サイモン・ラトル&ベルリン・フィル「オーケストラ音楽に更なる可能性」
2011年11月22日(火)ホテルオークラ東京にてサイモン・ラトルの記者会見が開かれた。
◆サイモン・ラトル記者会見画像
司会者の呼びかけでサイモン・ラトル、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェロ奏者オラフ・マニンガー、首席ホルン奏者シュテファン・ドールが壇上に登場し、サイモン・ラトルが「今回日本に来られて嬉しいです。3年ぶりとなる来日ですが、その間に日本にとって厳しい出来事がおきました。日本は私にとってとても大切な国です。今この時期に日本に来れることができて嬉しく思います。私たちの共通言語である"音楽"で、皆さまを少しでも支えることができれば嬉しく思います」とあいさつ。
今回の来日公演で細川俊夫作曲によるホルン協奏曲のソロを演奏するシュテファン・ドールは、「私も今回日本に訪れることができて、大変嬉しく思っております。すでにベルリン・フィルの団員は多くの室内アンサンブルなどで3月以来度々日本を訪れており、その際に日本の皆さんから大変温かく受け入れてくれたことを喜んでます。来日公演のプログラムの中には、日本人の作曲家による作品、しかも"ホルンコンチェルト"で、私にとってことのほか嬉しいプログラムになりました。日本で演奏することに意味を感じ、日本のお客様の反応が今から楽しみですし、間違いなく日本の皆様に受け止めてくれる作品だと確信しております」と喜びを語った。
また、11月23日にリリースされた3D/ブルーレイ『ベルリン・フィル 3D in シンガポール ラフマニノフ:交響的舞曲&マーラー:交響曲第1番「巨人」』について、「これはまさに新たな旅のはじまりと言っていいでしょう。2010年シンガポールツアー中に撮影を行ったのですが、その数か月前にベルリンでテストを行いました。たった7分の映像ではありましたが、その場に居た全員が、聴くことに対する、ビジュアルが与える影響の大きさに気付き、大変驚かされました。映像がクリアになるので、汗の一滴一滴まで良く見え、また団員の中にはおなかが出ているのでジムに行かなきゃまずいぞという者もいました(笑)。3D映像にすることによって、奏者一人ひとりが身近に感じられ、より多くの人をクラシック音楽に誘うような新たな術を得たと思っています。そしてオーケストラ音楽の新しい楽しみ方に、更なる広がりを持てたと思うので、可能性を感じています」と、その新たに誕生した素晴らしき作品の仕上がりに賞賛のコメントを残した。
『ベルリン・フィル 3D in シンガポール ラフマニノフ:交響的舞曲&マーラー:交響曲第1番「巨人」』は、株式会社NHKメディアテクノロジーが、ドイツのユーロアーツ・ミュージック・インターナショナル社などと共同制作し、世界最高峰のオーケストラを最新の3D技術を駆使して撮影したもの。収録された楽曲は、日本でも人気の高いマーラーの交響曲第1番「巨人」と、ラフマニノフの「交響的舞曲」の2曲だ。
撮影に際しては、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の全面的な協力のもと、クレーンやレールなどの映画用機材も利用し、演奏者に肉薄したダイナミックな3D映像を構成することに成功している。音声も、元ベルリンフィル専属音楽プロデューサであるクリストファーオルダー氏が担当し、5.1chサラウンドによりダイナミックな音響空間が再現され、世界最高の名演を今だかつてない興奮の臨場感で伝えるものだ。
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のメディア担当役員オラフ・マニンガーは、伝統のクラシック音楽が最新のネットテクノロジーと大いなる融合が図られている点を強調した。
「録音作品に加え、"デジタル・コンサートホール"(ベルリン・フィル映像配信サイト)や今回の3D映像など様々なメディア・プロジェクトを行っております。少しでもベルリン・フィルを身近に感じてもらおうとFacebookやYoutubeを使って、グローバルな展開も行い、大変な反響を受けております。遠く離れた国、たとえば日本の音楽ファンとも距離を縮めることができました。今現在クラシック音楽は支援が必要だと言われておりますが、私はこうした新たな活動を通じて、クラシック音楽を社会の中心に持っていくことが必要だと思ってます。様々なグローバルレベルでの活動を通じて、クラシックの未来があるのだと確信しております」
記者会見では、ラトル、マニンガー、ドール3氏により、ブルックナー、ブラームス、マーラー作品の音楽解釈やクラシック音楽界の今後について熱いトークが続き、1時間半に及ぶ貴重な機会となった。今後リリースが予定されている「カルメン」や「ブルックナー:交響曲第9番」についても語られ、リリースが待ち遠しい限りだ。
サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は、2011年11月22日~24日まで東京・サントリーホールでコンサートを開催する。
