【インタビュー】Little Black Dress、2025年第1弾新曲「PLAY GIRL」リリース「令和の新しい女性像が描けていればいい」

シンガーソングライターの遼によるソロプロジェクト・Little Black Dressが、2025年第1弾となる新曲「PLAY GIRL」を2月5日に配信リリースした。
◆撮り下ろし写真
今回の新曲「PLAY GIRL」は、なかおもとこの同名電子コミックを原作とする、毎週火曜24時30分より放送中のテレ東ほかドラマチューズ!『マイ・ワンナイト・ルール』の主題歌に起用。Little Black Dressらしい歌謡曲の質感や翳りを活かしたエッジーなロックナンバーに仕上がっていて、止められない性衝動に悩む33歳の主人公が現代社会をもがきながらサバイブしていくという、一筋縄では行かない大人のラブコメストーリーと見事にマッチしている。
昨年11月にキングレコードへの移籍を発表、個人名の表記を“Ryo”から“遼”に変更するなど、さまざまな転機を迎えてきた彼女。BARKSでのインタビューは約2年8ヵ月ぶりとなるため、その間にあった出来事も少し振り返ってもらいつつ、ドラマの話や「PLAY GIRL」の制作背景について聞いた。新天地におけるフレッシュなモードが伝われば嬉しい。
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◾︎支えてくださる人がたくさんいることにも気づけた数年
──キングレコード移籍後、環境が変わってみての感触はいかがですか?
遼:解放された気がします。ちょっと前まではなんかこう……Little Black Dressというプロジェクトが、アートディレクターの信藤三雄さんに名付けていただいたところから始動したこともあり、いつの間にか私の中で壮大なものになりすぎちゃってたんです。
──というと?
遼:ファッションとかの見た目にしても、曲作りに関しても、“自分がカッコいいと思えるLittle Black Dressじゃないとダメ”“これをクリアしなきゃいけない”みたいに、あらゆることを細かく考えすぎていたように思います。でも、ミュージシャンとして経験を積んでいく中、『SYNCHRONICITY POP』(2024年6月発表のシティポップに特化したアルバム)が完成して、“こういう音楽もやれるんだ!”と手ごたえを得られたのは大きかったですね。インディーズの頃にリリースした『浮世歌』(2021年5月発表の歌謡ロック色が強いアルバム)と合わせて確固たる2作品ができたから、次はもっと自由にアプローチしていいんじゃないか。そんな気持ちになったタイミングとレーベルの移籍がちょうど重なった感じなんです。
──縛りがだんだん解けてきて。
遼:はい。ディレクターさんも、私が自由な感じで作った「チクショー飛行」や「猫じゃらし」を熱くプッシュしてくださったので、(2024年11月に)シングルのリリースが決まりました。今は本当にオープンなマインドでやれています。以前の凝り固まっていたときだったら、この2曲は出せてなかったかもしれないと思います。
──いいチーム感でやれているんですね。
遼:ありがたいことに。偶然にも、私と同世代のスタッフもいたり、バンドメンバーも新たな同世代のミュージシャンとの出会いがあったり、フレッシュな環境でやらせてもらってます。
──BARKSでのインタビューは「逆転のレジーナ」(2022年6月発表のシングル)のとき(https://www.barks.jp/news/?id=1000220707)以来なので、ここ数年の話も聞かせてください。
遼:2年半ぶりなんですね! 私にとってはなんだか遠い昔のような感覚です(笑)。悩む日は当然ありましたが、得たもののほうが多い期間だったように思います。20代後半に差し掛かって、友人の話を聞いていても転機なんだなと感じたりしつつ、そんなタイミングにふと立ち止まって考えられたからこそ、Little Black Dress像を柔軟に捉え直せた時間でした。2年前に名付け親の信藤さんが亡くなられたときは“これからどうしよう……”と思ったんですけど、私の周りには支えてくださる人がたくさんいることにも気づけた数年でしたね。
