スカコアの枠を超えて、ツイン・ヴォーカルとホーン隊が躍動するパーティ・バンド!
'97年、音楽サークルの仲間内で、ホーン隊をフィーチャーしたバンドとして誕生したSKA SKA CLUB。静かながらその注目株は、スカコア・シーンとは別の次元からやってきた。 ひとつにとどまらない多彩な音楽性と、自らパーティ・バンドと言い切る楽しげなステージ、そしてツイン・ヴォーカル編成は、なんでもありのインディーズ・シーンのなかでも、"陽"の部分として特異な存在と言えるだろう。 今回リリースしたマキシ・シングル「from the warehouse」もそんな賑やかな風景が思い浮かぶ作品で、聴きどころについて聞いたところ、 「前面に出したホーンのカッコ良さですね。そのホーンとヴォーカルの戦いも売り」(橋谷)、 「ホーンもそうなんですけど、全部の楽器が前面に出ているので、何回も聴いて楽しめるんじゃないかな」(グローバー)と語ってくれた。 ロンチ初登場の今回は、グローバー義和(Vo)、山森大輔(Vo)、橋谷康一(G)の3人が登場。ヒストリーから今後の展望まで、余すトコなく聞かせてもらった。 |
マキシ・シングル 「from the warehouse」 「SANTA MONICA」(「from the warehouse」収録)のプロモーション・ビデオが観られます! | ――結成はどういったいきさつからですか? 橋谷:学校のサークル仲間で9人のスカコアのコピーバンドを作ったんです。その後、メンバーが増えて1年くらい前に今の12人になりました。 ――1つのサークルの中で、よくこの音楽性の人間が12人も集まりましたね。 グローバー:スカコアやりたい奴が12人集まったわけじゃないんです。だって橋谷はギターが弾きたかっただけ、バンドがやりたかっただけじゃん。 橋谷:そうだったね。 グローバー:そもそもはバンドやりたい奴が集まって、ホーンがいて、というところで、手っ取り早い入口がスカコアだったんです。たまたまスカコアやりたいって奴が4、5人いて、そいつらから聴かせてもらったスカコアが楽しげなんで、いいんじゃないのって感じでね。 ――では、なぜツイン・ヴォーカルという編成になっていったのですか? 橋谷:最初、ヴォーカルはグローバー一人だったんですけど。 グローバー:山森はもともと友達で、別のバンドでヴォーカルをやってたんです。でも、そのバンドが解散したので、とりあえず入ってもらおうと。彼の持つ音楽センスが好きだったからね。で、楽器演るヤツはもう山ほどいたから(笑)、じゃあコーラスでって。それから自然にツイン・ヴォーカルになりました。 ――ライヴハウスで活動するようになったのは、いつ頃からなのでしょうか。 山森:コンピレーションCDの企画があってテープを送ったら受かったんです。そこでオリジナル曲を録ったんです。それがきっかけで、アメリカのバンド、Voo Doo Glow Skullsと共演して、「こりゃあやめらんねぇな」って。 橋谷:もともとライヴは演りたかったんですよ。でも曲がなかった。オリジナルが揃ってきて、やっとスタートって時にそういった話があって、味占めちゃった(笑)。 ――今回リリースのCDについてお伺いしたいのですが、タイトルの「from the warehouse」はどういう意味ですか? 橋谷:僕たちはサークルで出会った仲間なんですけど、その部室が物理倉庫として使っていた廃墟だったんです。そこでずっと練習していたので、そこ(倉庫=warehouse)から飛び出していこうという気持ちからつけました。 山森:ジャケットに載ってるこの建物、その物理倉庫なんですよ。 ――でも、このジャケットは、スカコアっぽくないというか、スタイリッシュですね。 グローバー:他とは違うようにしたかったのはありますね。 橋谷:カッコいいアイデアは出てこないんだけど、文句は言えるから最初まとまらなくてね(笑)。最終的にはこれでまとまりましたけど、思ったよりブルージーですよね。 ――レコ-ディングの様子はいかがだったのでしょう。 グローバー:山中湖で合宿して録りました。 山森:エピソード…なんてないくらい。朝起きて、飯食って録音して寝て。 橋谷:でも、そんなことしたことなかったから、楽しかった。 グローバー:音楽で飯食った5日間ってのは初めてだったから興奮しましたね。いいテンションで、いいもの上がったなって。 橋谷:今回は環境がよくって。ウチらはスタジオ・ミュ-ジシャンじゃないから一緒に音出さないとズレるんです。でも今回は、特にやりやすかった。もう2度とこんないいロケーションで出来ないんじゃないかな(笑)。 ――ホーンも6人そろって一緒に録ったんですか。 橋谷:そうです。だから連帯責任ですよね。失敗したら一緒に録り直しです。だから何回も何回も同じフレーズ聴いて、音に酔っちゃったね!(笑)。でも、みんなで一緒にやれば、上手な方に釣られてイイみたいですね。 ――このレコーディングによりバンド全体が成長したようですね。選曲の基準はどこでしょうか。 グローバー:聴いてもらいたい4曲なんですけど、僕らの持ち曲の中でも、それぞれの角を出したかなぁと。「SKA SKA CLUB」は一番最初に作った曲で、ツイン・ヴォーカルっぽくアレンジし直したんですけど、一番ストレートな部分。直球です。そして「Santa Monica」はポップな部分で、「Horny Gang」はロックバンドなんだっていう部分で、スカばっかりやってるわけじゃないんだぜと。「Boys & Girls」はハードな部分ですね。 ――この後はアルバムも、予定されているんですよね。 橋谷:夏にツアー廻ってから8、9月とガッと録って、アルバムにしようと思っています。今回は、やっぱりロックな感じかな。 山森:スカ色が薄れちゃうかもね。 グローバー:長いことやっているうちに、メンバーそれぞれが周りに気を遣わないで曲を持ってくるようになったんです。そうするとはじめに言ったように、スカコアを演りたくて集まった人たちじゃないんで、演りたかったことがプラスαとなって出てくるんでしょうね。 橋谷:アルバム作るからって、コンセプトとかは考えないんです。"今のバンド=SKA SKA CLUB"を表現するだけ、今持ってる曲を入れるだけです。 グローバー:もう、肥溜めみたいなものですよ、消化して出ちゃった!みたいな。 ――いよいよツアーですが、そこで培う部分も大きそうですね。 山森:ええ。それもあって、アルバム録る前にツアー行かせてくれって言ったんです。 橋谷:ライヴって何かしら刺激を受けますから。その積み重ねでいいアルバムにしたいですね。 グローバー:メンバーそれぞれ、ちょっとは気持ちに余裕も出てきたんじゃないですかね。以前はとにかくヘタクソだったもんで(笑)。これからは、もっとライヴショーってのをやっていきたいね。 橋谷:俺ら、パーティバンドだからね! 取材・文●中島儀幸 |
●SKA SKA CLUBレコ発ライヴ!(2000年) 8/7(月) 神戸STAR CLUB 8/9(水) 名古屋 HUCK FINN 8/10(木) 広島Bad Lands 8/12(水) 奈良ネバーランド 8/14(月) 新宿ロフト ●SKA SKA CLUBオフィシャルサイトはこちら! |