【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.54「アコースティックライブで大事な扇子を盗まれてしまったマイケル・モンローのとった対応が素敵すぎる」

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ニューアルバムのレコーディングを終えたばかりのマイケル・モンローですが、レコーディングのためギタリストの2人スティーブ・コンテとリッチ・ジョーンズがフィンランドに来ている間に、これまでやったことのないギタリストと3人でのアコースティックライブを3会場で行いました。コッコラとユヴァスキュラでの公演のあと彼のインスタグラムとFacebookに次のようなポストがアップされました。



英語の文章には書かれてないことがあったので、フィンランド語の方を訳してみると
「ハイ!金曜のコッコラと昨日のユヴァスキュラの”アコースティック・トリオ”に来てくれたみんなありがとう!とっても楽しかったよ。ただ昨日のユヴァスキュラで起こった残念なことをのぞいてはだ。観客の誰かがきっと一瞬理性を失ったんだと思うが、俺のお気に入りの赤いセンスとハーモニカ3つが盗まれてしまった。観客と密着したライブをやりたかったが、それは俺のものを盗んでいいという意味ではなかった。
その扇子は俺にとってとっても大事なものなんだ。とっても大切な人からもらったもので、思い出がものすごく詰まっている。それを盗んだ人は、それをわかって、送り返してほしい。誰がとったかなんて知りたくはない。扇子だけ手元に戻ってほしいんだ。じゃ、こういうことにしよう。俺がそれを君に少しだけ貸したことにする。それでどうだい?下記の住所に送ってほしい。
ありがとう!マイケル❤」

彼は扇子を盗んじゃったファンを責めるのではなく、少しの間貸したことにするから誰がとったか知らなくていいからこっそり送り返してくれとお願い。すると数日後に郵便で無事返却されて来たそうです。

「扇子が戻ってきた。ありがとう!」



さらに彼は「アコースティックライブで扇子を俺から”貸した”君に、返してくれてほんとにありがとう!すごく感謝する。3つのハーモニカもライブ会場で見つかった。これでまた人を信じることができると確信した。マイケル❤」

というわけでハッピーエンディング。大好きなアーティストが使用したものを持っておきたいファン心はわかるとしても、セットリストや観客に投げられたピックやドラムスティックならキープできますが、ステージに手が届いたとしても、なんでもとっていいわけじゃありません。今回はマイケルが彼のものを盗んじゃったファンの心理も考慮しての対応だったに違いないと思います。強く攻めるのでなく、貸したことにして、送り返してくれるようお願いした成果がハッピーエンディングになったのではないかと思います。

そのマイケル・モンロー、先日Metallicaのヘルシンキ公演初日にサプライズ出演し「Dead, Jail or Rock 'N' Roll」を共演!公演当日の午後、バンド側から直接コンタクトがありいきなり出演となったようです。この夏はアリス・クーパー、ジョニー・デップ、ジョー・ペリーらで構成されたHollywood Vampiresのヘルシンキ公演のオープニングアクトを務めるほか、フィンランド各地で行われる数多くの夏フェスに出演が予定されています。ニューアルバムも楽しみですね。


写真は2014年マイケル・モンロージュエリーがフィンランドのブランド、カレワラ・ジュエリーから発売になった際、ショップで行なわれたファンミーティングでのアコースティックライブの時のものです。ファンからのリクエストに応じたり、会話しながらサインや2ショットに応じたり、自ら持参してきていたポストカードをふるまったりと、ファンを大事にする人柄がたっぷりあふれたファンミーティングでした。

文:Hiromi Usenius

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