【ライブレポート】UNLIMITS、プレミアムな選曲に浮かぶバンドの真骨頂

UNLIMITSが3月25日、ワンマンライブ＜夢幻の宴～茜-AKANE-蒼-AOI-のマーチ～＞を下北沢SHELTERにて開催した。

◆UNLIMITS 画像

UNLIMITSは2014年3月に1stフルアルバム『夢幻シンドローム』と2ndフルアルバム『トランキライザー』をコンセプトとしたライブを敢行しているが、この日のステージは4thミニアルバム『蒼 -アオイ-』と5thミニアルバム『茜 -アカネ-』という2枚の作品にスポットを当てたワンマンとなる。

「だんだん昔の歌をやれなくなってしまうから、こういう機会を設けました。十分に堪能してください」──清水(Vo/G)

この日はまさにスペシャルなセットリスト。もちろん、『蒼 -アオイ-』と『茜 -アカネ-』を中心にした選曲だが、それ以外にも最近のライブでは披露されることが少なかった曲が加えられ、その心躍る展開に序盤からフロアの熱狂が凄まじかった。

口火を切ったのは「蜃気楼」だ。いきなり大合唱が起これば、「フランジア」ではグイグイと押し寄せてくるオーディエンスのパワーをはね返そうとするメンバーの躍動ぶりが凄まじく、絶妙な化学反応で熱気が渦巻いていく。この日、ひと際大きな歓声があがったのは「白い太陽」だった。この瞬間を待ち焦がれていた人も多かったのだろう。沸点を超えっぱなしの光景が痛快極まりなく、胸をわし掴みにされてしまった。

中盤以降も勢いが衰える様子はなく、愛らしい歌とメロディーでいい重みを伴った多幸感を生み出す「ファンタジーファンタジー」やその深みがたまらない「リグレット」を繰り出し、興奮はさらに加速。怒涛の終盤へと流れこんでいく。

清水の「どんどん飛ばしていくぞ！」というMCからの「君のうた」はイントロから激しくフロアを揺らし、「8」の疾走感のまま駈け出していくかと思いきや、大切に抱えた想いをしっかり紡ぐ「メッセージ」を披露するなど、激しさだけではなく、実に多彩な感情を投影した曲を響かせる。ひとつの色で塗りつぶすことができない、UNLIMITSというバンドの真骨頂だ。

クライマックスとなった瞬間は本編ラストの「蒼」だった。ベースの石島(B)から笑みがこぼれてしまうほど、フロアから巻き起こるコールも凄まじい。そんななか、清水がマイクを握りしめてオーディエンスの上へと身を乗り出し歌い上げる。その情熱的な姿はとても美しく、下北沢SHELTERをより熱いものにした。

普段披露しない曲がセットリストの多くを占め、「その準備はたいへんだった」とメンバーは語っていたが、実にプレミア感のある華やかなステージだった。奥深く幅広い世界観を心ゆくまで堪能した90分。3月28日に大阪Pangeaで開催される「夢幻の宴～茜-AKANE-蒼-AOI-のマーチ～」でも鮮やかな夜が描かれるに違いない。

またUNLIMITSは、バンド史上初となるライブDVD『Film of The Amethyst Tour 2014』を4月22日にリリースする。これは約半年におんだ4thフルアルバム『アメジスト』のツアーファイナルの映像を中心に収録したものとなる。さらに5月23日の仙台 MACANA全11ヶ所を廻るツアー＜UNLIMITS”FEELING STONES TOUR”＞を開催する予定だ。

▲UNLIMITS ライブ画像全72点

取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎Yasumasa Handa(Showcase)

■大阪編 ワンマンライブ＜UNLIMITS pre."夢幻の宴vol.26 ～茜-AKANE-蒼-AOI-のマーチ～"＞
2015年03月28日(土)　大阪府 心斎橋 Pangea
open: 18:00 / start: 18:30
adv: 2,800yen / door: 未定
06-4708-0061http://livepangea.com
【チケット】
プレイガイド(2/14~)
・ローソンチケット L:56719
・イープラス
・店頭





◆UNLIMITS オフィシャルサイト
◆Jun Gray Records レーベルサイト