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Jermaine Dupriは世界が危機的な状況に面しているときでさえも、常に自分が為すべきことを正確にわきまえているように思える。
’01年9月11日のテロリストの攻撃による犠牲者に対する支援が必要とされたときに、Dupriは”Hip-Hop For Humanity”を立ち上げ、ベネフィット・コンサートを行なうことでこれに応えたほか、Nelly、Destiny’sChild、Britney Spears、*N SYNC、Backstreet Boys、Alicia KeysといったオールスターラインナップでMarvin Gayeの名曲「What’s Going On」をカヴァーしたチャリティCDでも9ヴァージョンのうちのひとつをプロデュースしたのだった。
このようなリーダーシップの才能を明らかに有するアトランタ生まれの28歳は、その能力を遺憾なく発揮して2ndアルバム『Instructions』を完成させ、音楽業界の生き残りゲームにおけるノウハウのほどを見事に証明して見せたのである。
「地元で仕事をするようになって10年にもなるよ」
と語るDupriは、レコード・レーベルSo So Defの他にもいくつかのエンタテインメント企業を所有/運営している。
「とりわけヒット曲やアーティストの浮き沈みが激しい最近の音楽業界では、これだけやれれば誰にとっても大きな功績と言えるんじゃないかな。”アイツはヒットレコードの作り方や業界での生き残りに関する指南書を持っているのさ”なんてよく言われるから『Instructions』というタイトルがぴったりだと思ってね」
この男は自慢話をしているわけではない。彼は単に真実を語っているだけなのだ。最終的にDupriはレコーディング・アーティスト、リミキサー、DJ、プロデューサー、ソングライター、レーベルオーナー、そして企業家としての評判を欲しいままにしたのである。
彼はまたスターメーカーでもあり、’92年には大成功を収めたローティーンのデュオKris Krossのキャリア立ち上げに貢献した。また、最近ではWarnerのLil’Johnnyなどの新人アーティストが、成功へ向けての教育を求め、Jermaineの門を叩いているのだ。
「今年は僕が”スターメーカー”だということを大衆が認めてくれたよ」
Jermaineは、So So Defからリリースされ、マルチプラチナムに輝いたLil’ Bow Wowのデビュー作『Beware Of Dog』を引き合いに出して言う。
「前にもやったことがなかったというわけじゃないのに、きっとBow Wowの大成功にみんな圧倒されてしまったんだろうね。来年はまた”年間最優秀リミキサー”の地位に逆戻りするかもしれないけどね」
“スターメーカー”の地位に忠実なDupriは、『Instructions』で新進アーティストのショウケースを繰り広げることを決断した。
「前のアルバムではビッグネームのアーティストばかり起用したからね」 と彼はJay-Z、DMX、Snoop Dogg、Mariah Careyといった有名ゲストスターをフィーチャーした’98年のデビュー作『Life In 1472: The Original Soundtrack』について言及している。
「今回はまだそれほどビッグでないアーティストと一緒にやったから、彼らのキャリアに何かプラスできたと思うよ」 これらのアーティストとはUGK、Jadakiss、Bilal、Backbone、R.O.C.、Freeway、Boo& Gottiなどの面々である。
また必要に応じてLudacris、Usher、KuruptといったスーパースターやJagged Edge、Da Brat、XscapeなどSo So Defのアーティストも登場する。 アルバムからのシングル曲「Ballin’ Out Of Control」ではお馴染みのNate Doggの声がフィーチャーされている。
待望の『Instructions』のリリースと並行して、JermaineはKeanu Reeves主演映画『Hardball』でSo So Def製サウンドトラックの成功を味わおうとしている。アルバムにはBig Tymers、R. Kelly、Mobb Deepほか数多くのアーティストが参加しており、タイトルトラック(1stシングル)ではSammie、Lil’ Zane、Lil’ Wayne、Lil’Bow Wowが、2ndシングル「Insomnia」ではDupriの最新の秘蔵っ子である、ネオソウルのアーティストFundishaがフィーチャーされている。
「僕はスターメーカーであり続けることに、すべてのエネルギーを注いでいるんだ」
と語るJermaineだが、初期の彼のキャリアは音楽業界のベテランである父親のMichael Mauldin(現在はJermaineのマネージメント会社Artistic Controlを運営)によって導かれていた。
「僕はその流れを自分のレーベルで引き継いでいくつもりさ。この勢いをキープすることができれば、Berry Gordyの域に到達することも可能だろう。それが基本的に僕がやろうとしていることなんだ。そのことについてあれこれ語る気はないけど、実現しようと努力していることは確かだよ」
By Marci Kenon/Launch.com
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