【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.98「The Cureからオファー!〜MONOを日本から追っかける!(12)」
驚きのニュースが飛び込んできた! MONOが、ロバート・スミスからのオファーを受けて、以下に列挙する名だたるアーティストとともにロンドンで開催される<Meltdown festival>に出演することがアナウンスされたのだ。正直なところ、MONOについては昨年末のドラム脱退によせてこの先を案じていたのだが、このニュースのあまりの事のデカさに、彼らのような屈強なバンドをほんの少しでも案じた自分が馬鹿らしくて笑い飛ばしたほどだ。
<Meltdown festival出演者> Deftones, The Libertines, Manic Street Preachers, Mogwai, My Bloody Valentine, Nine Inch Nails, Placebo, The Psychedelic Furs, The Church, 65daysofstatic, Alcest, The Anchoress, Kristin Hersh, Kathryn Joseph, MONO, The Notwist
<Meltdown festival>とは、6月15日から24日まで、イギリス・ロンドンを流れるテムズ川の畔に位置するサウスバンク・センター(Royal Festival Hall、最近リニューアルされた Queen Elizabeth HallとPurcell Roomの3施設)で開催される音楽フェスティバルで、そのキュレーターを勤めるのがロバート・スミス。言うまでもないことではあるが、1978年に結成されたイングランド・クローリー出身のロックバンド、The Cureの創始者だ。今回で25回目を迎えるにあたり、ロバート・スミスの“お気に入り”バンドが世界中から集められているようだ。今後も多数の出演者や日程が発表されるが、その第一弾の発表にMONOの名があるのだ。これは、快挙という一言で片付けてはいけない途轍もないことだ。
この吉報を受けて、筆者は鳥肌以上の何かが逆立ったような興奮を覚えたままこの数日をなんとかやり過ごしているが、「しばらくイギリスにも行けていないし、サウスバンク・センター周辺はイギリスで暮らしていた頃に毎日のように歩いていた思い出深くて好きな場所。それにイギリスの血が流れている息子にも、そろそろもうひとつの本国を見せてやらなくちゃ…」などと、仕事の隙間を見つけてはこのライブを観るための更なる理由と算段を頭の中でつけ始めている。行けると良いのだが。
というわけで、いつ、どのステージに出演するのかについてどうしても知りたいとバンドにコンタクトしたところ、MONOの出演は、6月22日(金)Queen Elizabeth Hallであると明かしてもらえた。この情報とともに、以下のコメントを寄せられたので全文ご紹介しよう。
「ロバート・スミスから直接僕たちのヨーロッパのブッキングエージェントに連絡がありました。昔からThe Cureのファンだったのでとても驚きました。自分が若い頃影響を受けたアーティストが、自分のバンドを聴いてくれているという事実だけでも嬉しい事なのに、こういった招待を受けて本当に光栄に感じてます。」──MONO
これだけではない。MONO、envy、downyを筆頭とするミュージシャンによる音楽フェスティバル<After Hours>が上海、台北で開催されるのだが、上海は3時間で先行販売分が完売、台北に至っては、先行販売をせずに日本と同時刻に販売したところ、なんと3分で完売したという。
しかし、MONOは一匹狼だ。孤独なインディペンデント・バンドだ。大手のレーベルに所属しているわけではないので、そんな快挙を成し遂げてもなかなかニュースに上ってこないのが今の日本の音楽情報を担う媒体や文化の実情としてある。だからこそ、その雄志と、日本にも世界に現在進行形で通用している偉大なバンドがいるという事実を、彼らの母国・日本の音楽ジャーナリストの端くれとして、これからも日本の音楽ファンにリアルタイムで届けていくつもりだ。
文=早乙女‘dorami’ゆうこ
◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】
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