photo(C)Daisuke Akita
◆サイモン・ラトル・オフィシャルサイト
◆サイモン・ラトル記者会見画像
司会者の呼びかけでサイモン・ラトル、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェロ奏者オラフ・マニンガー、首席ホルン奏者シュテファン・ドールが壇上に登場し、サイモン・ラトルが「今回日本に来られて嬉しいです。3年ぶりとなる来日ですが、その間に日本にとって厳しい出来事がおきました。日本は私にとってとても大切な国です。今この時期に日本に来れることができて嬉しく思います。私たちの共通言語である"音楽"で、皆さまを少しでも支えることができれば嬉しく思います」とあいさつ。
今回の来日公演で細川俊夫作曲によるホルン協奏曲のソロを演奏するシュテファン・ドールは、「私も今回日本に訪れることができて、大変嬉しく思っております。すでにベルリン・フィルの団員は多くの室内アンサンブルなどで3月以来度々日本を訪れており、その際に日本の皆さんから大変温かく受け入れてくれたことを喜んでます。来日公演のプログラムの中には、日本人の作曲家による作品、しかも"ホルンコンチェルト"で、私にとってことのほか嬉しいプログラムになりました。日本で演奏することに意味を感じ、日本のお客様の反応が今から楽しみですし、間違いなく日本の皆様に受け止めてくれる作品だと確信しております」と喜びを語った。
また、11月23日にリリースされた3D/ブルーレイ『ベルリン・フィル 3D in シンガポール ラフマニノフ:交響的舞曲&マーラー:交響曲第1番「巨人」』について、「これはまさに新たな旅のはじまりと言っていいでしょう。2010年シンガポールツアー中に撮影を行ったのですが、その数か月前にベルリンでテストを行いました。たった7分の映像ではありましたが、その場に居た全員が、聴くことに対する、ビジュアルが与える影響の大きさに気付き、大変驚かされました。映像がクリアになるので、汗の一滴一滴まで良く見え、また団員の中にはおなかが出ているのでジムに行かなきゃまずいぞという者もいました(笑)。3D映像にすることによって、奏者一人ひとりが身近に感じられ、より多くの人をクラシック音楽に誘うような新たな術を得たと思っています。そしてオーケストラ音楽の新しい楽しみ方に、更なる広がりを持てたと思うので、可能性を感じています」と、その新たに誕生した素晴らしき作品の仕上がりに賞賛のコメントを残した。
『ベルリン・フィル 3D in シンガポール ラフマニノフ:交響的舞曲&マーラー:交響曲第1番「巨人」』は、株式会社NHKメディアテクノロジーが、ドイツのユーロアーツ・ミュージック・インターナショナル社などと共同制作し、世界最高峰のオーケストラを最新の3D技術を駆使して撮影したもの。収録された楽曲は、日本でも人気の高いマーラーの交響曲第1番「巨人」と、ラフマニノフの「交響的舞曲」の2曲だ。
撮影に際しては、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の全面的な協力のもと、クレーンやレールなどの映画用機材も利用し、演奏者に肉薄したダイナミックな3D映像を構成することに成功している。音声も、元ベルリンフィル専属音楽プロデューサであるクリストファーオルダー氏が担当し、5.1chサラウンドによりダイナミックな音響空間が再現され、世界最高の名演を今だかつてない興奮の臨場感で伝えるものだ。
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のメディア担当役員オラフ・マニンガーは、伝統のクラシック音楽が最新のネットテクノロジーと大いなる融合が図られている点を強調した。
「録音作品に加え、"デジタル・コンサートホール"(ベルリン・フィル映像配信サイト)や今回の3D映像など様々なメディア・プロジェクトを行っております。少しでもベルリン・フィルを身近に感じてもらおうとFacebookやYoutubeを使って、グローバルな展開も行い、大変な反響を受けております。遠く離れた国、たとえば日本の音楽ファンとも距離を縮めることができました。今現在クラシック音楽は支援が必要だと言われておりますが、私はこうした新たな活動を通じて、クラシック音楽を社会の中心に持っていくことが必要だと思ってます。様々なグローバルレベルでの活動を通じて、クラシックの未来があるのだと確信しております」
記者会見では、ラトル、マニンガー、ドール3氏により、ブルックナー、ブラームス、マーラー作品の音楽解釈やクラシック音楽界の今後について熱いトークが続き、1時間半に及ぶ貴重な機会となった。今後リリースが予定されている「カルメン」や「ブルックナー:交響曲第9番」についても語られ、リリースが待ち遠しい限りだ。
サイモン・ラトル指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は、2011年11月22日~24日まで東京・サントリーホールでコンサートを開催する。
photo(C)Daisuke Akita
◆サイモン・ラトル・オフィシャルサイト