【ライブレポート】<Monsters of Rock Cruise 2025>クイーンズライク、過去の様々な危機を乗り越え現在が再びの全盛期

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<Monsters of Rock Cruise 2025>の常連ラインナップであるクイーンズライクが、今年も登場となった。

<Monsters of Rock Cruise 2025>では、2回のステージで見事に大半のセットを替えてきたのも見所だった。このフェスティバルの特徴として、1980年代のヒットソングを中心としたセットが多く組まれるものだが、彼らの場合は初期作品が中心でも代表的な『QUEENSRYCHE:EP』『THE WARNING』『RAGE FOR ORDER』『OPERATION: MINDCRIME』 『EMPIRE』の5枚のアルバムからバランスよく考えられていた。







現在の彼らのショウは、ひとことで表すならとにかく完璧。トッド・ラ・トゥーレ(Vo)のハイトーンは、オープニングの「Queen of the Reich」から完全にクラシックナンバーにフィットしているし、楽曲を古臭くなくモダンに引き立てている彼の個性もある。かつてのメンバーであるクリス・デガーモ(G)もトッドの大ファンだと聞いたことがあるし、彼のステージを観てファンにならない人はいないと思う。






マイケル・ウィルトン(G)とマイク・ストーン(G)のギタリスト二人は、連携がよく取れており、彼らが弾くメロディ、ソロ、ツインの相互作用も素晴らしく観客を魅了する。特にマイケル・ウィルトンはギタリストとしてだけでなく、このバンドの中心人物としての地位を確かなものにしていた。






エディ・ジャクソン(B)とケイシー・グリロ(Dr)も緊張感溢れるプレイを見せた。ケイシーはスコット・ロッケンフィールドの後任ドラマーとしての大役を見事に成しているだけでなく、長年このバンドに居たように溶け込んでおり、エディの5弦ベースが彼を上手くバックアップしていた。トッドの強力な歌に加えてバンド全体が観客を引き込む圧倒的なバンド力を感じさせる。





1984年の初来日から見続けて、正直辛い時期もあった。そしてトッドになってからは5回ほど観ているが、完全にこのバンドは新しいキャリアが始まっている。機会があれば是非とも彼らのショウを観て貰いたい、今こそ観るべき時期に思う。過去の様々な危機を乗り越え、現在が再びの全盛期と言えるほどの復活を果たした彼らには敬服しかない。





クラシックナンバーの他に唯一、マイク・ストーンもバンドに復帰してからの最新作『DIGITAL NOISE ALLIANCE』からも2ndステージでは1曲プレイしてくれた。いや、本来ならばもともと前衛的なバンドなのでもっと近年のアルバムからも聴かせて欲しいところだが、クラシックナンバーを中心とした<The Origins Tour>を行っているタイミングだった事もこのセットでの完成度を高めたかもしれない。

文・写真◎Sweeet Rock / Aki

< Queensryche ~ Monsters of Rock Cruise 2025 ~>

Norwegian Joy, Miami, FL, USA
【1st Stage/ 2025.3.10】
1.Queen of the Reich
2.Nightrider
3.Blinded
4.The Lady wore Black
5.NM156
6.I Don't Believe in Love
7.The Wisper
8.Silent Lucidity
9.The Needless Lies
10.Screaming in Digital
11.Jet City Woman
12.Empire
13.My Empty Room
14.Eyes of the Stranger
【2nd Stage / 2025.3.12 】
1.Queen of the Reich
2.Breaking the Silence
3.Prophecy
4.Warning
5.Behind the Walls
6.Take Hold of the Frame
7.Walk in the Shadows
8.The Mission
9.Operation:Mindcrime
10.Roads to Madness
11.Jet City Woman
12.Empire
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