【イベントレポート】南菜生(PassCode)「元々は、売れたい~とかそれほどなかった」

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3月26日、ロングインタビュー本『IDOL AND READ 006』発売記念トークイベントが、南菜生(PassCode)を迎えてヴィレッジヴァンガード+PLUSで行われた。当日は本誌のインタビューも担当したライターの阿刀“DA”大志を進行役として迎え、『IDOL AND READ』吉田編集長の司会でスタートした。

──今日は45分くらいのトークで進めたいと思いますが。

南菜生:そんなに話持ちますかね、メチャ心配なんですけど。

──大丈夫です、阿刀さんがうまくやってくれます(笑)。

南菜生:頼みます(笑)。

阿刀:(笑)今日は皆さんこの『IDOL AND READ 006』は入手されて熟読されているという前提で進めたいと思います。まず、インタビューはどうでした、やってみて?

南菜生:書いていただいたように、波瀾万丈ではない普通の平凡な人生を送ってきたので、話をいただいたときに大丈夫かな…と思ったんですけど、おかげさまで読み応えのある記事になってすごいよかったなって思います。(場内静まりかえって話を聞いているので)みんなメッチャまじめに聞いてる…反応して!(笑)

阿刀:普段は違うんですか?

南菜生:普段はヤバいんですよ、こんなに静かに話は聞いてくれへんし…だから今日メチャ恥ずかしい(笑)みんな笑って~。

阿刀:ライヴハウスでのみんなとのトークとは違うんですか?

南菜生:トークイベントに出させてもらうことが少なくて、何回かやったときは他のアイドルさんとかもいて、一人でっていうのは初めてなんですよ。だから緊張してるんですけど…みんながいるからイケルかと思ったんですけど、みんな結構静かやね…。

阿刀:ステージでパフォーマンスしてるときとは違いますか?

南菜生:メチャ恥ずかしいです、見んといてって感じ(笑)。

阿刀:話は戻るんですが、今回この取材のオファーをしたのは編集長の吉田さんなんですが。


──去年の3月頃コールター・オブ・ザ・ディーパーズのNARASAKIさん(ももいろクローバーの「ピンキージョーンズ」やBABYMETALの「ヘドバンギャー」他の作・編曲を担当)から、“すごいカッコいいアイドルがいる”って話を聞いたのがPassCodeだったんです。それでCDを買って、個人的に追いかけていたんですけど、「Never Sleep Again」でキタッー!って思って、さらに1月2日の赤坂BLITZのライヴで最後に投げられたサイリウムを拾って、キッて睨んでから頭を下げたのがカッコいいと思って決めたんです。

南菜生:なんかくやしかったんですよ、赤坂BLITZってPassCodeの中で今までで一番大きい会場でみんな楽しみにして来てくれたのに。

阿刀:それがあったからこそ、今回の取材オファーにつながったわけで。

南菜生:よかったんですよね(笑)。「Never Sleep Again」は最初曲を聞いたときすっごいカッコいい、これは代表曲になるなと思って。

──あれで一線を越えた感じがしましたよね。

阿刀:インタビューを受けて、本になったのを読んでいかがでした?

南菜生:(場内に向かって)みんなどうやった? 私の性格って好き嫌いが分かれると思うんですよ。

阿刀:言うほどクセのある感じはしないんですけど。

南菜生:ちょいちょい面倒くさいんやろなぁとは思うんです。

──さっき記事のキャッチやタイトルの件で、楽屋でdisられました(笑)。

南菜生:他のアイドルさんは「今までの人生について~」みたいな可愛いのが多いのに私のは「もっともっと売れたい」って(笑)。

阿刀:野心がすごいですよね。それを敢えてはっきりと言葉にするところに闘志を感じました。

南菜生:元々は、売れたい~とかそれほどなかったんです。最初はPassCodeのハッカー(ファン)を増やして楽しくできたらいいなぁってのがあったんですけど、ワンマンが始まってからPassCodeは売れたいし、というか売れる自信があるし、売れると思ってやらんとダメやなと思ってる。ライヴにはみんなお金払って来てくれてるわけで、それ以上のものを返したいと思うし、自信持ってやらなあかんと思ってます。

