【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.128「マイケル・モンロー率いるDemolition 23.がこの秋フィンランド国内ツアーを行った」
Demolition 23.はマイケル・モンローとサミ・ヤッファを中心に1993年に結成され、ドラマーにジミー・クラーク、ギタリストにジェイ・ヘニングが加わり翌年1994年に唯一となったアルバム「DEMOLITION 23.」をリリース。このアルバムはリマスターされ昨年秋に再発売になってます。
私がフィンランドに移住したのが1991年。当時はネットなどなくおまけにフィンランド語もわからない。というわけで90年代の音楽シーンはぽっかり穴があいたみたいに知らないことが多く、実はこのバンドのことも後になって知ったのですが、アルバム発売後のツアーではジェイ・ヘニングにかわり、マイケルとサミと一緒にHanoi Rocksのメンバーでもあったナスティ・スーサイドが参加、その後正式メンバーになったものの1995年ナスティが脱退しバンドは解散となったようですね。
27年後の昨年9月23日ヘルシンキのアイスホールで行われたマイケル・モンローの60歳記念コンサートのサポートアクトとしてこのDemolition 23.がドラマーにマイケル・モンローバンドのカール・ロックフィストを迎え再結成され出演したのは記憶に新しいところですが、2022年と同じメンバー、マイケル、サミ、ナスティ、カールの4人でこの秋Demolition 23.のフィンランド国内ツアーが発表になり、この機会を逃すとこのバンドはもうみれるかどうかわからない。でなんと自分でもびっくりでしたが(笑)タンペレ、トゥルク、ラハティ、ヘルシンキ(追加公演)、ユヴァスキュラ、ヘルシンキ、コトゥカと全7公演観に行ってきました!
ライブはカール、サミ、ナスティがステージに現れスタンバイ!そこへサングラスをかけたマイケルが登場してアルバムのオープニングトラックでもある「Nothin's Alright」でスタート!最初っからぶっ飛ばすぶっ飛ばす「!サングラスを外して曲は「Endangered Species」、「The Scum Lives On」へ続きます。アルバムにも収録されているDead Boysのカバー「Ain't Nothin' to Do」や他にも「What Love Is」、そして「Ain't It Fun」はブルースハーブが加わってマイケルらしさがあらわれていたように感じました。
アルバムでもカヴァーしているジョニー・サンダースの 「I Wanna Be Loved」では、”I wanna be loved”とマイケルが歌って観客にマイクを向けると”loved by you”と観客が答え、マイケルと観客の掛け合いに。
「Hammersmith Palais」は自分のバンドのライブでもいつも演奏していて、とても盛り上がります。もちろんHanoi Rocksも忘れてません。「Tooting Bec Wreck」ではノーズフルートも入り、「Problem Child」「In the Year 79」「I Feel Alright」など盛りがらないわけないですよね。サミもナスティも笑顔でとっても楽しそう。ライブ後サミにそのことを伝えたら、楽しくなかったらやってないよと笑いながら答えてくれましたが、もちろんそうですね。ナスティは以前癌治療を受けているニュースが伝わってきていましたが、今回のツアーはそんなことがあったとは思えないほど元気で、ドラム台に上がって飛び降りたり、おかしな歩き方したり昔の仲間と楽しくやってるってのがとってもよく伝わってきたし、ドラムのカールも時々見せる笑顔で楽しくやってるのがわかりました。マイケルはとにかく最初っからぶっ飛ばして、息つく暇もなく飛び跳ねたり、ステージ前のフェンスに上がって歌ったり、登れる柱があれば登ったり、マイクのコードをぐるぐる腕や首に巻き付けたり、マイクスタンドを振り回したり、あのエネルギーはいったいどこから出て来るんだろうってぐらいエネルギッシュなパフォーマンスでした。
アンコール1曲目はマイケルがステージに一人で戻ってきて、昔ロンドン在住時に一緒に住んでいた今は亡き友人だったスティーヴ・ベイターズに思いを寄せた曲「Deadtime Stories」をアコギを弾きながら歌い、後半は観客のスマホのライトが揺れる感動の1曲。他の皆が寝静まったデッドタイムにスティーヴとクレイジーな話をしたりしてまさにデッドタイム・ストーリーズだったとのこと。そのあとは他のメンバーもステージに戻り、アップテンポでThe Damned のカヴァーで「Love Song」「Machine Gun Etiquette」、最後は「I Got a Right」でドラムから飛び降りて終了!メンバーがステージを去った後流れた「Hammersmith Palais」がライブの余韻を漂わせていました。
初日のタンペレ公演では「3rd Generation Nation」があったのと、最終公演のKotkaではアンコールでマイケルが登場した時ドラムをプレイしたりがありましたが、その他のセットリストは同じだったように思います。かなりパンク色が強く一気に突き進んでいくエネルギー爆発のライブでとっても楽しめて、この機会に全公演行ってよかった!できればまたいつかやってほしいです!
今回のツアー、ユヴァスキュラ公演ではRimbacher、コトゥカ公演ではRock‐Criminalsがサポートで出演した以外はDemolition 23.のみの出演でした。
ラハティ公演では早くいって待っていたら、車でやってきたマイケルが窓から頭を乗り出して手を振ってくれ、茶色の紙袋を持って降りてきたと思ったら、その紙袋にはドーナツが入っていて、どうぞと会場で早くから待ってたファンに差し入れをしてくれました。フィンランドでは国が誇るロックスター的な存在なのに、時間さえあればサインや2ショットに気軽に応じている姿もよく見かけるし、サインする物持ってない人には持ち歩いてるサイン入りポストカードをプレゼントしたり、そういうファンに優しい姿勢素晴らしいなといつも思います。
ファンの皆さんはご存じかと思いますが、マイケル・モンローバンドで来年2月に待望の来日公演決定しました!マイケルから日本のファンの皆さんにメッセージ動画です。
「ハロージャパン!ハイ!
2024年2月初めに俺たちライブしに日本に行くよ!
東京で2夜、名古屋で一夜と大阪。
行くのが待ちきれない。
”I Live Too Fast to Die Young!” ツアーでロックするぜ!
観に来いよ。見逃すんじゃないよ。
素晴らしいものになるはずだ。サンキュー!
そこでもうすぐ会おう!わかったかい?
愛してます。ありがとう!バイ!」
<MICHAEL MONROE Japan Tour 2024 日程>
2024年2月6日(火)東京 Spotify O-EAST
2024年2月7日(水)東京 Spotify O-EAST
2024年2月8日(木)愛知 名古屋クラブクアトロ
2024年2月9日(金)大阪 梅田クラブクアトロ
来日公演行ける方はお見逃しなく!
9月終わりにフィンランドでマイケル・モンローのドキュメンタリー映画が公開になりました。
トレーラー映像はこちらです。Def Leppardoのジョー・エリオット、 Guns N’Rosesのスラッシュ、アリス・クーパー、リトル・スティーヴン、Hanoi Rocksの仲間であるサミ・ヤッファ、アンディ・マッコイなどからもコメントがはいっていて、アンディからのコメントはちょっと目頭が熱くなりました。
この映画ぜひ日本でも公開になって日本のロックファンに観てほしいなと思います。
文&写真:Hiromi Usenius
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