──新曲の「PLAY GIRL」は、絶賛放送中のドラマ『マイ・ワンナイト・ルール』の主題歌になっています。作品の世界観と見事にマッチしていて、ストーリーもすごく面白いですね。
遼:ありがとうございます。今までになかった感じの作品ですよね。不倫ものが性欲のトピックに繋がることはあるけど、それをメインテーマに据えているのは新しいなって。センシティブな題材に対して、原作もドラマも描写がとにかくコミカルだからスッと入ってくる。
──男性でも観やすいなと思いました。
遼:ドラマの感想をラジオでいただくんですけど、幅広い世代のリスナーが抵抗なく馴染めて面白いと言ってくださってます。第1話の配信も、TVerですぐに100万回再生を超えたみたいです。主演の足立梨花さんのキャラクターが、悩みの深刻さを伝えてくれるのはもちろん、観る側に明るく寄り添ってくれるのが大きいですよね。
──「PLAY GIRL」は歌謡曲の味わいを湛えながら、エッジがふんだんに効いているのがカッコいいです。キングレコード移籍以降、ロック色の強いナンバーが続いてますね。原点に立ち返った向きもあるような。
遼:昔のトーンを出しつつも単なる原点回帰ではなく、お話ししたとおり『浮世歌』と『SYNCHRONICITY POP』があってこその「チクショー飛行」「猫じゃらし」、そして「PLAY GIRL」という感覚なんです。ここ数年はサウンド面をより追求するため、海外の曲を聴いて勉強したり、自らアレンジをやったりしたおかげで、バランスが良くなっている気がします。
──ドラマのために書き下ろした曲なんですか?
遼:実は違うんです。だけど、書き下ろしって言いたくなるくらいぴったりな曲になっちゃいました(笑)。
──完成していた曲が、たまたま『マイ・ワンナイト・ルール』の主題歌にふさわしい出来栄えになったと。
遼:最高の巡り合わせになりました。ドラマの脚本と原作を読ませてもらったとき、チームのみんなで驚きましたもん。“これは「PLAY GIRL」でしょ!”“主題歌で流れる画が見える!!”となって、最終的に主題歌に選んでいただけました。
──ストーリーに合わせて、歌詞を書き換えたりなどは?
遼:なかったです。ありのままの曲をお渡しして、採用後にタイトルだけ調整させていただきました。ドラマでは、主人公のキスシーンとか劇中のいい瞬間で「PLAY GIRL」をかけてくださって嬉しい限りですね。

──ドラマ主題歌を担当されるのは、今回が初めてでしたっけ?
遼:あっ! 言われてみれば、そうですね。ストーリーに夢中で意外と気づいてなかったです(笑)。
──“悩める全アラサー女性必見の性サバイバルラブコメディ”ですからね。インパクトがすごいし、切り口が斬新。
遼:共感した部分を挙げるのは小っ恥ずかしいんですけど、性別を問わず、多くの人が案外ワンナイト・ルールみたいなものを欲しているのかもしれないですね。ジレンマに駆られて己のルールが都合よく変わっちゃうところも、人間らしさが表れていて好きです。「PLAY GIRL」は自由であることを楽しむ女性の曲なので、このドラマに打ってつけだし、主人公がこれからどう解放されていくのか期待してます。
──“人には言いづらい悩みを発しやすい世の中になったら”というメッセージもある作品ですよね。
遼:そういう観点でも、たくさんの人に届いてほしいドラマです。時代のうねりを汲み取っている感じもしますから。のちのち振り返ったとき、象徴的な作品になり得るような。
──ドラマの主人公と同じように、性の悩みを抱えている方は現実に多いんだろうなとも思います。
遼:ですよね。このドラマが“自分らしく自由に生きていいよ”と解放させてくれる、そんな世の中になってきている兆しだったらいいなと思います。
◆インタビュー(2)へ
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