【日本DJ協会 presents Spotlight DJ's】Vol.1「表参道の人気レストランでDJを起用する理由とは?」

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DJといえば、もともとはクラブのイメージが強いと思われがちだったが、近年ではその活動の場も広がり、スポーツ会場や、企業イベント、レストランなどあらゆる場所でDJが活躍し、その需要はますます高まっている状況にある。

ナイトクラブ以外の場所で活躍しているDJにスポットを当て、DJへのインタビューはもちろん、DJを起用している会場側が語る「DJが生み出すものとは?」といった話などから、DJの魅力を立体的に届けていくべく、連載【日本DJ協会 presents Spotlight DJ's】をスタートさせよう。

Vol.1となる初回は、東京都渋谷区にある人気レストランザ・ストリングス表参道のマネージャー加藤氏とそこでDJを務めるDJ TOMOHARU(東京スタイル株式会社所属)に話を伺った。




ザ・ストリングス表参道

──お店にDJを入れようと思ったキッカケはなんですか?

加藤氏(ザ・ストリングス表参道 マネージャー):一昨年のハロウィンの時に、シャンパンメーカーのヴーヴクリコのイベントをテラスで行なったのですが、ヴーヴカラーのオレンジと黒で店内装飾し、その時にフォトブースをバックにDJブースを設置してDJを入れてみたんです。その時にお客様からの反響がとても良く、テラスが満席になったんですよ。それを当社のオーナーも見ていて、「盛り上がってるし、みんなも楽しそうにしてるから継続的に入れてみてはどうか」という話をされ、イベント企画やDJ派遣を行なっている東京スタイルさんに相談した所、予算的にも問題がなさそうだったので、スポットでDJを起用するようになりました。お店の雰囲気が良くなり売り上げが伸び、スタッフも楽しく仕事ができるようになったので、1年間の契約を結ぶことにしたんです。


加藤氏(ザ・ストリングス表参道 マネージャー)

──DJを入れることによってどのような変化がありましたか?

加藤氏:DJブースを外から見えるテラスに設置したことで、通りがかりの人々が興味を持ち、お店に入りやすくなりました。お店を盛り上げるためには、お客様が多く入っているイメージを作ることが大切ですからね。外国人のお客様も増え、誕生日や記念日などのお祝いの演出の幅も広がりました。ディナータイムには、徐々に照明を落として、選曲を大人な選曲に展開してもらい、上品な雰囲気を演出できるようになりました。お客様が多く入っているといっても居酒屋みたいにガヤガヤした雰囲気ではなく、DJが入って大人な空気が流れていて、お客様がシャンパンやワインを嗜んだり、リラックスしながらお食事を楽しむという大人のイメージで。

──DJを入れて良かったなと思うことは何ですか?

加藤氏:特に週末には、年齢層や国籍を問わず、友人同士、カップル、ビジネス関係者など、多様なお客様がご来店されます。お客様が音楽を楽しみながら食事や会話を楽しんでいる様子を見ることができるのは、とても嬉しいことです。以前に比べて、お酒や食事が進むようになったと感じています。また、バースデーや記念日のサプライズ演出にDJが協力してくれることで、お客様にとって忘れられない思い出を作るお手伝いができるようになったのも、DJを入れて良かったと感じる点の一つです。



DJ TOMOHARU、加藤氏

──DJに選曲の要望などはどのように伝えていますか?

加藤氏:最初の契約時に要望を伝えました。ランチタイムにはボサノバやジャズを、ディナーにはR&BやPOPSを中心にプレイしてもらっています。重すぎるHIPHOPや、メロー過ぎるR&Bは深夜のショットバーのような暗い雰囲気になってしまうので、避けてもらうようにしています。お酒が進んで会話が弾むような選曲を要望していますが、基本的にはプロのDJさんにお任せしています。

──DJが入ったことによってお客様の満足度は上がったと思いますか?

加藤氏:誕生日のお客様などからはとても感謝の声を頂いています。DJブースの近くの席を希望されるお客様が増えていることからも、満足度が高まっていると考えられます。ビジネスシーンで利用される方は静かな席を希望することもありますが、広いお店なのでお客様の希望に応じた席をご案内しています。



──良いなと思うDJはどのようなDJですか?

