| 3月頭から1stアルバム『twelve ways to go』のレコ発全国ツアーを行なっていたSKA SKA CLUBが、渋谷のON AIR EASTで最終日を迎えた。
会場は人でギッシリ。入り口付近で立ち止まっていたら、危険!と思い、奥へと入ってみるのだが、どこもギッシリだ。
そんな中、会場が暗転してステージが照らされると、会場は「ゥオー!!」という歓声で充満。そして、SKA SKA CLUBのTシャツを着た女の子たちが、男の子(彼氏?)に肩車されて、バックに流れる曲で早くも踊り出す! それが1、2組じゃなくて、そこら中……それこそ最後列までにもいるのだ。そんな最高のシチュエーションで迎えられてライヴがスタートした。
彼らのテーマソングである「SKA SKA CLUB」を筆頭に、アルバム『twelve ways to go』の収録オリジナル曲を次々と披露していく。6人のホーン・サウンドがオーディエンスをアッパーにさせる刺激的な音を奏で、ギター、ドラム、ベースのベーシックの4人がスピード感をガンガンと煽る。そこに2人のMC(ヴォーカル)が座りのいい安定した声で放つ。この2人の声質は似ているのだけど、クローバー義和の“しなやかさ”と、山森大介のほんのり感じさせる“甘さ”の調合が耳を楽しませる。
中盤では、SEX PISTOLSのカヴァー「Holidays In The Sun」や、ミディアム・ナンバー「Bound to Nowhere」を挿入するのだが、ステージと会場は、とにかくアッパーでハッピーな雰囲気でいっぱい。「自分たちはパーティ・バンドだ」と公言してきたように、始終楽しいムードを撒き散らしている。MCでも、バナナを投げたり、会場2階で観ていたメンバーの家族たちを紹介。すべてを楽しく持っていこうとする姿勢は、無理なく自然で、とても暖かい。
そう、なんだか、とても好感度の高いメンバー達なのだ。楽曲のよさ、楽しさだけでなく、こういった彼らの持つ人間性がライヴで伝わるのも、人気のひとつなのだろう。
インディーズ・シーンに席を起き、なかなか表には出てくる機会が少ない彼らだが、口コミで全国区に広まり、セールス面で実績を残したことがなによりの証拠。ミュージシャンらしからぬ12人なのだが、ミュージシャンとしての魅力を充分に持っているヤツらなのだ。
この日は、5人が大学卒業式の日でもあったようで(メンバー全員現役大学生だった!)、より一層の開放感を感じたのだろう。熱気と酸欠と、ハッピー・ムードが充満していた会場は、ステージが終了し会場が明るくなっても「Santa Monica」を合唱する人々で残っていた。
でも、それは1時間のステージに対して不満だったからではなく、満足した証とそれに対するお礼として歌われているかのようだった。
「4~6月は曲作りをし、また7月にパーティ(=ライヴ)をする」と約束してくれたSKA SKA CLUB。twelve ways to goがどういう方向へと収束されるのか楽しみだ。 |
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