年末ロックフェス<RADIO CRAZY12/29>、熱きパフォーマンス

ポスト
▲世界の終わり
▲怒髪天
▲ねごと
▲ストレイテナー
▲モーモールルギャバン
▲PONTIACS
▲OKAMOTO'S
▲布袋寅泰
▲OGRE YOU ASSHOLE
▲ザ・クロマニヨンズ
▲毛皮のマリーズ
そのコンセプトは「日本の音楽シーンをリードするツワモノたちが大阪に集って繰り広げるロック大忘年会」。冬にもロックフェスを…との声に応え、FM802が主催する<FM802 ROCK FESTIVAL“RADIO CRAZY”>が、2010年もインテックス大阪で始まった。

◆<FM802 ROCK FESTIVAL“RADIO CRAZY”>画像

2日開催のうち、初日となる12月29日(水)には幼児を連れた若い夫婦の姿もちらほら見受けられるなど、老若男女問わず熱狂的なロックファンが早朝から大勢来場。ライブ会場となるインテックス大阪には、L-STAGE、R-STAGEと2つのステージが設けられ、新鋭、気鋭、ベテランなど計17組が登場し、いずれも熱いパフォーマンスを繰り広げた。

トップバッターとしてR-STAGEに登場したのが、世界の終わり。リズム隊の代わりにDJを置くという変則的ギターロックバンドが、痛快なポップロックでウォームアップ…というには充分すぎるほどの小気味いいパフォーマンスを見せつけ、いよいよ“RADIO CRAZY”がスタート。比較的キャリア組の名前が並ぶL-STAGEでは、「心は演歌」との名言とともに手抜き一切ナシの骨太なパワフルなロックを聴かせてくれた怒髪天。一方、ドラマチックな曲構成とともにキュートなサウンドセンスが際立ったのが、ガールズバンドのねごと。ストレイテナーは、張り詰めた緊張感とともに攻めのステージングでグイグイとオーディエンスを引っ張れば、多彩な音楽エッセンスでめくるめくロックビートを浴びせ続けたモーモールルギャバンもインパクト充分。ベンジーこと浅井健一(BLANKEY JET CITYなど)が新たに結成した驚異の新人バンドPONTIACSは、スリーピースならではの高いテンションのロックアンサンブルを聴かせ、オーディエンスを圧倒した。2009年に続き参戦したOKAMOTO'Sは、平均年齢19歳強という若さが信じられないほど堂々としたステージングで王道とも言えるビートロックを展開。

また、キング・オブ・ロック・ギタリストとして、痺れるほどのギタープレーで威風堂々のパフォーマンスを見せたのが、クールな出で立ちで熱いロックスピリットを感じさせた布袋寅泰だった。USインディーロックに根ざした、エキセントリックなギターロックを奏でたOGRE YOU ASSHOLEも印象深い。オーディエンスの手拍子や声援に迎えられて登場したザ・クロマニヨンズは、ノンストップでシンプルながらも深いメッセージ性を感じさせるエネルギッシュなパンクロックを聴かせて、ぎっしり埋まった会場を鼓舞し続けた。一転して、メンバーの強烈な個性でアングラ的な雰囲気を醸し出しつつも、キャッチーなパンク&グラム系のパワーロックを存分に披露した、毛皮のマリーズ。DOESも2009年に続き参戦。押しの強いギターロックサウンドが印象的で、唸るギターのフレーズとともにジャンプするオーディエンスの姿も多く見受けられた。

限られたステージ時間ながらも多彩な音楽センスをたっぷり披露したのは、奥田民生。ハードなアプローチで構成した最新マキシ「最強のこれから」など、密度の濃い7曲を歌った。ドラマー中村達也(LOSALIOSなど)率いる超実力派ミュージシャンによるバンドEORは、タブゾンビが奏でるトランペットのスケール感と超ハードなロックビートが見事に融合。タイトなセッションを見せつつ、後半登場したSuperflyの越智志帆(vo)、百々和宏(g)とともに、エモーショナルなステージを展開。多くの歓声を浴びていた。飄々としたMCトークのキャラクターとは一線を画し、グルーヴィーなロックサウンド、肉食系の思いを託した歌詞で熱いステージとなったのが斉藤和義。最新アルバム『ARE YOU READY?』の中からも選曲した構成で大いに会場を盛り上げた。繊細さと凛とした強さ、“気”を放つような仕草でオーディエンスの目と耳、そして心をわしづかみにしていたのがCoccoだった。押さえきれない感情をぶつけたボーカルはまさに圧巻。

そして、この日大トリで超満員のオーディエンスを前にその姿を表したのが、謎の男CRAZYMANが送り込んだCRAZYMAN CLUB BANDだ。全員マスク姿で登場。オープニング曲終了とともにはずした顔ぶれは、オクノクレイジー(key・奥野真哉/SOUL FLOWERUNION)、ソウクレイジー(g・山内総一郎/フジファブリック)、スミクレイジー(b・隅倉弘至/初恋の嵐)、クハラQレイジー(ds・クハラカズユキ/THE BIRTHDAY)…と名うてのミュージシャンたち。彼らをバックに、HiGEの須藤寿が「テキーラ!テキーラ!」でパンチのあるボーカルを聴かせれば、そのあとにはトータス松本、BONNIE PINKが登場。同じ所属事務所とは言え、ステージで競演するのは意外や意外初めてという2人が、ムード歌謡の「別れても好きな人」を熱唱。さらにそれぞれの持ち歌(「HEAVEN'S KITCHEN」「バンザイ~好きでよかった~」)では息のあったデュエットを聴かせてくれ、会場の大きな声援を浴びていた。

そのあとにも超強力なコラボが実現。続いてステージに呼ばれた斉藤和義が歌う沢田研二の「ダーリング」で、曲途中で吉井和哉が登場。2人の艶のある男の掛け合いは実に魅力的だった。そして、最後はトータス松本、BONNIE PINK、さらに毛皮のマリーのvo志磨遼平らも参加して、名曲「雨上がりの夜空に」を会場一体となっての大合唱で初日のステージが終了した。

2009年同様に、バラエティ豊かなアーティストたちのステージを見逃すものかと、会場を駆け足で行き来する姿も多く、夏フェスにも負けない熱いライブが体感できた1日だった。

ライター:金本真一
写真:井上嘉和、田浦薫

<FM802 ROCK FESTIVAL“RADIO CRAZY”>
12月29日(水)@インテックス大阪
L-STAGE:怒髪天、ストレイテナー、PONTIACS、布袋寅泰、ザ・クロマニヨンズ、奥田民生、斉藤和義、CRAZYMAN CLUB BAND
R-STAGE:世界の終わり、ねごと、モーモールルギャバン、OKAMOTO'S、OGRE YOU ASSHOLE、毛皮のマリーズ、DOES、EOR、Cocco

この記事をポスト

この記事の関連情報