JET、「大きな高い山を登りきったような気分だよ」前編
▲photo by Tao Ruspoli
◆JET、「大きな高い山を登りきったような気分だよ」 ~写真編~
──日本はいかがですか?
クリス・セスター(Dr、Vo):凄く楽しんでるよ。大好きな都市が三つあるだけど、東京はそのTOP3にはいるね。東京、ニューヨーク、メルボルンが好き。もしかしたらパリも入るかもしれないけど。
──セカンド・アルバムから約2年半の歳月が経ちましたが、バンドはいつ頃から新作『シャカ・ロック』の制作に取り掛かっていたのでしょうか?
ニック・セスター(Vo、G):14ヶ月前から実際に作曲をスタートしたんだけど、しばらく離れていたんで、まずは再会して雰囲気を掴みつつ、一緒に曲作りをして、その後アメリカのテキサス州のオースティンに行って、9週間かけてレコーディングをしたんだ。これが2ヶ月前。そして新しいアルバムが完成したんだ。
──新作はどのようなアルバムにしたいと思っていましたか?
クリス:セカンドが出た後に時間があって、自分達のホームページの(コメントの書き方に)悪いところがあり、ファンの中には僕らが解散したと思った人もいたようだけど。「SHINE ON」をリリースしたあとにツアーをやり、色々経験もしたことによって自分達は息抜きの時間お互いが離れる時間が必要だった。しばらくたってからクリスとキャメロンがニューヨークで会ってそこから全てがスタートした。その時に二人は「WALK」という曲を書いたんだ。そこで今回のアルバムの方向性が見えたように感じた。このアルバムを見たとき自分達のキャリアを自分達でまたコントロールできるようになったと思える作品だね。自分達でコントロールできるというのはどういうことかと考えると、クリエイティブな面でも自分達が作れるものを作れるという意味合いもあるし、これはまたロックアルバムだし、昔のように楽しみながら作れる。そういう作品なんだ。また今回は自分達がプロデュースしたんだよ
▲photo by Beatrice Neumann |
──すごくビックなロック・アルバムでした。ご本人の手ごたえはいかがですか?
クリス:最高は気分。まるで大きな高い山を登りきったような気分だよ。今はこれを早くステージにもっていってみんなの前で演奏したいし、ステージの上でやることによって新しい部分を吹き込みたい。
──これまでのアルバムでは半分がバラードでした。今回バラードといえるものは1曲だけです。なぜでしょうか?
ニック:バラードに飽き飽きしていた。そういうのはやめる時期だった。何度も言っているようにセカンド・アルバムっていうのはすごく感情をこめてアルバムだったんで、今回アルバムを作るときに「感情」には興味は一切なかった。
クリス:今後も多くアルバムを作り続けるから、今後バラードの多いアルバムができてくるかもしれないけど、今回はひたすらロックしたいという気分なんだ。
──BEAT ON REPEATYの酔いどれ風のヴォーカルは、弟のクリスですか?
クリス:すごいね!よくわかったね。
──酔いどれ風だったのですぐわかりました。
クリス:(笑い)確かにヴォーカルを撮っていたときにはかなり酔っていたんだけど、そんなの昨日に始まったことじゃない(笑)でもお酒を飲んでいると結構ルーズになって、想いを思いっきり表現することができるんだ。メインヴォーカルの後ろに隠れて歌うというのでなく、語り変えている相手に直球で自分の言いたいっことを伝えたいそういいイメージをもちながらヴォーカルをとったんだけど、いい意味で変わった歌詞だと思う。あの歌詞には誇りをもっている、あの歌詞で歌っているのは人生っていうのはアナログでレコードのようにグルグルまわって同じことの繰り返しを永遠に続けている。人生ってそうじゃないか、誰でも同じこと繰り返し、それが嫌だから、そういう人生からどうにか、抜け出そうよという歌詞なんだ。
──今回ニックのヴォーカルがタフでエモーショナルでパワフルになったと思いますがいかがでしょうか?
ニック:そういってくれてありがとう。歌っていうのは自分を表現する素晴らしい表現方法だよね。そして僕は色んなことを見て経験してきたことによってそれを使ってそれを表現していくことができたからこそ、今まで以上の深みを与えることができたのではないのかな。
──「ウォーク」というトライバルなビートはどうやって出しているのですか?
クリス:ダフト・パンクを最近良く聞くようになって、その影響もあるんじゃないかね。実はダフト・パンクのエレクトロニックのようなものは自分は今まで興味がなくて、本物の音じゃなきゃだめだロックロールじゃなきゃだめだという考えがあったんだけど、最近はプライマル・スクリームみたいにエレクトロニックな要素とロックを癒合しているバンドもいいじゃないかと目覚め始め、今回そういうビートをいれることにしたんだ。でも自分でその音を奏でることにはとてもこだわった、だからエレクトロニックの音がはいっているんだけど、「トライバルなビート」という表現は面白いね、自分が叩いたからかもしれないし、その上にパーカッションやコンゴとかを叩いたかもしれないしだからそういう風に感じてくれたのかもしれない
◆インタビュー後編へ続く
インタビュー:鈴木宏和(2009年4月東京にて)
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