エレカシ×スピッツ×ミスチル、“夢の競演”で豪華セッションも実現「最高に幸せです！」

エレファントカシマシのスペシャルライブ＜エレファントカシマシ 30th ANNIVERSARY TOUR “THE FIGHTING MAN” SPECIAL ド・ド・ドーンと集結!!～夢の競演～＞が、3月18日に埼玉・さいたまスーパーアリーナにて開催された。

◆＜ド・ド・ドーンと集結!!～夢の競演～＞ 画像

同ライブは、前日にデビュー30周年のアニバーサリーイヤーを締めくくるワンマンライブを終えたばかりのエレファントカシマシが、スピッツとMr.Childrenの2組を招いて敢行したものだ。スピッツは昨年で結成30周年、Mr.Childrenはデビュー25周年と、共に変わらぬメンバーで第一線を走り続けてきた3バンドが初めて顔を揃え、カバーあり、セッションありのステージを繰り広げる豪華な一夜となった。


トップバッターのスピッツは、「春の歌」からライブをスタート。「恋する凡人」「8823」と疾走感溢れるロックナンバーから「初恋クレイジー」へと続き、MCでは草野マサムネが「エレファントカシマシのイベントに呼んでもらえて、とても光栄です。28年くらいずっとファンで、昔は正座をして聴いていたんですけど、最近は立って聴いてます」とユーモアまじりにエレファントカシマシへの思いを語る。

この日のセットリストは「チェリー」「愛のことば」「スターゲイザー」など代表曲を惜しみなく盛り込んだ構成で、中盤にはエレファントカシマシの初期の楽曲「浮雲男」のカバーも披露。原曲の持つ無頼な風情を、柔らかな歌声とシュアな演奏に乗せて届けた。

自ら数々のライブイベントを主催し、下の世代のバンドやアーティストとも広い交流を持つスピッツだが、こうしたイベントにトップバッターで出演するのも久しぶりだという。草野からは「ミスチルとエレカシという同世代のバンド3つと一緒で、アマチュアの頃、都内のライブハウスでやっていた頃を思い出します」と今回のイベントに対する感慨が語られ、4人は終盤の「みなと」や「涙がキラリ☆」「さわって・変わって」「スパイダー」、そしてラストの「トンガリ’95」までをパワフルなパフォーマンスで駆け抜けた。


そして、二番手にはMr.Childrenが登場。「Everything (It’s you)」からスタートし、湧き上がるオーディエンスへ向けて桜井和寿が「エレファントカシマシさん、30周年おめでとうございます！　最高のアニバーサリーパーティーにしようと思います。ドドーンと行くよ！」と叫ぶと、「HANABI」や「innocent world」をたたみかけていく。

デビュー前の高校生時代、エレファントカシマシと同じオーディションに応募して最終選考まで進んだことがあったという桜井は、当時観たライブの衝撃を「熱くて、激しくて、格好いいなって思って。しばらくエレファントカシマシの音楽ばかり聴いてました」と振り返り、「せっかくの機会なんで、あまたある名曲の中から1曲」と、アルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI II』に収録された「太陽ギラギラ」をサイケデリックな迫力のアレンジでカバー。

後半では「and I love you」や「here comes my love」「himawari」などスケールの大きな楽曲を届け、「今年に入ってからのモチベーションはほぼこの日だった」という桜井がアコースティック・ギターを抱えてエレファントカシマシの「やさしさ」をワンフレーズ歌うと、最後はそのまま「名もなき詩」へ。「エレカシ最高！」の言葉を残してステージを後にした。

そしてラストを飾るのはエレファントカシマシだ。大歓声に迎えられて登場し、宮本浩次が「よろしくお願いします」と一言告げると、ライブは「RAINBOW」からスタート。歌い上げた宮本は大きく腕を広げて仁王立ちになり、そのまま「奴隷天国」へ。続いて「悲しみの果て」「星の砂」「風に吹かれて」「笑顔の未来へ」など、長いキャリアから万遍なく選ばれた楽曲の数々をエネルギッシュに響かせていく。

「感激しちゃったんですよ。本当に素晴らしい、男気のある最高の演奏で。たまには喜んだっていいじゃないですか」と、今回迎えた2バンドのステージを振り返った宮本は、過去に彼らとフェスやイベントで共演した際のエピソードに触れながら、「ライバルだと勝手に思ってた」という両バンドへの思いや、三者の共演が実現したこの日の感慨を熱っぽく語った。

後半には「桜の花、舞い上がる道を」や「風と共に」など力強く情熱的なナンバーが続き、「ガストロンジャー」では宮本がジャケットを肩にかけステージ狭しと走り回り叫ぶ。そしてクライマックスとなったのは、「今宵の月のように」から続けて披露された最新曲「Easy Go」。全身の力を振り絞るように歌い上げられるダイナミックなロックナンバーだ。宮本が「最高に幸せです！」と叫びをあげ、ラストナンバー「FLYER」を届けてバンドはステージを降りた。

アンコールでは、鳴り止まない拍手に応えてスピッツ、Mr.Children、エレファントカシマシのメンバー全員が舞台上に集結。宮本浩次、桜井和寿、草野マサムネの3人がこの日のライブを振り返り、お互いを称え合うと、「ファイティングマン」のパフォーマンスへ。エレファントカシマシとスピッツの両バンドメンバーが演奏し、宮本、桜井、草野がマイクリレーで、ときにユニゾンで歌うというスペシャルなステージで、一夜限りの夢の競演を締めくくった。

撮影◎大森克己（スピッツ、エレファントカシマシ）、薮田修身（Mr.Children）