【ライブレポート】KREVAが三浦大知、AKLO、さかいゆうらと共演。<908 FESTIVAL>今年のテーマは“つながり”
先月、自身初の47都道府県ツアー <UNDER THE MOON>全53公演の行程を終えたばかりのKREVAが、今年も9月8日を“クレバの日”として祝う音楽の祭典<908 FESTIVAL>を開催。ここでは9月7日、8日に日本武道館で開催された東京公演の模様から、先日アップした9月7日<908 FESTIVAL 前夜祭 — KREVA&KICK THE CAN CREW>のレポートに続いて、9月8日<クレバの日>に行なわれたライブの詳細レポートをお届けしよう。
◆<908 FESTIVAL クレバの日> 画像
2015年の<908 FESTVAL>のテーマは“つながり”。前日7日の<前夜祭>では、KREVAというアーティストのDNAの一部でもあり、彼ともっとも濃厚なつながりがあるKICK THE CAN CREWとステージで共演。そして、今日<クレバの日>は三浦大知、ALKO、KICK THE CAN CREW、さかいゆう、SONOMIという、これまでKREVAと何度も作品やライブで共演してきたファンにはおなじみのメンバーを招き、つながりのある仲間同士だからこそできるとても贅沢かつ、ハイレベルなスペシャル・コラボステージを次々と披露。908FESならではの音楽の祭典でオーディエンスを熱狂させた。
司会者、速着替えに演者と毎年<クレバの日>は大忙しのKREVA。まずは、ど派手にポップアップで、バチッとグラサンKREVAでキメて登場したあと<クレバの日>の開幕を宣言。「今日、メジャーデビューして11年目に突入しました。気持ちは何も変わらないけど、体が明るくなった感じがします(笑)」と話した後、「Ready or not,できてなくても一番手のコイツが熱いのをぶちかましてくれるぜ」という紹介で、トップバッター・AKLOが登場。
AKLOのステージはフージーズの「Ready Or Not」の替え歌から始まる「The Arrival」からスタート。さっきのKREVAの“Ready or not”のフリはここにつながっていたのだ! EDMをがっつりフィーチャした攻めのトラックでニュースタイル感を前面に押し出した「NEW DAYS MOVE」で盛り上げ、3曲目の「RGTO」が始まると2番からKREVAが白地に赤い柄が入ったセットアップに着替えて登場。「Catch Me If You Can feat.KREVA」では2人がそれぞれ攻撃的なリリックで自分のラップスタイルをぶつけあう。カッコいい姿で観客をロックしたあとは、「クレさんもう1曲だけ~」といって子供のようにKREVAの足にすがりついておねだりAKLOに激変(笑)。「俺の代わり、用意しといたから」とKREVAと交代で飛び出してきたのは三浦大知。「YOUR LANE」を2人でパフォーマンスしてみせた。
2番手はそのまま三浦大知のステージへ。「Right Now Remix」「GO FOR IT」の流れはテッパン。ダンサー4人と緻密に振り付けされたダンスを流れるように美しく踊る大知。これだけ引力を感じさせず、キレのあるダンスを踊りながらもいっさいブレスが乱れない歌の安定感は、もはや神レベル。「Magic Remix feat.KREVA」ではKREVAが登場! 大知の洋服の柄とお揃いの衣装を着て、リゾート感満載の夏ビートにのっかって楽しく2人でシンガロング。このあとKREVAが「俺、手がガサガサ。早く戻ってニベア(※大知がCM曲担当)ぬらなきゃ!」といって姿を消すと「やさしいですよね」と大知。そして、この後は自分の「IT’S THE RIGHT TIME」のトラックにKREVAの「EGAO」のメロディをスマートに合体させたマッシュアップソングで観客を温かく包み込み、最後はポップチューン「music」で思いっきりはじけるなど、音楽の楽しさを様々な形で表現し、観客を魅了した。
次に表れたのはKICK THE CAN CREW。ステージに向かって左にKREVA、真ん中にLITTLE、右にMCUが構え、のっけから「マルシェ」をぶちかまし、武道館をどんどん上げていく。「地球ブルース~337~」では“来年で43”とリリックを替えてラップするMCUめがけて、LITTLEとKREVAが勢いよく膝蹴り(笑)。踊って笑って、変形337拍子のハンドクラップで大盛り上がりの場内に向け、3人が片足を上げた変なポーズで曲を締めくくる。このヌケ感こそ、KICKの魅力。そしてKREVAが「やり続けてんのに反応が薄いんだよ」という恒例(前夜祭レポ参照)の挨拶を挟み、この後は今日の大人数編成ならではのグルーヴで、シックの「Good Times」のディスコビートからKICKの「GOOD TIME」へとファンキーにバンドがつないで「GOOD TIME」。そしてラストは「まだ終わっちゃいないぜ」というLITTLEの叫び声から「イツナロウバ」を大合唱した。
