【ライブレポート】真空ホロウ「これにて終幕!」

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2023年2月18日、真空ホロウの最終公演<真空ホロウへようこそ>が代官山UNITにて開催された。到着したレポートをお届けする。

◆真空ホロウ ライブ写真

真空ホロウは昨年2022年11月に17年のバンド活動に終止符を打つことを発表。その一週間後、東京キネマ倶楽部にてワンマンライブを敢行し大成功を収めたばかりだ。本公演は正真正銘のラストライブということもあり、かねてより親交のあるアーティストや音楽関係者を含め多くのオーディエンスが会場に駆けつけた。

また、「真空ホロウ写真展」と称し、会場の壁には2012年から今までのライブ写真が所狭しと飾られるなどファンにとっては嬉しいイベントも。これまでのバンドの歴史を振り返る演出がメンバーの心意気を感じさせる。

ソールドアウトとなった場内は異様な熱気を放ってメンバーの登場を待ち受ける。やがて暗転し、松本明人(Vo./Gt.)、MIZUKI(Dr./Cho.)そしてサポートメンバーの是永亮祐(Ba.)がステージに上がると早くも沸き立つ会場。



張り詰めたような緊張感を轟音の「シンデレラコンプレックス」で解き放ち、「真空ホロウへようこそ」の決まり文句で火蓋を切ると「知らんけど」「週末スクランブル」「バタフライスクールエフェクト」と激しいナンバーで立て続けに攻め、煽るメンバーにオーディエンスの拳が応える。

十分に会場をあたためると「CAGE」「こどものくに」「誰も知らない」「眩暈」「ゲシュタルト」といった松本の歌唱力が冴えわたるミドルナンバーでオーディエンスを魅了。MIZUKIの表情にも引きつけられる「あのね」「ただ今日を消化するために生きています。」「おんなごころ」で二人の多彩な表現力を見せつけ、「アトサキ」「バイバイゲーム」で“聴かせる”セクションを締めた。




青い照明の元、凛とした静寂を「被害妄想と自己暗示による不快感」のイントロが突き抜け、「共犯」「闇に踊れ」「ホラーガールサーカス」「アナフィラキシーショック」が追随。会場の一体感もあいまって、クライマックスに向けて最高潮の盛り上がりを見せてゆく。結成当初より不動の人気を誇るナンバーということもあり涙を見せるファンの姿も多く見られた。

そしてアンセム的な位置づけでもある「MAGIC」では松本がオフマイクで、MIZUKIはスツールの上に立って全身でコール&レスポンスを呼びかける。徐々に大きくなる場内の声援に乗せてエネルギーのほとばしる演奏と歌声を繰り広げ、熱烈な拍手を受けて本編が終了。MC一切無しの20曲を堂々と駆け抜けた。



間髪入れずのアンコールに応えてメンバーがステージに再登場。「I K I R U」の歌詞を《もって17年》《僕らのペースで》などと変えて一人一人に訴えかけるように歌いあげる松本、目に涙を光らせるMIZUKI。

「17年間の全身全霊の感謝を込めて。いつかまたどこかで、もう一つの未来でお会いしましょう」(松本)

松本が今日初めて口にした言葉のあとで、ついに訪れたラストは「虹」が飾った。1stシングル表題曲、かつTVアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』エンディングテーマへの起用で真空ホロウが世に知れ渡る契機となった作品であり、これからもファンの心に虹がかかるように、そういう想いを込めて選ばれた大団円にふさわしい一曲だ。


二人向かい合い惜しむように最後の一音を演奏し終えると「真空ホロウ、これにて終幕!」と松本が締めくくり、二人は深々と一礼。「ありがとうございました」とオフマイクで叫ぶ松本、MIZUKI──二人がステージを去った後も、多くの「ありがとう」と鳴りやまない拍手が響き続けていた。

なお、本公演の模様をその場で収録した臨場感あふれるSDカードが終演後に販売された。こちらの映像にさらにカメラ台数を増やした再編集バージョンも、3月上旬にダウンロード販売予定。

撮影◎高田真希子

◆真空ホロウ オフィシャルサイト
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