【インタビュー_後編】wyse、充電完了後の第一弾楽曲に「まっすぐに進み続けるっていう意志」
12月24日に“充電完了”を宣言したwyseが、新曲「RAYS」配信リリース(12/25)に先駆けて、同曲ミュージックビデオをFull ver.で公開したことは既報のとおり。バンドの活動が止まっている期間中にTAKUMAは10曲の新曲を書き下ろし、そのうちの4曲が再始動のアナウンスとともに動画(3曲はShort ver.)で一挙アップされた。
◆「RAYS」ミュージックビデオ 動画
充電完了の経緯や各自がwyseについて考えた充電中の日々についてはインタビュー前編で語り尽くしてもらったが、その後編では“交わって太く強くなっていく4本の光線”をイメージしたという「RAYS」を中心に、全貌はまだ明らかになっていない3曲についても4人に説明してもらった。なお、wyseは2020年2月15日に<wyse 21st anniversary live「RAYS」>と銘打った再始動公演を東京・LIQUIDROOM EBISUで開催する。
◆ ◆ ◆
■これまでを断ち切るのではなく
■延長線上にある曲がいい
──充電完了の発表とほぼ同時に「RAYS」ミュージックビデオFull ver.がアップされ、翌日から配信リリースがスタートしましたが、どんなイメージで書いた曲ですか?
TAKUMA: “10通りの絵を描くように曲を作った”と先ほど話しましたが、その中で、僕らの気持ちだったり目指すものを共有していって、最終的に選んだのが「RAYS」でした。いろいろな形があった中で最終的には、2019年までにwyseがやってきたことを断ち切るのではなく、どこかその“延長線上にある曲”がいいということになって、スピード感がありタッチが強くてサビにちゃんとパンチがある曲をチョイスしようって。
月森:僕は聴いた瞬間に“wyseの新曲だ!”って思いました。新しいwyseの曲が上がってきた!そんな印象を受けました。
▲新曲「RAYS」 |
MORI:僕は“待っている人がどういう気持ちなのか”っていうことを考えたんですけど、不動のwyseを望んでいる人もいるのかもしれないし、充電したからには新たなwyseをと思う人もいるかもしれない。全ての要望をカバーするのは難しいですけど、そういった意味では「RAYS」はそんな様々な要素が入っている1曲だと言えますね。それでいて、ミュージックビデオという形で発表された「RAYS」「瞑色」「Parasite City」「雨上がりの空」という4曲の中で、いちばん安心してもらえる曲でもあると、そう思います。俺自身のギターも充電前に弾いていたスタイルと少し変わってきているので、そういう意味では個人的に新しい部分も出せたかなと思っています。
──「RAYS」には“どんなに苦しくて 難しい時でも 君のその存在が 僕に勇気をくれる”という歌詞が出てきますが、どんなメッセージを込めた曲でしょうか?
TAKUMA:まず、僕ら4人を象徴するタイトルにしたかった。“RAYS”は“光線”の複数形なんですが、4本の光線が同じ方向を向いて重なればひとつになるし、太く強く重なりながら進んでいけたらと。そこにファンの人たちや関係者の方々も合わさってくれたら、数千の光線がひとつになっていく。“まっすぐに進み続ける”っていう意志を表現したいというのが軸にありました。それと、まぁこれは個人的な意味ではありますが“レイズ”のスペルを変えた“RAISE”には、ポーカーでいう“場を上げる”とか“勝負する”という意味もあって。コールで場を揃えるでもフォールドで降りるでもなく、レイズする。“攻めるよ”という意志を含めてつけたタイトルでもあります。
──明度が高い曲ですしね。いまのTAKUMAくんの話はジャケットのアートワークとリンクしています。
TAKUMA:そこはデザインしたMORIが感じ取ってくれたんじゃないですか?
MORI:“うん”と言わざるをえない(笑)。
──「RAYS」のミュージックビデオはFull ver.が公開され、「雨上がりの空」「Parasite City」「暝色」はトレーラー映像でミュージックビデオの一部が公開されていますね。
TAKUMA:この4曲、2日で撮ったんですよ。
──え! 2日で4曲ですか?
MORI:そんな過密スケジュール聞いたことないでしょ(笑)?
TAKUMA:イメージは掴んでいるものの、タイトなスケジュールだったので……通常は撮影を進めながら実際にどんな感じになっているかなど確認しながら進行するんですが、今回はもう撮った映像のチェックなどは僕らもせず、すべて信頼して任せて進めていきました。「RAYS」も背後にLEDパネルがあるけれど、どんな映像が流れているのか僕らはわからなかったですね。
月森:後ろを見て演奏するわけにいかないからね。
TAKUMA:規模感の違う、レベルの違う、物凄く大きな倉庫で演奏シーンをメインに撮ったんですけど、その場所だったからこそ撮ることの出来たスケール感と楽曲のスピード感を活かしたミュージックビデオになっていると思います。
HIRO:スモークを焚きすぎて火災報知器が鳴ったりな(笑)。
──ははは。では、ほかの3曲の内容についてもお話しいただけますか?
MORI:「雨上がりの空」はwyseにいままでありそうでなかったミディアムな曲ですね。いちばん最後にレコーディングした曲。
TAKUMA:温度感や日常を感じるような表現。そんな印象の中、メッセージを散りばめた歌詞、楽曲ですね。
HIRO:いちばん日常に溶け込むというか、街中で流れていてしっくりくる楽曲が「雨上がりの空」だと思いますね。4曲の中でいちばんwyseっぽさとかけ離れているかもしれない。世界観でいうと例えば山下達郎さん的な、いい曲というか。
TAKUMA:HIROも言ってくれたように“いい曲”をいまの自分たちなりに“いい曲”として形にした曲ですね。ピアノで作って、そこをそのまま軸に構成やアレンジを立てたので、バンドっぽくないという印象を受けるかもしれないですけれど、こういう曲をいまのwyseでやってみたらどうなるかな?って。
◆インタビュー(2)へ
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