芯の強さをもって、女の子として自然に、アーティストとして確信犯的存在

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芯の強さをもって、女の子として自然に、アーティストとして確信犯的魅力

2001年7月10日に「スキャンティブルース」でデビューするmeg

取材をするにあたり、インディーズ時代の曲とこのデビューシングル曲を聴いたのだけど、女の子のかわいい部分、したたかな部分、ロマンチックな部分をリズムの効いたサウンドに乗せて表現。

そして資料に載っているmegの写真ではなんともツカミどころのない不思議ちゃん系を醸し出しているが、作詞作曲をはじめ編曲にも彼女の名がクレジットされているあたり、ただのイメージ先行型シンガーではなさそうで……。

相手に伝えたいんだけど、伝わらない、片方だけの思い

最新シングル

「スキャンティ ブルース」

DREAM MACHINE 2002年07月10日発売
HDCA-70002 1,050(tax in)

1 スキャンティ ブルース
2 スキャンティ ブルース("HAIKARA"rock taste)
3 スキャンティ ブルース -Instrumental-
4 スキャンティ ブルース("HAIKARA"rock taste)-Instrumental-



 ←megさんからとってもキュートなコメントが届きました!

――はじめまして。……あ、名刺をお持ちなんですね!

meg:
そうなんです。ミュージシャンの人って名刺持たない人多いけど、作ってもらいました(笑)

――肩書きに“アーティスト”は分かりますが、“プロモーター”“マネージメント”などありますが。

meg:
私、なんでもやりたがりなんです。資料の発送もしちゃうし、物販もやります(笑)。それに、曲や写真の印象だけじゃ分かりづらいと思うので、出ていく場があればどこでも積極的に行くようにしてます。そこらへん抵抗ないんです。

――なるほど。そういった好奇心旺盛なmegさんが、歌を歌うミュージシャンを選んだのは?

meg:
表現することはもともとしたいなって思ってたんです。中学高校で進路の話になって真剣に考えたときに、漠然とだけど表現する人になりたいなって。でも、そのときは音楽って限定されてなくて、それがデザインかもしれないし……って思ってたんですよ。

――表現するなかでも“歌”を選んだのは?

meg:
ん~自然の流れですね。もともと音楽は好きだったし、表現の場としてのステージといえば歌ってイメージも強かった。それにいろいろやっていくうちに“歌をやってみたら?”ってアドバイスもあって固まりましたね。

――インディーズ時代から、シンガーだけでなく作詞・作曲・編曲もされていますね。

meg:
そうですね。音の形……音色とかバックトラックとか、雰囲気を作るものってすごく気になるし、そこに乗る私の声が楽器のひとつ、音のひとつって感覚で捉えてるから。歌って点でもサラッと歌ったり、強く歌ったり表現できるから、それを“作る”のが楽しい。

――なるほど。そういった各役割があるなかで、megさんが一番重要視しているのは?

meg:
ん~、やっぱり音楽制作ですね。作詞、作曲、歌ももちろん大事だけど、トータルで私になれてるっていうか。楽曲だけじゃなくて、ジャケットのデザイン、写真、自分のイメージを作るグッズも含め、私がいればいいなって。難しいことは分からないですけど、今は私が納得しているものを出せていると思います。

――megさんが自身のプロデューサー的立場でもあるようですね。そうやってできたデビューシングル「スキャンティ ブルース」ですが、このタイトルの語呂と詞の内容がマッチしてていいですね。

meg:
詞は、相手に伝えたいんだけど、伝わらない、片方だけの思い……ってのを書いたんです。で、“片方だけ”、“足りない”って意味の言葉にscanty(スキャンティ)ってのがあって、いいなと。スキャンティって本当はパンツって意味ですよね。でもそこらへんは気にせず(笑)。ブルースってのはソウルって意味合いでつけました。女の子の伝わらない気持ち、ですね。

――なるほど。作曲もするmegさんですが、今回は岡村靖幸さんですね。

meg:
ええ。スタッフの提案で、岡村さんがいいってことになって、早速CD聴いて会いに行ったんです。それで"ギターが鳴ったブルースっぽいのがいいんですけど…"って言ったら、すぐそういうのを弾いて作ってくれたんです。で、それを持って帰って歌詞をつけて、さらに岡村さんに膨らませてもらったんです。で、レコーディング終えてTDの段階で、音が多過ぎるって話になったので「じゃあ、ホーンは全部カット、パーカッションはここだけ」って調整してたら、……岡村さん、いなくなってました(笑)。なので私が引き継いでハウスっぽくしたんです。岡村さんヴァージョンはカップリングで入ってるほうですね。

――あはは。この曲、パッと聴きのインパクトよりも、数回聴いてじんわり侵食されちゃうような曲ですよね。

meg:
ですね。そこらへん岡村マジック効いてますよね。だから岡村さんって、やっぱりアーティストだなって思いましたね。途中で帰っちゃうところも含めて(笑)。

――今後のmegさんの予定は?

meg:
今年はCDをリリースしていきます。いろいろアイデアも固まりつつあるんですよ。今、スタッフと形にしていくのがすごく楽しいですから!



柔軟、好奇心旺盛、プロデューサー……そんな言葉をバランスよく並べたような人物がmeg。

かわいいけれど、それ以上に惹かれる意志の強さの表われが、自分自身のこと、そして今の立ち位置をしっかり把握している。

そんな芯の強さをもって、女の子として自然に、アーティストとして確信犯的に様々な活動を起こしてくれることだろう。


取材/文●星野まり子

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