ニュース・最新情報

プロフィール・バイオグラフィ・リンク

80年代にシングルを連発したSmithsは、多くの仲間たちがシンセサイザーとダンスポップに傾倒していた時代に、ギターポップの魅力を表現していた。シンガーのStephen Morrisseyはシングル“Panic”の中で“Hang the DJ”(DJを殺せ)と本気で歌っている。クラブでかかる曲には中身がない。確かにその通りだ。MorrisseyがSmithsとして書く歌詞は、失敗や無能さを極めて個人的に告白しているのだから。それも普通の暗い人間が無気力に表現するのではなく、ショーマンとして堂々たる態度で、ナルシシズムと自己のパロディを散りばめながら歌う。ギタリストのJohnny Marrのアルペジオと力強いフィンガーピッキングに支えられて、曲の完成度は高まる。

シングルが即座に与えてくれる満足にこだわった彼らが、アルバムを4枚しかレコーディングしなかったのも不思議ではない。今や実際のリリースより数の多いシングルのコレクションと比べると、アルバムは動きが鈍かった。

しかし、Morrisseyが非常に好かれたり嫌われたりする理由になっている、ある種の茶目っ気が、、彼らの作品すべてに漂う。あからさまにホモセクシュアル的な振る舞いと生意気な態度とでは、アメリカでカルトヒーロー以上にはなれないのは明らかだった。なぜなら筋肉隆々のBruce Springsteenが人気を博していたのだから。

しかし、それはむしろバンドにふさわしかった。New York Dollsの大ファンだった彼らは、このカルトヒーローに自分たちを似せた。バンドの写真ではなく、様々なアンダーグラウンドのスチール写真を選ぶようにまでなった。

イギリスは彼らを崇拝した。彼らの影響は毎日のように出てくるブリットポップのバンドの中に今も色濃く表れている。Smithsは'87年に解散。Marrは誰とでも共演する便利なギタープレーヤーになったが、しばらくはNew OrderのBernard SumnerのバンドElectronicに落ち着いた。Morrisseyはソロアーティストとして活動を続けている。