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1955年、イングランド・リヴァプール生まれ。11歳のとき学生オーケストラにパーカッショニストして入団。その後、ピアノやヴァイオリンを習得し、15歳で指揮者として初のコンサートを開いた。1971年、英国立音楽院に入学し、ピアノと指揮を専攻。

1980年からバーミンガム市交響楽団の首席指揮者兼芸術顧問(のちに音楽監督)として活動し、1998年までの18年間で、精力的なコラボレーション、欧米へのコンサート・ツアー、数多くの録音を実現させ、イギリスの一地方オーケストラを国際レベルにまで飛躍させる、というクラシック業界でも稀な事例を作り上げた。さらにこの間、欧米の主要オーケストラに客演、またグラインドボーン、英国ナショナル・オペラ、ロサンジェルス・オペラ、ロイヤル・オペラ、シャトレ座(パリ)などのオペラ・プロダクションにも参加し、着実に実績を上げた。

ベルリン・フィル(以下BPO)への初めての客演は、1987年(マーラー:交響曲第6番「悲劇的」)。その後、15年の共演を経て、2002年9月にクラウディオ・アバドの後任として、BPOの首席指揮者兼芸術監督に就任。これまでの10年余の間ドイツ音楽の持つ伝統と重みを重んじるBPOに、新しくかつ確かな方向性を提示し、大胆な方法論を提示しつづけ、大きな実績を残してきてた。

1994年、イギリス音楽界にもたらしたその芸術的功績に対し、英国女王より「ナイト爵」に叙せられ、2009年のドイツ統一記念日には、芸術活動及び教育プログラム“Zukunft@Bphil (未来@ベルリン・フィル)”を創設した功績に対し、ドイツ政府より「功労勲章大功労十字章」を授与された。その他、コメニウス賞(2004)、シラー特別賞(2005、マンハイム市から)、ウラニア賞及びゴールデン・カメラ賞(2007、ドイツ)、レジオン・ドヌール勲章(2010、フランス)など、あまたの褒章を受け、ラトル/BPOは、芸術団体として初めての「ユニセフ親善大使」にも任命された。

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