次のさかいゆうはトレードマークのメガネ+ピアノを弾きながら「Are you ready?」といって「サマーアゲイン」でライブをスタート。車のCMソングとしてヒットした「薔薇とローズ」がはじまると、その透明感あるソウルフルなハイトーンボイスで、たちまちオーディエンスの耳を虜にしていった。そして「次の曲のモチーフはKREVAの顔なんです」という曲紹介から、突然KREVAのモノマネ(※笑顔KREVA、キメ顔KREVA両方とも声色、ポージングまでそっくりだったため、KREVAもそれに反撃して、これ以降さかいを呼び込むときは悪魔KREVAのデスボイスで呼び込んでいた・笑)や「くればいいのに」をfeat.さかいゆうver.で歌うなど、予定外のパフォーマンスを次々と繰り広げた結果、KREVAをステージに引っぱり出すことに大成功。そして「オトコFACE feat.KREVA」をライブで初共演。最後はKREVAのリクエストに応えてインディーズ時代のバラード「無言の月」をゆったりとピアノの弾き語りで歌い上げた。
トリはもちろんこの人、KREVA。オープニング同様、ステージの舞台下からポップアップで勢いよくジャンプして登場したグラサンKREVAは1曲目から「OH YEAH」で観客をリズミカルに歌わせる。今日は大人数のバンド編成でのライブ。「最後、みんなで曲を締めてみない?」というKREVAの指示で、全員で30cm(これもKREVAの指示)ジャンプして曲を終わらせたあと、KREVAは「オーイェー」といってグラサン外し。その後、この日最高のドヤ顔で(WOWOWのカメラに向かって)カメラ目線でオーラを放つ。「今日は完全に他力本願。祭りじゃない? みんなの御輿にどんどんのっかっていこうと。でも、みんなの力を借りるたびに思うんだ。ひとりじゃないよなって」。この下りがきたらSONOMIの登場だ。「いまんとこ一番一緒に作ってる人間」とKREVAがSONOMIを紹介し、SONOMIリサーチによると13曲ある2人のコラボ作品のなかから「ひとりじゃないのよ feat.SONOMI」、「たられば feat.SONOMI」の2曲をパフォーマンス。
このあと、昨日に続き悪魔KREVA(デスボで強面なキャラ)が顔をのぞかせたりしながら、曲は「基準」へ。KREVA基準のマシンガンラップと激しいレーザービームで、スケール感の違いを見せつけておいて「挑めRemix feat.MCU&LITTLE」へ。MCUとLITTLEを呼び込み、ここではバンバン燃え上がる炎の演出でもスケールの違いを体感させる。そして「成功」を畳み掛け、「生まれてきてありがとう feat.さかいゆう」はさかいに加え、なぜかポップアップで(笑)三浦大知も登場。トリプルマイクでこの曲を、さらに大知の「Your Love feat.KREVA」では歌メロパートをKREVAがオートチューンを使って歌うなど、ここでしか聞けないようなスペシャルなスタイルで楽曲をプレゼント。
「どうですか、お客さん!でも、今日来てくれた人たちよりも、俺が一番共演したいのはここにいる“あなたたち”ですから」満足げな笑顔で宣言するKREVAに大歓声が応える形で、「Na Na Na」がスタート。一番つながりたいのは、“あなたたち”なんだとストレートにいい放つKREVA。嘘のない説得力に、気持ちが熱くなり、感動がわきおこる。至近距離でそのつながりをお互い確認し合った47都道府県ツアー。だから、今回の908FESは地方から自分がKREVAに会いに来たというファンがたくさんいた。途切れないつながり。それは、今日のステージともリンクしていた。
「こうして途切れることなくどんどんアーティストが出てきては(音楽で)重なっていって。それをみんなが受け止めてくれる908FES。これこそ音楽の祭り。これからも、続けていきたいと思います。みんなは(俺らがやることを)受け止めて、そこにいてくれるだけでもいいんだ。それでも、みんなの存在や服が(音楽を)反射していくから。いまTVで聴いてる音、それはここにいるみんなで作った音なんです」
そういって最後に「音色」を歌い出したKREVA。今日共演してくれたアーティストとのつながり、そして今日各地から集まってくれた“みんな”とのつながり。それこそがKREVAの「音色」を作っているんだ。今夜の「音色」からは、そんなメッセージが伝わってきた。
この後、アンコールではAKLOが新たにラップを書き加えた「全速力REMIX」をバンドにさかいゆうの弾くピアノ、SONOMIのコーラスを従えてKREVA、三浦大知、AKLOで東京初披露。後半にはそこにLITTLE、MCUまでも加わって、最後はこの日の出演者全員で“全速力”“全速力”とリフレイン。今年の908FESの幕を下ろした。
取材・文●東條祥恵
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この公演をもってしばしの制作期間に入ることになるKREVA。<908 FESTIVAL>2日目終演後、会場ではKREVAによる音楽劇<最高はひとつじゃない>の新作公演が2016年春に開催されることが発表された。東京公演は東京音楽劇場 プレイハウスにて2016年3月24日~4月3日、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて同4月8日~10日の日程での上演となる。
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