阿刀:インタビューの最初の頃はのらりくらりと本気か冗談かわからなかったんですけど、今の活動の話になってくるとトークに熱が入ってマジモードになってきて。

南菜生:出ちゃったんですね、マジな部分が(笑)。

阿刀:そのマジな部分が出た結果「もっともっと売れたい」になったんですよ。

南菜生:ほんじゃぁよかったですね。他のアイドルさん目当てに買った人も、なんやこれ、もっと売れたいんか…って読んでくれたかもしれへんし。

──そこで目を惹いて…、ありがとうございます(笑)。

阿刀:当日、吉田さんは現場立ち会いされてなかったんですけど、読んでみてどうでした。

──いや、見た目が可愛いじゃないですか。


南菜生:(場内に向かって)可愛いって、どう思う? 普段言われへんやんか(笑)。

(場内から「可愛い」「可愛い!」の声)

南菜生:いいよ、アイドルのトークイベントって感じがしてきたよ(笑)。

──だから優しいイメージだったんですけど、すごい根性が座ってんなと。あと、元々はバンド少女だったんだなと。

南菜生:元々はコピー・バンドやってたんですよ。だから最初に「アスタリスク」ができたときに、そっちの方がしっくり来て、自分には合ってるかなとその時点で確信してたんで。

──純粋なアイドルらしいアイドルじゃないのが面白かった。

阿刀:バンド経験してたら純粋なアイドルにはなかなかなれないですよね。

南菜生:それ語弊ありません?(笑)

──純粋なアイドルになりたい?

南菜生:いや、純粋でしょ。どうみても。

──いやいやいや(笑)。

南菜生:ものすごく純粋ですよ、あたし。

(場内から「純粋!」の声)

阿刀:なんか今日は、菜生さんに言わされてる感が強い(笑)。

南菜生:今日もHi-STANDARDのTシャツを着てる人とかいてて、バンドが好きでPassCodeを好きになってくれた人も結構おるんで、それは嬉しいんですよ。

阿刀:そういうマインドをもってるから、それに共鳴したお客さんが集まってくれて。

南菜生:(場内に向かって)共鳴したん? 共鳴した?(笑)バンド好きな人ってアイドルに抵抗あったりすると思うんですけど。こういう特徴やからこそ、そういう人にも好きになってもらいたい。アイドルが元々好きでPassCodeを好きになってくれる人って、どういう所を見て好きになってくれてるのやろ…って思うんです。

阿刀:どうなんですかね。じゃぁ(場内に向かって)純粋なアイドル・ファンなんだけど、PassCodeが好きって人います?

(場内あちこちから手が挙がる)

南菜生:少ないやん。

阿刀:いやぁ、むしろ一人も手が挙がらないかと思ったんだけど。

──でも少ないかもしれないね。

南菜生:バンドが好きでって人が多い。

阿刀:今っぽいですね。

南菜生:あ、阿刀さんにひとつ謝りたいんですよ。インタビューしてもらったときに友だちみたいな感じで話しちゃって、すごい申し訳ないことしたなぁって。

阿刀:いやいやいや。あのインタビューで一番印象に残っているのが、「モテたでしょ」っていう問いに。

南菜生:メッチャ反応が早かったでしょ(笑)。

阿刀:食い気味に「モテそうでしょ」って。


南菜生:そうなんですよ、よく言われるんですよ。「モテるやろ」とか「チャラそう」とか顔だけで判断されて。内面すごいピュアやのに。(場内ざわつく)なんでみんなそんな微妙そうな顔してるの? ピュア感溢れてるでしょ。高校入ってリア充するぞー!って思ってたのに、PassCodeに入ったのが高2やったのでそれからなんもでけへんですごい悲しいです。ちゃんと青春しなかったせいでアニメとかに幻想を抱いちゃう。

阿刀:なんかわかりますよ。アイドルの子がモテなかったって言っても1ミリも信じられない。

南菜生:あたしも信じないですよ。でもまぁ性格に難があるのはみんな知ってるんで、なんとなく理由はわかってると思うんですよ。だからインタビューの質問も食い気味に否定した、心からの否定やったんです。でもみんな1ミリも信じてない、アイドルやから。

阿刀:本はご家族の方とか友だちは読んでくださいました?

