【俺の楽器・私の愛機】1807「原点」

【モーリスW-25】(京都市 晴天のヘベレケ まだ64歳)

思えば1970年代半ば、親父がどこぞの怪しい質屋から仕入れてきた正体不明のフォークギターを反抗期真っ只中の弟にぶっ壊され、悲しみに暮れていた私を不憫に思ったのか。近くのスーパーの楽器売り場で買ってもらったのがこいつです。
その当時モーリスというメーカーも知らず、一番安いやつよりちょっと上という理由だけで選びました。
ギターの弦高なんて知識も無く、やたらと高い弦高、まともに音の出ないFコード等などに悪戦苦闘しつつ、ジャカジャカとアリスやかぐや姫、河島英五他色々弾きまくっていました。
そして月日は流れ、いつしかトップは膨らみ、ネックは反り、バインディングは剥がれ、ローフレットは擦り減り、音もところどころ詰まる。もう限界か。
それならいじってやれ、という事で、剥がれたバインディングはボンドで貼っつけ、ナットとサドルは牛骨に交換、ブリッジピンはブラス、ペグは安物の中華のロックペグ。12フレットまでフレット交換(途中でめんどくさくなった)仕上げにシールのポジションマーク。ついでにアコギマイクを取り付けいっちょ上がり。もはや人にあげることもできない。
音はまさに合板ギターの音、でもデカい音は鳴ります。
家内はウチにある4本のアコギでこいつの音が一番好きだと言います。もう棺桶まで連れて行くか。



◆ ◆ ◆
ここでも人生の不思議を感じるなあ。奥方に「一番好きな音」と言わしめるギターと出会うきっかけが、弟の反抗期による禍事なんだから、あの出来事があって今があるという因果ですよね。いや、お父様の慈悲の思いがポイントか。当時のモーリスやヤマハのローエンドは12,000円程度でしたから、25,000円のアコギは決して悪くない中級なモデルだったと思いますよ。一番安いモデルなんて、ボディのバインディングは黒だったし、ネックやヘッドにバインディングなんてなかったもの。50年もの間、愛でられ続けたギターなんて、人生最大の功労者、楽器界のヒーローです。(BARKS 烏丸哲也)
★皆さんの楽器を紹介させてください
(1)投稿タイトル
(例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
(例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
(例)トラヴィス・ビーン TB-1000
(例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
(例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
(例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
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