【インタビュー】SKYKIDD、「みんなで作った」初の全国流通盤
FRONT LINEのMC兼ボーカルのRYOMAと、DJ兼トラックメイカーのSHOTAROの手厚いサポートのもと、全国デビューを果たしたシンガー兼ラッパー・SKYKIDD。1stミニアルバム『milestone』はクラウドファンディングを経て制作され、彼のアーティストとしての可能性が広がっていくことを示唆させるバラエティ豊かな作品に仕上がっている。メロディとラップを用いて、フリーキーなヒップホップチューンから、エッジーなラップチューン、切ない想いを歌い上げたミディアムナンバーなど、様々な楽曲を乗りこなす彼は、どんな想いのもとスタートラインに立ったのだろうか。初インタビューで迫った。
◆ ◆ ◆
■思い切って挑戦してみました
──SKYKIDDさん、地声はすごく低音が効いてらっしゃるんですね。楽曲を聴いていても気付かなかったです。
SKYKIDD:地声、だいぶ低いんです。そう思っていただけたのは、プロデューサーであるFRONT LINEのRYOMAさんとSHOTAROさんに、自分の声に合うキーやメロディを作っていただいているからだろうなと思います。
──なるほど。ではそのおふたりとタッグを組んで制作した新作『milestone』に至るまでの背景を伺いたいのですが、まずSKYKIDDさんが音楽を志したのは大学生の頃だそうで。
SKYKIDD:大学に入る前からずっと音楽を聴くのが好きな野球少年で。趣味でよくカラオケに行ってました。世代的にEXILEさんやCHEMISTRYさんのようなジャパニーズR&Bをよく聴いていて、RIP SLYMEさんのようなヒップホップ系も大好きでした。大学に進学して「自分もライブがしてみたいな」と思うようになって、3年生の頃友達と「オーディションを受けてみよう」と調べて、いちばん最初に出てきたのがワタナベエンターテイメントカレッジさんだったんです。申し込んだら“就職するかオーディションを受けるか、どちらかひとつに絞ってください”と言われたので、1年間スクールに通って“ひとまず25歳までがんばってみよう”と思ったのが始まりですね。
──「Let’s get it on」の歌詞にある《25 理由もなく漠然と決めつけたボーダーライン》ということですね。
SKYKIDD:こういうことは若いときにしかできないし、思い切って挑戦してみました。昼は大学で現実を見て就職を目指す人たちに囲まれる生活、夜はスクールで年齢や境遇に関係なく、夢に向かって努力している人に囲まれる生活をしてましたね。仕事を辞めてスクールに通っている人もいて、そういう人たちの姿が自分にはすごくキラキラして見えて、すごくいいなって思ったんですよ。在学中に3人組ボーカルユニットを組みました。
──そして卒業後に組んだユニットが2017年に解散。SKYKIDDさんは翌2018年にソロ活動をスタートさせます。「Sunrise」はその1年間の心情が描かれているのかなと思ったのですが、いかがでしょうか?
SKYKIDD:全員歌うユニットだったので、自分の歌いたいことや個人的なことを歌うのではなく、万人受けするような歌詞を意識して書いていたんです。でももっと自分の音楽への想いや自分の生活を歌詞にしたいなと思うようになって。僕、韻シストさんがめちゃくちゃ好きなんですけど、それくらいの時期に初めて韻シストさんのライブを観て、めちゃくちゃ喰らって。そのときに“あ、自分がやりたい音楽はこういうものだな”と気付いたんです。それからラップにも挑戦したいと思うようになりました。「Sunrise」はそういう僕の想いを汲んで、僕に合う音楽性を考えたうえで、RYOMAさんの世代ならではの目線も入れた歌詞を書いてくださったんです。
──FRONT LINEと親交が深まっていったのはどういうきっかけだったのでしょう?
SKYKDD:まず最初はユニット時代に対バンをしたのがきっかけです。FRONT LINEさんはトラックもすごくかっこいいし、メロディもキャッチーだし、“インディーズにこんなにプロ志向を持った人がいるんだな”と感動しましたし、自分もこんな曲を歌いたいとも思ったんですよね。ラップをやっている人も周りにあまりいなかったし、それで積極的にコンタクトを取っていくようになって。
──となるとSKYKIDDさんは、なかなかの甘え上手さん?
SKYKIDD:そうだと思います(笑)。同年代と対バンをすることが多かったので、音楽の話ができる先輩があんまりいなかったんですけど、RYOMAさんはすごく社交的で、コミュニケーションを取りやすくて。“僕らをイベントに呼んでください!”とお願いしたり、“このイベントにはどうやったら出られるんだろう?”と調べてるときに、FRONT LINEさんがそのイベントに出演する告知が出ていたのでコンタクトを取ってみたり(笑)。
──FRONT LINEさんの楽曲だけでなく、動き方も魅力的だったということですね。そういうなかでじょじょにいろいろ相談に乗っていただくようになった、と。
SKYKIDD:RYOMAさんとはユニット時代からプライベートでも音楽に対する想いを夜中まで話したり、“そういうことをやりたいなら、こうしてみたら?”みたいにアドバイスをいただく機会が多かったんです。「Sunrise」は自分の思っていることを代弁していただいただけでなく、自分ひとりでは書けない歌詞になりました。この曲ができたことでソロの自分のスタイルや、どういう曲を作って歌うべきなのかが見えたなと思いましたね。
──積極的にコンタクトを取っていたことが、SKYKIDDさんの人生を変えたんですね。
SKYKIDD:本当、FRONT LINEさんとこんなに親しくさせていただいてなかったら、いまも音楽を続けてられなかったなと思います。アーティストを目指したころ“25まで続けよう”と思ってたけど、FRONT LINEさんに出会ったのは25歳だったし、つながりも増えてきてこれからという状況だったから、このまま音楽を辞めるのは勿体ないと思ったんです。それでようやく初の全国流通盤を作ることができて、ようやくスタートラインに立てた感覚がありますね。
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