日本のヒップホップ・グループ最重要、あの本物が帰ってきた!
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KAMINARI-KAZOKU.スペシャル・コンテンツ |
<スペシャル・コメント到着>NEW!!!!! 遂に発売! YOU THE ROCK★を中心に4人から レアなコメントが到着! TWIGYの行動に注目! | <期間限定PVフル試聴> 「G.C.G.~get crazy crusing~」 MUROプロデュースのこの曲のPVをどうぞ! |
雷と言えば、勿論、“怒り”がその根源にあるわけだけども、今回はその怒りは全面には出ていない。ただ、それも本人達に言わせれば「表現の仕方が変わっただけ」であって、その端々に攻撃的な箇所は多数見られる。年月を経て、言葉の角が丸くなった部分もあるだろうけど、攻撃の方法がより周到な方向にも向かっているとも言え、核心を見落とすと、痛い目にあう。 オリジナル雷のDJ PAT504がプロデュース した「Thunder Break Beats」のような、雷鳴轟く、まさに雷らしい直球な曲もあれば、MUROがプロデュースした「G.C.C.~get crazy crusing~」のようにバウンスも取り入れたパーティ・チューンまで、収録曲のビートのタイプは実に幅広い。しかし、DEV LARGEの手掛ける純粋過ぎるくらいのブレイクビーツ・トラック「Brotha Soul」を敢えて一曲目に持ってくることに、彼らの基盤が、今でもロウでアンダーグラウンドなヒップホップにあることを強く感じるだろう。 それらスパイス的な曲とは別に、アルバム全体の音楽的な方向性を握っているのは、DJ YASと今回、Junna Musicを名乗っているTWIGYの二人だ。DJ YASは和やアジアなテイストをトラックに盛り込み、それはアルバム全体のカラーともリンクしている。TWIGYは「DEATH DISCO」のような衝撃度の高いハイパー・トラックから、タイトルそのままな「哀愁 '97」など、要所要所にキメ球を放ち、アルバムのクオリティを更に高いところに持っていっている。 そんなトラックのヴァラエティさと同様に、それぞれのMCは個性豊かなリリックとフロウをぶつける。メインの4人(RINO LATINA II、YOU THE ROCK★、TWIGY、G.K.MARYAN)はソロ活動で得た糧をこのアルバムにダイレクトに反映させているが、特にTWIGYのスキルは、今まで以上に高い到達点に向かっている。サイドの3MCはSINNOSK8、D.Oの成長を確かめつつ、GAMAのナチュラルなリリックから産まれるパンチ・ラインに耳を奪われる。この7人のMCに加えて、UZIやHAB I SCREAMなどの身近なメンツからDABO、AI、HI-Dなど多彩なゲスト勢が参加し、筋は通しつつも、全体で一つの枠に納まりきらない雑多感を産み出す。 また、その雑多感と共に、それぞれのラップの生々しさがアルバムの雰囲気を作り出す重要な鍵だ。スピード感溢れるフリースタイル的なリリックからは、現場の熱気がこのアルバムの原動力になっていることを伺わせ、それが生々しさの素(もと)になっている。そして、この生々しさこそが、今のヒップホップが失いつつある何かであり、彼らがこの'04年にこの1stアルバムをリリースする意味にも繋がっているように感じる。 文●大前 至 |
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