【インタビュー】ROTTENGRAFFTY、<LuckyFes>出演と結成25周年の現在地を語る「死ぬ気でやるだけです」
■新しい血がバンドに入って
■メンバーの意識がまた変わった
──<LuckyFes>で最新曲「暁アイデンティティ」が聴けるのも楽しみにしてます。結成25周年という節目のタイミングで、めちゃくちゃカッコいい曲ができましたね。
N∀OKI:1年くらい前、<FREEDOM NAGOYA 2023 -EXPO->に出させてもらったんですけど、会場内で待機してるときにNOBUYAから「1分くらいの曲が欲しい」みたいに言われたのがきっかけで作った曲です。その言葉を聞いた瞬間、どういう意図かすぐにわかりましたよ。フェスとかで持ち時間が余っちゃったときに、パッとやれるのが欲しいんだろうなと。
NOBUYA:例えばフェスのラストナンバーが「金色グラフティー」だったとして、演奏し終わったときに、まだ2分半とか3分とか余ってることがよくあるんです。それはもったいないから。
N∀OKI:僕ら、わりと長めの曲が多いんでね。ちょうど曲のネタをたくさん作ってた時期だったから、イメージがその場ですぐに湧いたんです。すぐにギターリフやビートのイメージをスマホのボイスメモに録って。それを持ってマニピュレーターの家に行って、1週間以内に形にしたかな。で、歌詞も入れたデモを「これやろ?」ってNOBUYAに送ったという。
NOBUYA:「これこれ!」ってなるデモだったし、レスポンスもめっちゃ早くてびっくりで。アウトロのコーラス部分の感じも含め、N∀OKIが全部汲み取ってくれて、完璧な曲になったな。
▲N∀OKI(Vo)
──まさにライブ映えする曲で。
NOBUYA:俺らは今、<ROTTENGRAFFTY 25th Anniversary“Blown in the Reborn Tour”>で全国各地を回ってるところで(1月〜9月にかけて全42公演)、ライブは去年からめちゃくちゃやってるんですよ。
N∀OKI:「暁アイデンティティ」は今回のツアーから披露してる。1年7ヵ月ぶりの新曲だけど、それだけ待たせといてジャスト1分の曲っていう(笑)。それも逆にええなって。
──ジャスト1分の曲なので、もともとその尺にしたかったのか、作っているうちにこうなったのか、どっちだろうと思ってました。「フェスとかで持ち時間が余っちゃったときに、パッとやれる曲」ということですが、そういうとき、BPMをめちゃくちゃ速くするとかサビだけとか、10-FEETや四星球がたまにやってますね。
N∀OKI:あれは嫌なんですよ、俺ら(笑)。10-FEETはコミカルな感じが似合うからいいけど。
NOBUYA:急いで聴かせるんじゃなくて、ロットンはカッコよくバシッと終わりたい。
──ハードコアなファストチューンであり、シンガロングもできる曲です。
N∀OKI:THE STALINみたいなノリを踏まえながら、今のハードコアパンクとして聴かせたい気持ちもありました。そういうコード感のバンドは最近あまりいないし。
NOBUYA:だから、フェスで時間が余ったときに突然やるのもよし、なんならライブの1曲目にいきなりやるのもよし。オールマイティーな曲であってほしい。
N∀OKI:いっそ同じライブで2回やったるとかな(笑)。
▲NOBUYA(Vo)
──25周年の第一弾楽曲が、“今に見てろ”という歌詞から始まることにも痺れました。このキャリアにして、ハングリーさと気迫がすごい。
N∀OKI:アニバーサリーを意識した曲ではないんですよ。でも実際、まだ何かを成し遂げたバンドじゃないし、現状に一切満足してないから、言葉としてしっくりくる。プロレスのタイアップ(「暁アイデンティティ(BOSJ ver.)」:テレビ朝日系『ワールドプロレスリング』6月7月度ファイティングミュージック/新日本プロレス『BEST OF THE SUPER Jr.31』大会テーマソング)が決まってから書き直した部分が冒頭の歌詞なんだけど、ド頭に“今に見てろ”がくるのはインパクトあってええなと思って、オリジナルにも採用して。“BOSJ ver.”のほうは、プロレスに詳しいNOBUYAの意見を聞きつつ、ふさわしいワードで書いてみた感じ。
──「暁アイデンティティ」というタイトルに込めたものとは?
N∀OKI:“夜明け前やぞ” “ここからさらに上げていこうや!”みたいな意志ですよね。漢字とカタカナを混ぜた響きの気持ち良さもあるなか、自然と今の僕らの想いが滲む曲になったと思います。サビ部分の“ZOMBIE LOUD”とか“不死⾝異形彷徨”は、何回どうなろうがゾンビのように蘇ってきたロットンの不死身感を歌ってたり。そういえば、NOBUYAはタイトルに「暁グラフティー」を提案してきたよな? さすがに「金色グラフティー」と被るんでやめたけど。
NOBUYA:“暁グラフティー”は歌詞のほうに入れていて。25周年だからって甘んじることは何もないし、まだまだ高みに行かないといけないとか。結果的にそういう姿勢は表れたんちゃうかな。
N∀OKI:マイペースに左うちわでのほほんとしてたら、バンドなんかあっという間に消えてしまうんでね。今、結成して一番やってるけど、ライブはこれからもやりまくりますよ。10-FEETに負けてられへん。
──ちなみに、先程おっしゃったような曲の作り方って、普段からよくされるんですか?
NOBUYA:いや、新体制になってからの作曲スタイルのひとつというか。やっぱり、KAZUOMI (G, Prog)がバンドのサウンドプロデューサーに回って、サポートだったMASAHIKO (G)が正式加入したことが大きい。
──KAZUOMIさんがライブ活動から離脱されてサウンドプロデューサーという立ち位置になったのが2022年3月。MASAHIKOさんがサポートメンバーを経てバンドに正式加入したのが2023年12月。ここ数年はいろんな変化がありました。
NOBUYA:コロナ禍を含めて苦しい時期も経験しましたけど、新しい血がバンドに入って、メンバーの意識がまた変わったと思います。今の形でやっていけるという実感から気持ちが上向きになったところもあるし、よく話し合うムードにもなった。6人体制での最高地点を目指して、より泥臭くライブをがんばってる段階ですね。
N∀OKI:ツアーはもちろんですけど、10月6日に京都パルスプラザで開催するワンマンライブ<響都グラフティー>。これを大成功させることこそ、今の6人にとって一番やるべきことで。
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