加藤氏:お店の雰囲気やお客様の年齢層に合わせて音楽のジャンルを柔軟に変えることができる方が素敵なDJだと思います。例えば、若者が多い日には最新のポップソングを流し、年配のお客様が多い日には1970年代や1980年代のヒット曲を選曲することで、お客様に懐かしさを感じさせてくれるDJです。また、ピークタイムには盛り上がる曲を、閉店間際には落ち着いた曲を選んで、お店全体のムードを作り出し、お客様やお店の状況を見極めながらプレイするDJは、お店にとっても、お客様にとっても大変貴重な存在です。先ほど(18:00頃)、少し暗くなったのはお気づきかと思うんですけど、アルコールをゆっくり楽しんでいただけるような大人の雰囲気を演出しています。このような空間演出と音楽、そして美味しいお酒と料理で、素敵なエンターテインメントを提供したいと考えています。

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──レストランでDJする時に意識することはどういうことですか?


DJ TOMOHARU

DJ TOMOHARU:食事しているお客さんの表情や雰囲気を見たり、会話が弾んでそうだったらアップテンポな曲にしたり、雰囲気的に落ち着いているときはボーカル多めの曲にしたりとか、店内の雰囲気を見ながらその都度選曲していることですね。あと、クラブみたいな派手な繋ぎをして盛り上げる必要はないので、1曲1曲を大事に繋いで、その1曲でグルーブを作れるイメージでやっています。

──ナイトクラブでのDJとの違いは何ですか?

DJ TOMOHARU:クラブをやっていることはそこまで変わらないですけど、一番大きな違いは座ってお食事をしている方を相手にDJをすることですね。クラブでは基本的に踊らせることを目的としていて、お客さんが踊ったり手を上げたりしてリアクションがわかり易いんですけど、レストランのお客様はそういうことはしないので、細かい表情の変化などを観察するようにしています。そこが大きな違いかなと思います。

──レストランでDJをやり始めて苦労したことはなんですか?

DJ TOMOHARU:席についているお客様を相手にDJをしているので、大きなリアクションはなく、今自分がかけている曲がその場の雰囲気にあっているのかどうかの判断が最初の頃は苦労しました。選曲に関してはPOPSもかけて欲しいとお店から要望があったんですけど、POPSの中でその場に合う曲はなんだろうとすぐに思い付かなかったので、そのイメージにたどり着くまでは結構時間がかかったかなと思います。



──会話が弾む選曲などはありますか?

DJ TOMOHARU:全体的にトークが弾んでいる暖かい空気の時は、HOUSE調のアップテンポの曲をかけて、雰囲気を明るくするというのは心がけています。

──サプライズ演出でよくかけるバースデーソングは何ですか?

DJ TOMOHARU:誰もが知っている一番わかりやすいバースデイソングなので、スティーヴィー・ワンダーの「Happy Birthday」をよく使いますね。日本食を提供したり、日本っぽいイメージのお店ではないし、若い人だけをターゲットにしたお店でもないので、老若男女、国籍問わず誰もが知っているこの曲を重宝しています。


──バースデーソングをかけるタイミングはどこで判断していますか?

DJ TOMOHARU:バースデーの予約が入っている席にスタッフさんがケーキを持っていっているのが見えたら、バースデーソングをかけます。お祝いの予定時間は事前に聞いていますが、お客様の都合によって前後することもあるため、バースデーソングは常にかけられるように用意してあります。

──レストランでのDJの時によくかける定番の曲はありますか?

DJ TOMOHARU:イギリスの人気アーティスト、Tom Mischの楽曲はよくプレイします。<サマーソニック>に出演したりなど、日本でも人気のアーティストですが、ジャジー、ソウル、ポップなどの要素がたっぷり詰まったオシャレな曲が多くて、それがレストランやラウンジにとても合う印象です。



──レストランでDJをしていて、やり甲斐を感じる瞬間はどのような時ですか?

DJ TOMOHARU:店内にいるお客様の年齢層などに合わせて、「あのテーブルのお客様はこの年代の曲が好きそうだな」と狙って選曲したりしていますが、そういう時にお客様からリアクションがあった時は嬉しいですね。お客様の好きな曲がかかった時にグッドポーズをしてもらった時、帰り際にDJブースの方まで立ち寄って頂いて「選曲良かったです!また来ます」と褒めてもらった時などにやり甲斐を感じます。



「ザ・ストリングス表参道」

東京都港区北青山3丁目6-8 ザ ストリングス 表参道
表参道のケヤキ並木から続くロビーに、緑の木洩れ陽が差し込むテラス、表参道を象徴するような空間で、世界の食が集まるNYをイメージした、インターナショナルキュイジーヌが堪能できる表参道のランドマーク。人気のプリフィックスランチコースや、アフタヌーンティー、テラスで楽しむパーティープランなど、記念日や女子会など様々なシーンで利用されている。
https://www.strings-group.jp/omotesando/

◆一般社団法人日本DJ協会オフィシャルサイト
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