南菜生:友だちには言ってないんで知らんと思うんです。家族には読んで欲しくなかったので自分の部屋に置いてたら見つけたみたいで、「なんで、叩いて鼻血出たこと喋ったん?」って(笑)。すごい申し訳ないことしたなぁって思って。「あれはそうやない」って言われても菜生の記憶の中ではそうなってんねんって。

阿刀:亀裂が入りました?

南菜生:亀裂入りましたね。IDOL AND READのおかげで家族の絆が(笑)。

──すみません(笑)。

阿刀:メンバーとかどうですか?

南菜生:本がまだ届いてなくて気になってたんで、ライヴの前に買って持って行ったら高嶋楓先生に楽屋で読み上げられて。それもすごいイキリながらカッコつけて文を読むんです(笑)。すっごいイヤで、メッチャ恥ずかしかった。ひなちゃん(大上陽奈子)とゆな(今田夢菜)は読んでないんじゃないかな。ゆなは漢字読まれへんから多分無理(笑)。ひなちゃんは興味ないと思います。

阿刀:その後、Zeppダイバーシティ計画は進んでますか?

南菜生:なんも進んでないんです。あ、でもちょっと照明のこととか制作の偉い人と話させてもらいました。前まではライヴハウスの方に任せっきりのことが多かったんですけど、今回は「こうしたい」とか言ってくれたら考えてみるから…みたいな感じで。「菜生、飛びたいです」って言うたら、「それはまだ早いかな」って。ま、言ったのはいいけど高所恐怖症なので飛ぶのはちょっと遠慮したいな(笑)。アルバムが5月に発売になるので、それをだんだん披露しててセットリストの幅が広がったと思うんです。1月2日までのライヴとは違ったものになるのは想像できてます。曲は2ヶ月くらい前からあったんですけど、歌詞が遅れてて最近やっと送られてきたんです。仮歌を入れたひなちゃんは3日くらいで覚えなあかんのですごい可哀想やった。菜生はまだ余裕あるから楽勝やなって思ってるんですけど。

阿刀:でも2ヶ月前に出来上がってなくて、5月に発売できるんですか?

南菜生:みんな心配してるんですけど、毎回毎回早めに言って遅くなって。

──告知ではずっと発売は「Spring」とか書いてありましたよね。

南菜生:発売は5月の後半、初夏です。みんな楽しみにしてて。立派なジャケットも。

阿刀:それではここでお客さんからの質問コーナーに。

南菜生:質問を求めるじゃないですか、誰も手を挙げないんですよ。でも今日はこんだけ真剣に話を聞いてくれてるから質問ある人も多分いるんですよ…。

阿刀:じゃあ質問のある人。(まず一人手が挙がる)

南菜生:みんなには勇気を振り絞って欲しい、もうちょっと(笑)。

お客さんA:個人としてやってみたい活動があれば聞かせてもらえますか?

南菜生:最初っから、メッチャいい質問。最近はヴィレッジヴァンガードさんの「泣きぼくろ女子」で、大好きなイラストレーターのかとうれいさんとのコラボで、絵と写真のモデルをさせていただいてます。あとはトークショーはこんな感じなんですけどたまにしたくて。あとはテレビ出たいなぁ。

──女優とかできそうな感じですけど。

南菜生:えぇ~~、女優はちょっと禁句やで~~。(場内爆笑)ドラマとかねぇ(笑)。活動に影響がないくらいで出れたら。とりあえず、しゃべくりの番組バラエティには出たい。で、お、面白いやんって思ってもらって、PassCodeを調べてもらってええやんって思ってもらいたい。でも一人じゃインパクトをつけるのは無理なので、あきらめます。

お客さんB:正直PassCodeのことを深く知らないので、どういうグループなのかを教えてください。

南菜生:いい質問! PassCodeはね、バンドサウンドをベースとした楽曲にシャウトとかを織り交ぜた曲をしてるアイドルです。ライヴ熱い系アイドルなんですよあたしたち。だからライヴに遊びに来てください。

お客さんC:ミスiD実行委員長特別賞を獲って変わったことはありますか?

