タワレコがショパンを力いっぱい応援「高橋多佳子さん的ショパンのススメ」
ショパンコンクール入賞経験を持ち、その演奏技術を高く評価されているピアニスト・高橋多佳子。現代屈指のショパン弾きであることを決定づけた『ショパンの旅路』シリーズや、最新録音のライヴ盤が大きな話題となっている中、タワーレコードのショパン・スペシャル・キャンペーン応援隊長に満を持して就任、ショパンの魅力や自身の作品について語ってもらった。
◆高橋多佳子画像
──まず、5月にリリースされた『ショパンの旅路』BOXや、それに続く精力的なリリースのきっかけをお聞かせください。
高橋多佳子:5月の『ショパンの旅路』全7枚組のBOXのリリース後は、ショパンの人生を辿った『ショパンの旅路』から、今度は作品に特化したCDを、とのご要望にお応えしてリリースが決定しました。6月に「バラード&スケルツォ集」をリリース、8月には「エチュード全集Op-10,-Op-25,3つの新練習曲」などのリリースを予定しています。
◆ショパンの旅路:http://tower.jp/item/2716423/
◆バラード&スケルツォ集:http://tower.jp/item/2728189/
◆エチュード全集Op-10,-Op-25, 3つの新練習曲:http://tower.jp/item/2751423/
──高橋さんにとって特にお気に入り、または思い入れのあるショパンの曲はありますか?
高橋多佳子:私は、特に「舟歌」と「バラード4番」が大好きなのです。「舟歌」は、この7月にリリースしたばかりの「リサイタル ショパンwithフレンズ」に収録されています。これは、私自身初めてのライヴ盤ですが、やはりライヴだと、その時の一度きりの感興がそのまま音になっていて、とても臨場感がある仕上がりになっています。「ショパンの旅路VI」にも「舟歌」は収録されています。こちらは、じっくり歌い上げた感じになっているので、聴き比べも面白いかもしれませんね。
◆リサイタル ショパンwithフレンズ: http://tower.jp/item/2744979/
──高橋さんは明るいトークにも定評があり、タワレコの応援隊長就任式でも会場を沸かせていましたよね。長年にわたるポーランドのワルシャワ滞在の経験などで、演奏だけでなく高橋さんのその明るい人柄を活かせたエピソードなどあれば教えてください。
高橋多佳子:私は、自分で言うのもなんですが、確かに明るい性格でして、誰とでもすぐ仲良くなれます(笑)。20年も前にポーランドに留学していましたが、当時社会主義国で生活はとても苦しかったのです。でも、ポーランドの人達には、本当によくしてもらいました。お肉屋さんのおばさんと仲良くなってハムの入荷日をそっと教えてもらったり(笑)、地方での公演に向かう列車の中で知り合った家族が、翌日のコンサートで1番前の席にずらっと並んで聴いてくれていたこともありました!
──高橋さんにとってショパンの魅力とは?そして高橋さんにとってショパンはどんな存在でしょうか?
高橋多佳子:ショパンの楽曲はとにかく心に直接響いてくる音楽だと思っています。メロディーの美しさはもちろんですが、私は特にショパンが使う天才的な和声に強く惹かれます。その和声の変化によって一瞬で世界が変わってしまうような感じがします。きっと、私だけではなく、ピアノをやっている人全ての人にとって、なくてはならない作曲家でしょう。このような素晴らしい作品を残してくれたことにお礼を言いたいです。
──では、今後も連続でリリースされる高橋さんの作品の「ぜひここに注目してほしい!」という聴きどころがあれば教えてください。
高橋多佳子:今後、「ショパン全集」としてリリースするとしたら、知られざる作品なども録音していくことになります。そういう作品にも注目していただいて、こんな良い曲があったんだと思っていただけたら嬉しいですね。例えば、8月25日にリリースする「エチュード全集Op-10,-Op-25, 3つの新練習曲」ですが、有名な作品10、作品25以外に3つの新練習曲というのも入っていますが、これが実に素晴らしい作品なのです。ショパンの魅力が短い3曲にぎゅっと凝縮されていて、私は大好きな作品です。
──今年はショパン生誕200年、様々なところで盛り上がりを見せていますが、高橋さん的ショパンイヤーの楽しみ方を教えてください。
高橋多佳子:色々な方の演奏を聴き比べしたいですね。色々なピアニストによって引き出される様々なショパンの魅力を味わいたいです。また、ショパンイヤーの2010年は、想像していた以上にコンサートで弾く機会に恵まれています。多くの皆様とショパンの魅力を分かち合えるのを存分に楽しみたいと思っています。
確かな実力と、天真爛漫な明るさが魅力のショパン弾き。ぜひこのショパンイヤーに堪能してみてはいかがだろうか。
◆タワーレコード・ショパン・スペシャル・キャンペーン
◆高橋多佳子オフィシャルサイト
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