.5mm TRSタイプ、ヤマハRefaceで使われている6ピンDINミニタイプのMIDI端子に直結できるケーブルがラインナップされる(各1,000円 税別)。また、TRS MIDIケーブルには極性の異なる2種類があるが、「WIDI Jack」は背面スイッチの切り替えでタイプA、タイプBの両方に対応可能だ。
「WIDI Jack」本体は小型軽量、内部にはマグネットが仕込まれているので、鉄製ボディのMIDI機器ならカンタンに取り付けが可能。そうでない場合も付属のマグネットパッチ(両面テープがはられている)をMIDI機器に取り付ければ固定が可能になる。
2つの「WIDI Jack」を用意すれば、2台のMIDI機器間をワイヤレスで接続可能(「WIDI Master」との組み合わせも可)。シンプルにMIDIケーブルの代わりとして使用でき、スタジオのセットアップがカンタンに行える。また、WIDI製品同士の接続では最短3msの低レイテンシーも実現。Bluetooth 5採用により、今までの2倍の速度と4倍の範囲で確実なMIDI接続が可能だ。
また、1つの「WIDI Jack」を使って、Bluetooth MIDIコントローラーをスタンドアロンのMIDI機器とペアリングすることもできる。たとえばワイヤレスMIDIキーボードとWIDI Jackを取り付けたMIDI音源モジュールをコンピューターを介さずに接続することが可能だ。
コンピューターとの接続ももちろんサポート。1つの「WIDI Jack」とiOSデバイスまたはMacとをペアリングし、DAWからスタンドアロンの MIDI機器を演奏させることができる。いずれの場合も「WIDI Jack」はスマートアルゴリズムを使用して、自動的にセントラル/ペリフェラルのモードを切り替え、瞬時に接続が確立する。
このほか、複数の「WIDI Jack」または「WIDI Master」をMIDI機に接続し、iOS/Android対応の専用アプリでグループを設定すれば、最大で1対4または4対1のMIDIスルー/マージも可能だ。販売元のフックアップのサイトには環境ごとの接続方法を紹介したビデオ(日本語字幕/解説付き)をはじめ各種技術情報が掲載されている。そちらもあわせてチェックしてほしい。
製品情報
価格:6,500円(税別)
発売日:2021年3月5日
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