新生sads、氣志團<SEKIGAHARA>にて始動
しばらく沈黙を続けていた、清春率いるsads。新メンバー加入という漠然とした情報のみが公表され、ファンをやきもきさせてきたが、4月15日、ついに新たなベーシストの素性が公表されるとともに、今後の活動予定の一部が明らかになった。
◆sads 画像
この日、彼らは幕張メッセ国際展示場での<ザ グレートロックンロール関ヶ原2017「氣志團万博 vs VAMPARK FEST」>に出演。午後5時45分を少しばかり過ぎた頃、場内が暗転するとスクリーンに出演者紹介のイメージ映像が流れ、その最後にsadsの最新グループ写真が映し出される。その左端には見慣れぬ姿のベーシスト。一瞬の出来事に場内がざわめく。
そして次の瞬間、ステージ中央に仁王立ちした清春は「突っ込め突っ込め突っ込め突っ込め!」と客席を扇動。狂宴の幕開けは‟CRACKER’S BABY”。その場の空気が一気に過熱する。そして2曲目の“WASTED”を演奏し終えると、彼は言葉で火に油を注いでみせる。
「はじめまして、sadsです。ロックンロールって、知ってますか?」
こんな言葉を着こなせるロックスターは、世界広しといえども清春しかいない。
そして彼は、そのまま新ベーシストをオーディエンスに紹介した。彼の口から発された名前は、YUTARO。K-A-Z(g)、GO(ds)という超獣コンビにひけをとらない、このクールに熱く、ジャンプする姿が異様にカッコいいベーシストの正体は、彼だった。
近年ではシシドカフカとの活動でも知られている彼の名前については、undervárの中心人物としても認知されているはずだが、この場ではやはり、元ゼリ→のYUTARO(当時はユータローというカタカナ表記だった)と紹介するべきだろう。
1995年に名古屋で結成された同バンドが1999年にデビューした際、プロデュースを務めていたのは、他ならぬ清春だった。ゼリ→には黒夢、sadsとの共演歴が遠い過去に一回ずつあるものの、清春とYUTAROが同じバンドのメンバーとしてステージに立ったのは史上初のこと。いわば、20世紀末の出会いが2017年の春に新たな次元へと突入したわけである。
新生sadsのステージは、フェスであるがゆえに全7曲、約35分間ほどというごくコンパクトなものではあったが、オーディエンスはステージ上から放出される極上の熱に酔いしれたことだろう。ライヴ終盤には、フロアに巨大なサークルピットまで出現。その場はまさに狂乱のカオスと化した。この日を通じてのベスト・パフォーマンスのひとつだったことは間違いない。まさに新生sadsは最高のスタートを切ったと言っていいだろう。
ライヴ中、清春は、K-A-Z、GOを擁するラインナップになったsadsが来年で7周年を迎えることを告げ、「来年はちょっと多めにsadsをやる」と宣言。この朗報に客席は湧いた。また、このバンドは毎年7月にライヴを重点的に行なうことが恒例化しているが、今年も当然ながら、梅雨が過ぎた頃には彼らが熱風を届けてくれる。ツアー・タイトルは『try out a new blade』。今回発表されたのは、名古屋、東京、大阪での3公演の開催のみだ。その先にどんな活動プランが用意されているのかは、現在のところまだまったくわかっていない。が、やる時には徹底的にやるのがsads。願わくば、ファンが何よりも飢餓感を募らせているはずの、ニュー・アルバム制作の朗報が届くことを期待したいものである。
取材・文◎増田勇一
■<try out a new blade>
7月21日(金)恵比寿LIQUIDROOM
7月23日(日)梅田CLUB QUATTRO
◆sads オフィシャルサイト
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