南菜生:twitterが結構好きなんでフォロワーが増えて嬉しいってくらいですね。あと女の子のファン、ハッカーが増えてきました。

お客さんD:PassCodeのライヴは激しいので女の子はライヴに行きにくいことも多少あると思うんです。女の子にどういう感じで見てもらいたいですか?

南菜生:元々バンドが好きな女の子とかはモッシュを登ったりしてるんですけど、逆に元々アイドルさんが好きな子はライヴが怖いっていうのもあると思うんです。あたし的には危なくない盛り上がり方をして欲しいです。モッシュもダイブもいいと思うですけど、他の人に迷惑かける盛り上がり方はダメだと思ってて。そやから会場を選んで、横幅の広い会場の両サイドで見てもらうとか、狭い会場ではハッカーが守ってあげてください。

阿刀:いいこと言いますね。

南菜生:そうしたらみんな見に来れるから。

阿刀:今日はマジメな質問が多かったですね。

南菜生:マジメに答えてしまいました。

阿刀:この間も思ったんですけど、根はマジメなのにそれは照れくさいから、わざとふざけてるんじゃないかと。

南菜生:マジメじゃないですよ。マジメになるのはすごいイヤなんですよ、なんか恥ずかしい。だからマジメに考えたら「ご意見番」って言われて、メンタルぼろぼろ。

阿刀:メンタル弱いんですか?

南菜生:(場内に)弱い? 弱くないみたいです(笑)。あんまり自分の性格がわからなくて。普段のテンションがそんなに高くなくて、上がったときと普通のときの差がすごいあって、どっちも自分なんですよ。

阿刀:ライヴの話ですけど、PassCodeの対バンはアイドルがいいのかバンドがいいのか。

南菜生:それ、今結構シビア問題です。アイドルを見て来た人とバンドを見て来た人の感性って違うみたいで。PassCodeは自分たちのパフォーマンスをちゃんと見てもらえるように頑張らないといけない。

阿刀:じゃあバンドとの対バンが増えたらもっと楽しそうと思う方手を挙げてみてください。(ちらほらと手が挙がる)

南菜生:微妙…。結構多いですか。

阿刀:シビア問題が伝わってきましたね。

南菜生:楽屋とかではあんまりバンドさんと喋らないです。

阿刀:バンドにしてもアイドルにどう話しかけたらいいかわからない。

南菜生:といって放っておいたらなんか偉そうに感じるし。シビアな感じがして。ま、だからライヴに来たら気にせず全部楽しんで帰って欲しいなぁと菜生は思います。

阿刀:ではそろそろ時間なので、このあとアルバムが出て、それを受けてZeppダイバーシティのライヴがあって。

南菜生:ここに来てくれる人はみんな来てくれると思ってます(笑)。今日はありがとうございました。

──今日はありがとうございました。


『IDOL AND READ 006』
A5判/240頁/本体価格1,200円+税/3月18日発売
ISBN:978-4-401-77142-4
注目のアイドルの生い立ちと赤裸々な思いに迫ったパーソナルロングインタビュー本『IDOL AND READ』の第6弾。表紙・巻頭はでんぱ組.incの最上もが。裏表紙は今アイドル界一の注目グループ、BiSHのアイナ・ジ・エンド。さらに、SUPER☆GiRLSのあみたこと前島亜美、ツインテール協会でもおなじみのdropの大場はるか、バンドじゃないもん!の望月みゆ、大阪発のピコリーモ系ラウドアイドルPassCodeの南 菜生まで総勢12人がパーソナルで登場し、生い立ちインタビューと完全撮り下ろしグラビアで激しく迫る。
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